F1アゼルバイジャンGPで4位入賞を果たしたメルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリ。表彰台を逃したことを悔やむ一方で、不振に陥っていたここ数戦から立ち直ることができたと語った。
アントネッリは赤旗6回と大荒れの予選で、チームメイトのジョージ・ラッセルのひとつ前4番手を獲得。レースではリバース戦略を取ったラッセルに上回られたもののレーシングブルズのリアム・ローソンを交わし、初めてF1で走る超高速バクー市街地サーキットで4位フィニッシュを果たした。
アントネッリは、3位フィニッシュを果たしたウイリアムズのカルロス・サインツJr.から2.561秒差。表彰台を逃したことを悔やむ一方で「まずまずのパフォーマンスだった」と評価した。
「表彰台が目前だっただけに少し残念だよ。ハードタイヤの感触はとても良く、ミディアムよりもかなり優れていた。ハードのデグラデーション(性能劣化)は最小限だった」とアントネッリは言う。
「周回を重ねるごとにどんどん良くなっていった。だからオーバーカットされてしまったのは本当に悔しい。まずまずのパフォーマンスだったと思う」
「正直、表彰台を狙っていた。カルロスのDRS圏内まで迫っていたからね。その後、特にセクター2でダーティーエアの影響で苦戦し始めた。タイヤも少しダメージを受け始めたんだ」
「チームにとってはまずまずのパフォーマンスだった。コンストラクターズでかなりのポイントを獲得できたからね。この勢いを(次戦)シンガポールにも持ち込みたいと思う」
カート時代からメルセデスの育成プログラムに加わり“神童”と謳われ、鳴り物入りで同チームから今年F1デビューを果たしたアントネッリ。マイアミGPスプリント予選での最速タイム記録やカナダGPでの初表彰台とハイライトをいくつか残したものの、今シーズンは全体として苦戦が続いてきた。
9位入賞ながら不安定なドライビングでペナルティを受けたイタリアGPでアントネッリは、自身を息子のように育ててきたメルセデスのトト・ウルフ代表からも「期待外れだった」と率直な批判を受けていた。
それから2週間、アントネッリはアゼルバイジャンGPで明確な改善を示せたことを喜んだ。
イタリアGPとアゼルバイジャンGPの内容の比較を求められたアントネッリはこう答えた。
「議論の余地もないほどだ。モンツァはかなり悪かった。ここのコースはミスが許されず高い集中力が必要になるからかなり難しいけど、かなりペースが良かった」
「ドライビングの面ではいくつかミスを犯したけど、F1でバクーを走るのは初めてだったし、フリー走行でもロングランを全くやっていなかった。だからある意味、発見の連続だった」
「もちろん、みんな同じ状況だろうけど、かなり満足している。モンツァよりずっと良いレースだった」
アントネッリは2025年シーズン7戦を残した段階で、ドライバーズランキング7番手。アゼルバイジャンGPで今季8度目の表彰台に登ったランキング4番手のラッセルからは134ポイント差がつけられている。しかしアゼルバイジャンGPでの4位を経て自信が高まったとアントネッリは言う。
「間違いなく自信が戻ってきた。ヨーロッパラウンドは厳しい時期だった。知っての通り批判や困難な瞬間を経て、僕らは良い結果を出すことができた」
「そして今、重要なのはこれを継続することだ」

