国内FA権を行使した楽天イーグルス・辰己涼介が「いまだ進展がない」と打ち明けたのは、12月19日に都内で行われたトークショーでのことだ。以降、どこかの球団が辰己に連絡を入れた、との情報はない。しかし「レコードチャイナ」などアジア圏の海外メディアを見ると、その名前が報じられていた。
「CPBL(台湾プロ野球)が獲得を狙っている、とありました。複数の球団が辰己を調査しているようです」(球界関係者)
近年、台湾の野球レベルは上がっている。昨年オフの「プレミア12」では侍ジャパンを破って初優勝を飾っており、来年3月のWBCでも「一次予選のライバルはチャイニーズタイペイだ」の声が日本球界の関係者から聞かれるほどだ。
「U-15、U-18の大会で日本が敗れるケースが増えてきました。CPBLはもちろんですが、10代の野球組織の指導も強化されています。メジャーリーグ、日本プロ野球の中継が台湾内で定着した影響でしょう」(前出・球界関係者)
とはいっても、辰己の保有権は楽天にある。フリーエージェントのルールでは、このまま移籍交渉がまとまらずに交渉期限が過ぎてしまった場合、辰己は楽天と来季の契約更改交渉に入る。ここで決裂して「セルフ戦力外」となるケースもある。ただ、辰己がFA権を行使した背景には「ポスティングシステムによるアメリカ球界挑戦が容認されなかったこと」があるため、「帰還しにくいのではないか」と懸念されている。
「CPBLが辰己と交渉するには、楽天が保有権を手放すことが大前提。CPBL側は辰己が希望する投手出場、つまり二刀流に前向きだそうです」(前出・球界関係者)
先のトークショーで辰己は、
「ピッチャーとしても野手としても、戦力になれるような準備をしたい」
と語った。楽天は今春キャンプで、辰己の二刀流願望を却下している。この発言は、CPBLの評価を知ってのものだろうか。
「CPBLは6球団、総選手数は420人ほど。台北ドームができて、観客動員数は右肩上がりではありますが、前・後期制で年120試合。選手の平均年俸は7万ドル(約1010万円)に届いていません」(前出・球界関係者)
CPBLで資金力があるとされるのは兄弟エレファンツ、味全ドラゴンズ、そして楽天モンキーズだ。イーグルスからモンキーズへ…という前代未聞の移籍劇があるのか。
(飯山満/スポーツライター)

