「あなた」を大切にするプリキュア
プリキュアはいつから「世界」ではなく「あなた」を救うようになったのでしょうか。
その変化に明確な境界線があるわけではないのですが、今回紹介したプリキュア論文で整理されている第III期以降、つまり2020年代のプリキュアは「社会」や「自分自身」を経由しながら、少しずつ「キミとわたし」という関係性へと移り変わってきているように思われます。
目に見えない不特定な「社会」という概念と対峙(たいじ)するのではなく、具体的に目の前にいる「あなた」との関係を丁寧に紡ぐことこそが、ひいては世界を救うことにつながるとしているのです。
プリキュアは時代ごとに「大切にすること」の形を更新しながら、今も物語を続けています。
プリキュアがいま守ろうとしているのは、抽象的な「世界」ではなく、遠くの「誰か」でもなく、となりにいる「あなた」。
一方通行で世界を救うのはなく、双方向性で助け合う世界。
そんな時代になってきているのではないでしょうか。
参考論文
お茶の水女子大学 紀要論文 井村 夏希・小玉 亮子アニメ「プリキュア」シリーズにおけるケアに関する価値観の変容(お茶の水女子大学子ども学研究紀要10巻,p.87-96,発行日2022-06-30)
CiNii
お茶の水女子大学教育・研究成果コレクションTeaPot
お茶の水女子大学子ども学研究紀要10巻,p.87-96,発行日2022-06-30

