
ジェームズ・キャメロンが監督を務める「アバター」シリーズ第三作「アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ」は12月19日より公開され、全世界興行収入は約543億円(※12月22日正午時点)を記録するなど好調なスタートを切っている。この度、キャメロン監督やキャスト陣が“心震わせるドラマ”を生み出すための制作の裏側を語る特別映像が公開された。
■アバターシリーズ最新作「アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ」
「アバター」(2009年)公開当時、キャメロン監督は独自の革新的な3Dカメラを開発し、他の3D作品とは比較にならない驚異的なクオリティーを実現。世界中で旋風を巻き起こした。
神秘の星パンドラを舞台に、先住民のナヴィと、侵略を狙う人類との戦いを描いてきた「アバター」シリーズ。人間とナヴィのDNAを融合させて作り出したクローン肉体・“アバター”としてパンドラに潜入した元海兵隊員のジェイク(サム・ワーシントン)は、ナヴィのネイティリ(ゾーイ・サルダナ)と恋に落ち、家族を築き人類と戦う決意をする。「ウェイ・オブ・ウォーター」(2022年)では海へと戦いの場を移し、愛する者のために人類と対峙。侵略を退けることに成功するが、家族の命を奪われるという大きすぎる犠牲を伴った。
そして、最新作「ファイヤー・アンド・アッシュ」では同じナヴィでありながらパンドラを憎むアッシュ族のヴァラン(ウーナ・チャップリン)が人類と手を組み襲来し、かつてない“炎の決戦”が始まる。
なお、「アバター」シリーズ過去作はディズニープラスで配信中。

■AIに頼るのではなく、人間の想像力こそが創造の源
キャメロン監督が本作の制作過程でこだわったのは、俳優による“生身の感情豊かな演技”と“パフォーマンスキャプチャ技術”の融合。
パフォーマンスキャプチャとは、身体の動きのみならず、表情の機微や指先の細かな動きまでをデジタルデータとして記録する技術であり、この技術により、スクリーンを躍動するナヴィたちに宿る“本物の感情”が生み出されている。新たに公開された映像には、そんなパフォーマンスキャプチャでの撮影風景や、制作の裏側、そして監督・俳優たちの思いが映し出されている。
パフォーマンスキャプチャ技術についてキャメロン監督は、「俳優たちが何をしているのか、彼らがどれだけ献身的に情熱を注いでいるのか、実写作品と同じくらい心血を注いで役作りしている姿を、観客に見せなきゃいけないと思った。主張したいのは、これは最も純粋な形の映画演技であり、演技そのものの最も純粋な形態だということだ」と熱弁。AIに頼るのではなく、人間の想像力こそが創造の源であることを強調した。
そんなキャメロンのこだわり抜いた撮影現場について、ジェイクの養子・キリを演じるシガーニー・ウィーバーは「スーツを着ることで、登場人物そのものになれて、物語に深く入り込めるの。だから身を委ねるだけで、シーンがひとりでに動き出すんです。こんなに制限なく演技ができる環境は初めてよ。ご褒美みたいだわ」と振り返る。
また、アッシュ族のヴァランを演じるウーナ・チャップリンも、「演劇学校を思い出しました。イスと自分しかいない空間であらゆるものを表現する。自由に全身で演技できて本当に楽しかった」とコメント。
ネイティリ役のゾーイ・サルダナは、「これまでにない教育を受けている感覚よ。『アバター』の一員となり、最新技術の中で演じることで、演技、演劇、芸術について学び直しています」と、特異な経験を語った。
そしてシガーニーは「俳優全員に経験してほしいわ。本当に自由に演技できる。監督が登場人物たちを愛し、俳優の味方でいてくれる。こんなに創造性を解放できる環境は他にはないわ」とコメント。キャメロン監督への敬意の言葉で、映像は締めくくられた。

