フォーミュラEでは、2015-2016年のシーズン2にシモーナ・デ・シルベストロが参戦して以来、女性ドライバーがグリッドにつくことはなかった。しかしジェフ・ドッズCEOは、シリーズに近々女性ドライバーが復活するだろうと語った。
10年近く女性ドライバー不在となっているとはいえ、フォーミュラE創設初期は数人の女性がレースに出走した。
2014年に行なわれた記念すべきシリーズ初戦の北京ePrixでは、キャサリン・レッグとミケーラ・チェルッティがエントリー。レッグは第2戦まで、チェルッティは第4戦まで出走した。そしてシーズン終盤にはシルベストロが登場し、翌年はフル参戦した。彼女はフォーミュラEでポイント獲得を果たした唯一の女性ドライバーとなっている。
そのフォーミュラEは、男女が対等に競争できると示すことに強い意志を持ち、その目標を現実のものとするため、近年さまざまな具体的施策を進めてきた。2024年からはFIA世界選手権としては初めての女性のみによるテストセッションをハラマで実施し、2025年にもバレンシアで2度目のテストを実施した。
バレンシアのテストには14名の女性ドライバーが参加し、マヒンドラのクロエ・チェンバースが1分22秒767で最速タイムを記録。これは、その週のプレシーズンテストに参加していたレギュラードライバーの中で最も遅かったジョエル・エリクソンの1分22秒318から、わずか0.4秒差だった。最終的にトップ6のタイム差は1秒未満に収まり、女性ドライバーの競争力が示された。
ドッズCEOは、前年より走行時間が倍増し、2セッション合計で6時間に及んだ2回目の女性テストの結果に明らかに手応えを感じていた。
「前回のテストから1年が経ち、選手権に参戦する男性ドライバーと女性テストドライバーとのタイム差は半分になった。私の直感だが、もし賭けろと言われたら、今後2年以内に女性が世界選手権を走ることになるとベットする」
ドッズCEOはそう語った。彼はフォーミュラEが今後も、女性ドライバーが自身の能力を証明し、トップレベルで戦えるとチームに納得させる機会を提供する姿勢を貫くとしている。
「我々がやるべきことは、継続的に彼女たちにマシンに乗ってテストする機会を与え、才能をチームに示す場を用意することだ」
「ドライバーを雇うのは我々ではなくチームであり、チームは勝てる人材しか雇用しない。だからこそ、彼女たちはその可能性を示す必要があり、我々はそこに向けての障壁を取り除く必要があるのだ」
またフォーミュラEはGoogle Cloudなどのパートナーと協力し、AI技術を活用して学習スピードを加速させる取り組みも行なっている。これは、男性ドライバーに比べて走行経験が少ない女性ドライバーを支援するためのものだ。
またフォーミュラEは2026-2027シーズンからGen4マシンが導入され、車両パフォーマンスが大幅に上がる見込みだが、新世代のマシンはパワステ採用などを通してすべてのドライバーにとって公平な環境をもたらすと期待されている。
「我々は、男女がこのスポーツで対等に競争できるという仮説を検証することに、全力で取り組んでいる」とドッズCEO。
「Gen4はパワーステアリングを採用している。レーシングカーとして、よりインクルーシブ(包括的)であることを設計段階から考慮している」

