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オール日本ロケで撮影された日米共同制作ドラマ『TOKYO VICE』を見るべき3つの理由

オール日本ロケで撮影された日米共同制作ドラマ『TOKYO VICE』を見るべき3つの理由

HBO MaxとWOWOWの日米共同で制作されたドラマ『TOKYO VICE』がついに4月24日に放送スタート! ハリウッドの巨匠マイケル・マンがメガホンを取り、『ウエスト・サイド・ストーリー』のアンセル・エルゴートが主演を務めた超大作の魅力を解説する。

1 アンセル・エルゴートの役作りがすごい

主演のアンセル・エルゴートが演じるのは、東京の大学を卒業し、難関試験を突破して大手新聞社に就職したジェイク。警察担当記者となり、ある殺人事件現場に遭遇したことをきっかけに危険な取材を重ねていくことに。

日本での撮影が行われる前、アンセルは第1話の監督でありシリーズ全体のエグゼクティブ・プロデューサーを務めたマイケル・マンの指示のもと、ジャーナリストの経験をするために記者についてロサンゼルスの警察を回り、ストリートで一般の人にインタビューを試みたという。なかなかコメントをもらえず苦戦していると、監督から「絶対にコメントをもらえ、これがもらえないとクビになるとでも言って、絶対にコメントをもらって記事を書け!」などと言われ追い詰められたとか。

2020年3月〜2021年6月に行われた撮影では、アンセルはジェイクになりきって実際に日本で生活し、文化を習得。異国での撮影に臨むというだけでも大変なのに、1日4時間日本語の勉強をし、合気道の稽古までしていたというから驚きだ。

その甲斐あってか、居酒屋のカウンターで焼き鳥を口にする様子や、192cmの長身には狭いであろう畳敷きのボロアパートで生活する姿など、ドラマの中でのアンセルの立ち居振る舞いは板に付き、日本の風景に馴染んでいる。

『ベイビー・ドライバー』(17)では無口な天才ドライバーをクールに演じ、『ウエスト・サイド・ストーリー』(21)ではダイナミックなダンスと美声を披露したアンセルが、“背広”を着て日本語を話し、東京中を駆け回る……。そんなレアな姿を見逃すわけにはいかない。

2 日本人スターキャストの気合の入った演技

ジェイクと組んで危険なネタに踏み込む敏腕刑事の片桐を演じたのは渡辺謙。本作ではエグゼクティブ・プロデューサーも務め、脚本家から上がってきた台本を日本語に翻訳する段階で、新聞記者、ヤクザ、刑事など、それぞれのキャラクターにあった言葉になるようチェックも行っていたとか。
「世界的に悲惨なことも多く、バイオレンスを描くということが難しい時代。人間の持つ過酷さ、辛さ、幸せが詰まった作品です。それぞれのキャラクターの裏にあるものを受け止めてほしいです」と渡辺は語る。

裏社会と繋がりのある刑事の宮本を演じたのは伊藤英明。もともとマイケル・マンの大ファンで、『コラテラル』(04)のメイキングは何十回も見ていたほど。3年前に監督と2人きりで行ったオーディションでは緊張しすぎて、「ビデオテープを送ってくれたときのエネルギッシュな英明はどこに行った?」と指摘されてしまったそう。
「どうしたらいいパフォーマンスができるのか? と監督に聞いたときに“完璧に全てを演じようとするとうまくいかない。ドアから入ってきて出ていくまでにひとつでも輝きを見せられればいいんだ”と言っていただいてオーディションを終えました。最後に“本当にその役をやりたいか?”と問われて“僕に決めていただけたら最高のパフォーマンスを見せられる!”と返したら“See you on the set”と。役をもらえたと確信しました。あのとき言われた言葉は宝物になっています」 

謎めいたカリスマホストのアキラを演じたのは山下智久。本人は「クソホスト役(笑)」と自嘲するが、アイドルとしてスポットライトを浴びてきた山下が、陰のあるキャラクターをいかに体現するかが見どころだ。
「いい作品を作るぞという情熱みたいなものは世界共通なんだなと改めて感じることができました。監督からのアドバイスを受けて役を作っていく過程で、自分は完璧じゃなくてもいいんだなと。カッコよくなくてもミスがあっても、ありのままの自分でいることを認めていただけた気がして。(渡辺)謙さんとは 25 年ぶり、(伊藤)英明さんとは 10 年ぶりくらいに共演させていただいて。こうやって先輩と同じ現場に戻ってくることができてうれしかったです」

そしてヤクザの若きリーダー、佐藤を演じたのが笠松将。ジェイクと意気投合するものの敵か味方かわからない人物を、佇まいだけでセクシーに演じている。
「自分が持っているコンプレックスや将来への不安、ネガティブなマインドを全部マイケル・マンら監督陣が取り除いてくれて、僕はお芝居だけに集中することができたし、英語の壁といったストレスを全部解消してくれました。エキサイティングで学ぶことも多かった現場でした」

役を得るためのオーディションは、その役を演じるに値するスキルがあるか、役のイメージとフィットするかをシビアにジャッジされる厳しい場所。華々しいキャリアを誇る彼らがそんなオーディションを経て勝ち取った役への情熱を、画面を通して感じてほしい。

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