【競走馬異聞2】
この冬は早見和真の同名小説が原作で、日本中央競馬会(JRA)が制作に全面協力したTBSの日曜劇場『ザ・ロイヤルファミリー』が脚光を浴びた。同ドラマは競馬界を舞台に、家族や仲間たちとの絆で奇跡を起こしていく人間と競走馬を描いた物語だが、その人気ぶりもあって年末の有馬記念が大いに盛り上がりをみせているのだ。
そこで今回は、競馬界に溢れるあなたの知らない珍記録を一挙公開! これを知っておけば、あなたも「競馬通」になれるかも。(2回中の2回)
【競走馬異聞1】を読む
観客も仰天のラストラン!
●馬体重最高増加で出走した競走馬
2021年5月9日、新潟6レースである珍記録が生まれた。といっても、それがどんなものか答えられる人はほとんどいないだろう。
主役となったのは、結果的にこのレースがJRAでのラストランとなったボンディングタイムという馬。驚くべきことに馬体重は前走からプラス66キロの592キロで、これは1986年以降のJRAに限ると、最高プラス体重での出走だった。
この日は前年3月21日の3歳未勝利以来、1年2カ月ぶりの実戦。レースでは躓きもあり13秒5差の最下位に沈んだ。その後、地方で勝った際は555~582キロだったので、さすがに重過ぎたのかもしれない。ちなみに同年12月のベテルギウスSでは、ダイメイコリーダが同じくプラス66キロで出走。15着に敗れている。
対照的に最大マイナス体重での出走は、’02年7月28日の小倉2レースに出走したライトハンド。506キロから436キロへ、約7カ月で70キロもダイエットしての参戦だったが、残念ながら14着に沈んでいる。
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川崎競馬では39年ぶりの珍事が発生
●8戦連続3着を達成した“令和のナイスネイチャ”
2025年2月8日の小倉競馬3レースに出走した3番人気のザウリ(牡6、栗東・森田)が3着に入線し、これで8戦連続3着という珍しい記録を打ち立てた。
同馬は昨年、1200メートルのダートを7戦してオール3着。今年初戦は距離短縮で初めて1000メートルのダートに挑んだが、勝ち馬から0秒6離された、自身11度目の3着となった。
8戦連続3着という珍しい結果にSNSでは「令和のナイスネイチャ」と、1991年から’93年の有馬記念で3年連続3着となった懐かしの名馬を持ち出す投稿が寄せられた。同馬は次走(3月1日)の小倉競馬3レース(ダート1000メートル)に出走し見事1着。連続3着の記録は途切れた。
過去には2021年にレッドレビンが同じく8戦連続3着の記録を残している。
●川崎競馬で2着が3頭同着の珍事
2025年7月10日の川崎競馬8レースで2着が3頭同着となる珍事が起きた。
この日の8Rはピッツァナポリが1位で入線。続く2着争いをエーステンペスト、クレテイユ、ブレーヴジャーニーが横一線で入線。長い写真判定の結果、3頭が2着同着となった。的中は複勝が4通り、枠複、枠単、馬複、馬単、3連複は3通り、ワイドと3連単の的中はそれぞれ6通りだった。
川崎競馬場での3頭同着は、1986年8月20日に3頭が1着同着となって以来、39年ぶりの珍事となった。ほかにも過去に馬券の対象が3頭同着になったケースは、地方競馬では2004年7月4日に高崎6レースで1着馬が、またJRAでは’20年11月23日の阪神12レースで3着馬が3頭同着になった例がある。
