
NMB48・川上千尋の卒業コンサート「NMB48 川上千尋卒業コンサート〜アイドルちっひーのラストイニング〜」が、12月23日に大阪・オリックス劇場で開催された。同コンサートの模様をレポートする。
■トラッキーが登場し、始球式風セレモニーでスタート
川上は、NMB48の第4期オーディションに合格し、2012年12月にグループへ加入。2019~2021年はキャプテンとしてチームNをけん引し、27枚目のシングル「好きだ虫」では初のシングル表題曲のセンターを務めた。
また、プロ野球・阪神タイガースの大ファンで、TORACO応援隊長を務めたり、「月刊タイガース」で連載を担当したりと幅広く活躍。卒業コンサートも、タイトルからも分かるように“野球”色が濃く出た内容となった。
野球場をイメージしたステージセットの中、コンサートは阪神タイガースのマスコットキャラクター“トラッキー”がピッチャーを、バットを持って客席に登場した川上がバッターを務めた「始球式風セレモニー」で開幕。
川上は「ありがとう、来てくれて! 本当にうれしいです。卒業コンサートで始球式ができるだなんて、まさか皆さんも思ってなかったでしょう」と笑顔を見せた。そして、「川上千尋の卒業コンサート、スタート!」と元気よく呼びかけると、サイレンが鳴り、「Overture」が流れて本編がスタート。
最初のフレーズを川上がアカペラで歌う「全部抱きしめろ」に始まり、「ウイニングボール」「初恋の行方とプレイボール」「チューストライク」と、序盤から野球をイメージさせる楽曲を連続で披露。サインボールをバットで打って客席に飛ばしたり、トロッコで客席を練り歩くなど、ファンサービスもたっぷりと行っていく。
NMB48キャプテンの塩月希依音が「ついに始まってしまいましたね」と川上に話しかけると、「始まったら一瞬」と少しさみしそうな表情を見せつつも、「トラッキーが来てくれたんですよ。まさに夢が叶いました」と一瞬でパッと笑顔に。そして「今日は卒業コンサートになりますが、全力で楽しんでいただけたらと思いますのでどんどん声出しちゃってくださーい!」とファンに呼びかけた。
■内木志、小嶋花梨、W1N-Cメンバーらが登場
ユニットコーナーは、川上の思い出深い楽曲をセレクト。中盤の「ロマンティックなサヨナラ」では、この曲で川上とWセンターを務めた卒業生の内木志が登場し、2人で歌唱。後半、卒業生の石田優美(2期生)、加藤夕夏(3期生)、小嶋花梨(5期生)と上西怜(5期生)が登場し、「After rain」を5人で歌唱。
川上は「今回、このメンバーは“レジェンド”として集めさせていただきました。私がガムシャラに頑張った時期、一緒に乗り越えてきた先輩メンバーたちということで」と伝えると、小嶋がすかさず「先輩メンバー!? 私はめっちゃ後輩です!」とツッコミを入れるが、川上の「グループとして見た時に」という補足に納得。4人から「最初の衣装も可愛かったよ」など、褒められると「泣いちゃう」とちょっと涙目に。
その後、緊迫した殺陣のシーンからの「HA!」「高嶺の林檎」「海を渡れ!」とめまぐるしくさまざまな演出が展開されていく。「ウッホウッホホ」では、石塚朱莉、水田詩織、前田令子、河野奈々帆、出口結菜、岡本怜奈が登場し、2021年の1年間限定で活動したグループ・W1N-Cが一夜限りの再集結。久しぶりに集まっても相変わらずのわちゃわちゃ感に、川上は「いい意味で、涙引っ込んだ」と言って満面の笑顔を見せた。
終盤は、「僕以外の誰か」「まさかシンガポール」「好きだ虫」と、MVの中で“センターだけが持つことができるゴールデンマイク”を山本彩、白間美瑠、川上千尋と継承した3曲を続けて、センター川上でパフォーマンスし本編が終了。


■ゴールドに輝く卒業ドレスで登場
アンコールでは、ゴールドに輝く卒業ドレスに着替えた川上が登場。「素敵なドレスを作っていただきました。卒業コンサートができるまで、たくさんのスタッフさんに協力していただいて、メンバーにも私のやりたい曲を覚えてもらって、たくさんの方の協力で今日を迎えることができています。そして、すべてのファンの皆さんのおかげで、今日このステージに立つことができています。本当にありがとうございます」と、関わったすべての人達へ感謝の気持ちを伝えていく。
そして、「ここで少し私のお話をさせてください」と自身のアイドル人生を振り返りつつ、卒業に際して思いのこもったメッセージを届けた。
■川上千尋 メッセージ全文
私は2012年12月23日にNMB48シアターで4期生としてデビューしました。なので、今日でちょうど13年になります。ありがとうございます。こんなに、13年もアイドルを続けられるとは正直思ってなかったです。
デビューした当時は、アイドルというものが理解できてなかった。握手会も写メ会も、何をしたらいいのか分からなくて。そういう時期が続いた結果、塩対応と言われ、そういう言葉を耳にした時に「アイドル向いてないのかな」って感じたりしてました。
でも、その中で、私に、アイドルの川上千尋に期待してくださってる声や応援の声がちゃんと届いていて、その皆さんの声に応えたいと思った時に自分なりのアイドルの在り方を見つけられるようになりました。見つけてからは本気になることができました。
毎日が悔しくて、挫けそうな自分に「負けないぞ!」っていう気持ちで毎日必死にガムシャラに日々を走ってきました。そばで支えてくれる家族や応援してくれる友達、そしてどんな時も味方でいてくれるファンの皆さんの笑顔が見たいと思うと、目標や夢ができました。
でも目標に近づいた時が一番悔しかったです。選抜に入る一歩手前という時期や、選抜に入れてもなかなか上にいけなかった時期、そして選抜落ちしてどうしたらいいか分からなかった時期とか。そんな時期に、応援してくださってる方、支えてくださってる方に申し訳ないなと思いながら活動している自分がいることが一番悔しかったです。
そんな時、頭によぎるのが“卒業”でした。当時、母に「もう辞めたい」と伝えたら、「あんた、そんな中途半端でええんか」って強く言ってくれたのを覚えています。それで冷静になって周りを見てみると、ライバルやファンの皆さんは前を向いていて、「一緒に頑張ろうよ」って声に出さなくても伝わってきたし、「また一緒に上を目指そうよ」ってファンの方が伝えてくれました。その時から“悔しい”は私の原動力になっています。
その気持ちを乗り越えると最高の景色が待っていました。そんな最高の景色を私はファンの皆さんとたくさん見ることができました。今日の卒業コンサートもその最高の景色の一つです。時間はかかったけど、13年の中でファンの皆さんと一緒に、アイドルとしての夢はすべて叶えられたなと思っています。
本当にありがとうございます。幸せでした。自分の意思をちゃんと伝えられない子だった私を変えてくれたのは、努力することだったり、諦めないことを教えてくれたのは、皆さんでした。アイドル川上千尋を見つけてくれて、本当にありがとうございました。
ここから先、私は新たな一歩を踏み出します。アイドルの時代に経験させていただいたお芝居の道に進みます。これまでと変わらず、きっとたくさんの壁が待ってると思います。そんな時に、アイドルで学んだこと、挑戦し続ける熱い気持ちを忘れずに成長していきたいと思っています。これからも応援よろしくお願いします。


■野球好きの川上らしく、最後は「ヒーローインタビュー」を
自身の思いを伝え終えた後、「最後にまたここで挑戦させてください。私はソロ曲を持っていなかったので作ってきました。さっき話したような気持ちを込めて歌いたいと思います」と言って、川上が作詞したオリジナルソングの「あいことば」を披露。
歌唱後、「一瞬だなぁっと思いますね。アイドルって儚いってこのことかって思いました」と振り返り、ラストは「青春のラップタイム」でNMB48らしく、川上千尋らしく元気に楽しく締めくくりった。
これで終幕と思われたが、「それではここから本日のヒーロー、NMB48川上千尋さんにインタビューします」というアナウンスが流れ、“ヒーローインタビュー”がスタート。今の率直な気持ちを聞かれると、「今は、こんなに素晴らしい景色を手放してしまうのかとすごく惜しい気持ちですが、最高でした!」と元気に回答。
ライブの中で印象的なシーンについては、「デビュー当時に劇場公演で見させていただいたペンライトの景色。それが倍以上になって見られたこと。ファンの皆さんの一喜一憂した表情を見られたこと」と明かした。
ファンの皆さんへのメッセージを求められると、「これからも私と共に上を一緒に目指してくれたら嬉しいなと思います。NMB48と川上千尋の応援をよろしくお願いします」と伝えて深くお辞儀をした後、「ラストイニング、行きます!」と言って黄色いサイン入りボールを客席に投げ入れた。
■渋谷凪咲「本当にかっこよくて、同期として誇りです」
そして、このタイミングで卒業生・渋谷凪咲がサプライズで登場し、川上に花束贈呈が行われた。渋谷は笑顔で駆け寄り、川上と熱いハグ。二人ともうれし泣き状態の中、渋谷が「同期としてずっとずっと思ってたこと、言っていい?」と言って、「ちっひーは、ちっひーが思ってるより、みんなから愛されてて、かっこよくて、輝いてて。みんながそれを思ってるけど、誰よりもちっひーが、ちっひー自身が認めてないなって思ってて」と川上のすごさを強く訴えた。
「ちっひーって本当にすごいですよね!」とファンに呼びかけると大きな拍手が鳴り響き、続けて渋谷が「誰よりもファンの方が一番思ってくれてると思うから、自分が自分を認めてあげて欲しいなと凪咲はずっと思ってました。本当にかっこよくて、同期として誇りです」と伝えると、「凪咲の言葉はいつも私に自信をくれます」と渋谷に感謝。「13年間お疲れ様でした」と、渋谷はNMB48最後の4期生となった川上を労った。
最後は、「六甲おろし」が流れる中、川上が会場内を一周し、「本当に幸せな13年間でした。私が13年間で一番嬉しかった、夢に手が届いたと思ったのは、このゴールデンマイクをファンの皆さんと一緒に掴み取った『ナンバトル2』のイベントでのセンターでした。本当に奇跡のような瞬間を体験させていただいて、本当にありがとうございました」と改めて感謝を。
続けて、「私にとってNMB48は人生です。NMB48が一番好きです。ファンの皆さん、支えてくれてる皆さんが一番好きです。では、今マイクを後輩に託したいと思います。ありがとうございます」と、金のマイクを置いて、見事に“ラストイニング”を締めくくった。
川上は、12月26日のNMB48劇場での卒業公演をもってグループを卒業する。


■「NMB48 川上千尋卒業コンサート〜アイドルちっひーのラストイニング〜」セットリスト
12月23日 大阪・オリックス劇場
M0:Overture
M1:全部抱きしめろ
M2:ウイニングボール
M3:初恋の行方とプレイボール
M4:チューストライク
M5:パジャマドライブ
M6:残念少女
M7:雨の動物園
M8:西瓜BABY
M9:星空のキャラバン
M10:君は僕の風
M11:夏のDestination
M12:サングラスと打ち明け話
M13:君のことが好きやねん
M14:鉄砲隊メドレー(もう裸足にはなれない/山へ行こう/ニーチェ先輩/サヨナラ踵を踏む人/告白の空砲)
M15:ロマンティックなサヨナラ
M16:光と影の日々
M17:前しか向かねぇ
M18:転がる石になれ
M19:After rain
M20:HA!
M21:高嶺の林檎
M22:海を渡れ!
M23:ウッホウッホホ
M24:僕以外の誰か
M25:まさかシンガポール
M26:好きだ虫
(アンコール)
EN1/M27:あいことば
EN2/M28:約束よ
EN3/M29:初めての星
EN4/M30:青春のラップタイム


