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平畠啓史セレクト! J2年間“至極の11人”|混戦の左サイドで推したいのは秋田の佐藤大樹。いわきの五十嵐聖己は覚えておいて損はない

平畠啓史セレクト! J2年間“至極の11人”|混戦の左サイドで推したいのは秋田の佐藤大樹。いわきの五十嵐聖己は覚えておいて損はない


 2025シーズンの各カテゴリーのアウォーズが終わると、今年も残り1週間ほど。年が明けるとすぐに新体制発表からキャンプ。そして百年構想リーグに突入とかなりあわただしい年明けになる予感だ。

 その前に、今回はJ2アウォーズのベストイレブンに選ばれた選手以外で、勝手にベストイレブンを選ぶという企画。勝手に選んでいるので、出場試合数はある程度は考慮するものの、数字だけでなく印象に残った選手を、順位にあまりとらわれることなくピックアップしてみたいと思います。

 GKは長崎の後藤雅明。シーズンが進むにつれて、どんどん存在感が増した後藤。終盤の何試合かは後藤のセーブがなければ、結果が変わっていたような試合も少なくはなかった。そして、最終節アディショナルタイムのスーパーセーブ。勝点「1」を手繰り寄せたとかの問題ではない。シーズンを決めるスーパービッグセーブなのだ。

 終盤の負傷で欠場を余儀なくされた大宮の笠原昂史は、シーズンを通して素晴らしいパフォーマンスだった。仙台の林彰洋は存在感抜群だった。鳥栖の泉森涼太はすべてのプレーのレベルが高く、フィードも安定していた。ただ、後藤の常日頃のパフォーマンスと最終節のセーブの重要度を考えると、やはりGKは後藤を推したい。

 右サイドバックは千葉の髙橋壱晟。12節の熊本戦は出場しなかったが、その他のゲームはフルタイム出場。プレーの安定感。気の利いたポジショニング。8節・水戸戦のゴラッソ。J1昇格プレーオフ決勝でのアシスト。キックの精度もすこぶる高い髙橋。1シーズンを通して安定したパフォーマンスを継続した。
 
 左サイドにはいわきの五十嵐聖己。全試合出場で6G4A。走れるしフィジカルも強いしロングスローも飛距離十分。さらに、この選手は迫力ある攻撃性が魅力。縦に仕掛けた時の勢いは凄まじく、シュートはスピードもあってかなりの破壊力。この選手は覚えておいて損はない。3バックの左に入る徳島の青木駿人も対人の守備やフィードはかなり安定していた。

 センターバックの一人目は千葉の鈴木大輔。6連勝でスタートした千葉だったが、シーズンは山あり谷ありで難しい時期もあった。しかし、崩れなかったのはキャプテンマークを巻いて奮闘する鈴木の存在があったからこそ。自分のプレーだけでなく、常に周りに声をかけ、ディフェンスラインだけでなくチームをまとめ上げた。千葉のJ1復帰の立役者の一人である。

 センターバックのもう一人は鳥栖の井上太聖。順天堂大卒のルーキーながら全試合出場。第1節は途中出場だったが、2節からはフルタイム出場。守備時の反応が良く、優れた対応力で人に対して簡単に負けることはない。そして安定したボール扱いで、3バックの右から前が空いていると巧みにボールを運んだ。ボールを大事にする鳥栖のサッカーで、後方からボールを繋ぐことができる井上の存在は貴重だった。

 大卒ルーキーでは東京国際大から水戸に加入した板倉健太も素晴らしい活躍。危機察知能力に優れ、的確なカバーリングでディフェンスラインに安定感をもたらしていた。
 
 ボランチの一人目はいわきの山下優人。37試合出場で5G9A。磐田から横浜FMにシーズン途中で移籍したジョルディ・クルークスと並んでアシストランキングトップ(途中で移籍したのにアシスト1位のクルークスは凄いな~)。

 兎にも角にも、この選手は左足の精度! コーナーキック、フリーキックで山下が蹴ると必ず良いところにボールが来る。セットプレーになると、見ている側の期待感は上がるし、いわきの選手が信頼して飛び込んでいく様子が伝わってくる。後半戦のいわきは調子も良く、魅力的なサッカーを披露。あと数試合、このメンバーでのサッカーを見ていたかった。

 ボランチのもう一人は水戸の大崎航詩。DF登録で、これまでは左サイドの守備を担当することが主だったが、ボランチに抜擢されて(学生時代にボランチでプレーすることもあったという話も聞いた)、最高のパフォーマンス。この大崎のボランチ起用が水戸優勝の要因の一つと言っても過言ではない。

 中継映像からも大崎のボール扱いの巧みさやパスセンスを見ることはできるが、スタジアムで見ると守備時の相手の捕まえ方や相手への寄せの鋭さがよく分かる。常にポジションを修正しながら、的確に状況を把握して、相手の中盤の選手にプレッシャーをかけていく。ボールを奪うと正確なキックで展開し、攻撃を組み立てた。実に素晴らしいパフォーマンスだった。
 
 攻守両面でタフに戦った徳島の児玉駿斗や鹿沼直生。出場試合数は少なかったが、球際で圧倒的な強さを見せた大宮のアルトゥール・シルバ。ミスが少なく、しっかりとゲームを作った仙台の鎌田大夢など、ボランチも良い選手が多かった。

 中盤の右には仙台の郷家友太。37試合で10G5A。FWでプレーすることも多かったが、攻撃だけでなく守備も厭わずハードワーク。絶妙のタイミングでゴール前に侵入しゴールを奪った。どのポジションでも高水準のプレーを披露し仙台を牽引した。

 さて、今シーズンのJ2では中盤の左サイド、もしくは左のウイングバック的なポジションに個で打開できる魅力的な選手が多かった。椿直起(千葉)、倍井謙(磐田)、泉柊椰(大宮)、相良竜之介(仙台)、新井晴樹(鳥栖)、高木友也(徳島)などなど。山本隼大(水戸)も津久井匠海(水戸→大宮)も左に入ることもあるし、もうキリがない。もうお好きな選手を各々で入れてください(笑)。

 そこで私が推したいのは秋田の佐藤大樹。シーズン当初、出場はなかったが、終わってみれば30試合で5G6A。左足の精度が高く、スピードのあるクロスでゴールを演出。FW登録の選手でもあるのでゴール感覚も優れている。守備でもしっかりと貢献しながらも、攻撃で違いを作り出した佐藤の活躍は身逃せないものだった。
 
 トップ下には藤枝の浅倉廉。37試合で9G3A。とにかくキレが半端ない。サッカーを初めて見た人でも、あの選手は他の選手とは違うと分かるくらいのキレ。絶えず仕掛ける浅倉だが、より密集した中央に小気味よく仕掛ける姿勢が見ていて気持ちいい。ピッチ上で浅倉の存在は際立っていた。

 中盤の左に入れても良かったが、左は混み合っているので、こちらでピックアップするのは今治の横山夢樹。途中出場も多かったし、世代別の代表に招集されることもあったが、25試合で6G6A。スピードに乗ったドリブルそして切り返し。果敢に仕掛けて今治の攻撃に前向きのパワーを与えていた。今後の活躍も楽しみにしたい。

 FWには徳島のルーカス・バルセロス。32試合で14G4A。ドリブルを開始しスピードに乗ると、ファウルでも止められないような勢いで前進。ただ、しっかりと余力を残してゴールを決め切った。

 千葉の石川大地も入れたかった。29試合で10G2A。組み立てのシーンでは顔を出して起点を作り、ボックス内では慌てることなく絶妙な感覚でゴールも決めた。千葉の攻撃陣において石川の働きは相当に大きなものだった。
 
 最後に。7月23日、長崎から名倉巧に関するリリースが出た。体内に悪性腫瘍が発見され、病気療養のためチームを離脱し、治療に専念するとのことだった。

 クラブは様々な形でサポートすると宣言し、名倉を支援する「14NAGU(ONE FOR NAGU)PROJECT 」というプロジェクトがクラブの垣根を超えて広がった。

 病気のことは分からないし、病気のつらさや治療の大変さは本人にしか分からないので、なんとも言えないけれど、できることといえば、病気が治って元気な姿で名倉がピッチに戻ってくることをただただ待つだけ。名倉巧選手、焦らずゆっくりと治してください。

取材・文●平畠啓史

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配信元: SOCCER DIGEST Web

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