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ジャケジョトレンド白書2025が映す 服選びから見える働く女性の価値観の変化

服を「たくさん買わなくなった」理由は、節約だけではない

近年、服に使うお金や購入頻度が減っていると言われることがありますが、その背景は単純な節約意識だけではなさそうです。こうした数字を追っていくと、服との付き合い方そのものが変わりつつあることが見えてきます。

1か月あたりの洋服代は「5,000円未満」という層が多く、「ほとんど服を買わない」という層も一定数存在しています。一見すると消費が冷え込んでいるようにも見えますが、その一方で「本当に欲しいものだけを選ぶ」「長く着られる服を選ぶ」といった意識が高まっている点が特徴的です。

購入頻度が減った分、一着あたりの着用期間は伸びています。流行に合わせて買い替えるのではなく、日常の中で繰り返し使えるかどうかを考えて選ぶ人が増えているのです。これは、無理に我慢しているというよりも、納得感を重視した選択に近い印象を受けます。

物価の上昇が続く中で、失敗したくないという気持ちが強くなっていることも影響しているでしょう。買ってから後悔するよりも、少し時間をかけてでも、自分に合った服を選びたい。そうした慎重な姿勢が、結果として「たくさん買わない」という行動につながっているようです。

服を減らすこと自体が目的ではなく、暮らしの中で無理なく使えるものを厳選する。その考え方は、これからの服選びの新しいスタンダードになりつつあります。量よりも質、そして価格よりも納得感。服に向き合う姿勢が、少しずつ変わってきていることが感じられます。

なぜ今、「慎重な服選び」が当たり前になったのか

トレンド評論家・マーケティングライター 
牛窪 恵(うしくぼ めぐみ)氏

こうした服装意識や消費行動の変化について、トレンド評論家の 牛窪恵氏は、社会全体の価値観の転換が大きく影響していると読み解いています。

これまでの服選びは、「できるだけ安く」「流行に乗り遅れないように」といった考え方が主流でした。しかし今は、価格や流行よりも「自分にとって本当に価値があるかどうか」が問われる時代に移りつつあります。いわば“価格主義”から“価値至上主義”への変化です。

背景にあるのは、働き方や暮らし方の多様化です。リモートワークと出社が混在し、仕事と生活の境界が曖昧になる中で、服にも柔軟さが求められるようになりました。着心地が良く、そのまま外出しても違和感がない服は、日常のストレスを減らす存在になっています。

また、近年よく耳にする「失敗したくない」という心理も、服選びに影響を与えています。気分で買って後悔するよりも、納得できるものを選びたい。その意識は「消費ガチャ」を避ける行動として表れ、慎重な買い物につながっています。

さらに、サステナビリティへの関心の高まりも無視できません。大量に買って使い捨てるのではなく、ひとつの服を大切に長く着る。その姿勢が、自分の暮らしや生き方を肯定する行為として受け止められるようになっています。服は単なるモノではなく、心の余裕や価値観を映し出す存在になりつつあるのです。

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