レッドブル共同オーナーのマーク・マテシッツと、その著名人パートナーであるヴィクトリア・スワロフスキーは、2026年1月にサウジアラビアで開催されるダカールラリーに出場する。
レッドブル創業者の故ディートリヒ・マテシッツの息子で、現在レッドブルの株式の49%を握るマーク・マテシッツ。彼は2023年にスワロフスキーとの交際を公にした。なおパートナーのスワロフスキーはオーストリアのクリスタルのプレミアムブレンドを手掛けるスワロフスキー社の創業家直系で、様々なテレビ番組に司会者として出演していることで知られている。
そんなセレブなふたりが、揃ってダカールラリーに出場する。
スワロフスキーは既に2025年夏の段階でRTLのインタビューに対し、ダカール参戦の準備を進めていると明らかにしていたが、オーストリア誌“Kleine Zeitung”がパートナーのマテシッツもダカールに挑戦すると報じたことで明らかとなった。
ただし、2人の本名は公式エントリーリストには記載されていない。代わりに偽名で登録されており、マテシッツは「マーク・ムスターマン」、スワロフスキーは「ヴィック・フリップ」となっている。
ムスターマンとフリップとして登録された生年月日は、それぞれマテシッツとスワロフスキー本人のものと一致している。エントリーリストにはプロフィール写真は掲載されていないものの、10月に準備イベントとして行なわれたラリー・ドゥ・マロックのタイミングシステムには、ふたりのオーストリア人の写真が表示されていた。
なおマテシッツとスワロフスキー……偽名ではムスターマンとフリップは、「世界一過酷なラリー」として知られるダカールにおいて、同じ車両を共有するわけではない。ふたりは別々のカテゴリーで、それぞれ異なるマシンを駆って参戦する。
マテシッツは、ダカールにおける最高峰「アルティメット」カテゴリーと位置付けられるT1+クラスでトヨタ・ハイラックスをドライブする。スワロフスキーは、より小型のチャレンジャークラスT3.1に出場し、BRP製カンナム・マーベリックRをドライブ予定だ。
セレブによるこの挑戦だが、彼らも準備はしっかりと進めてきた。マテシッツは2024年から既にラリー競技に出場し始めており、2025年もトヨタ・ハイラックスT1+に乗り換え、さらに5戦に出場した。スペインのバハ・エストレマドゥーラとバハ・ギリシャでは5位入賞を果たしている。
スワロフスキーも2024年にオフロード競技への挑戦をスタートさせており、複数のラリーに参戦。2025年も3戦に出場している。ただ、目立った結果は残せていない。
偽名での出場に関しては、F1で4度王者のマックス・フェルスタッペンも、5月にニュルブルクリンク北コースで初めてGT3フェラーリのテストを行なった際、同様の手法を用いた。彼は注目を避けるため、「フランツ・ヘルマン」という名前で登録しており、明らかになったあとには一時的にフランツ・ヘルマンブームも巻き起こっていた。

