友人たちの前で起きた出来事
転機が訪れたのは、私の友人たちとの食事会でのこと。彼も一緒に参加することになり、初めて私の大切な友人たちを紹介する場となりました。
食事が進むにつれ、彼はいつもの調子で採点を始めます。「この店の料理、5点くらいかな」「その髪色、ちょっと微妙じゃない?」。場の空気が少しずつ凍りついていくのがわかりました。
すると、友人のひとりが静かにスマホを取り出したのです。「へえ、採点が趣味なんだ。じゃあ私たちもやってみようか」。そう言って、彼のことをまじまじと見つめ始めました。
「その服、量販店の3年前のやつだよね。2点かな」「髪型もなんか古くない?1点」「さっきから気になってたけど、食べ方も汚いよ。0点」。友人たちが次々と声を上げます。彼の顔がみるみる青ざめていきました。
「ちょ、ちょっと待って...」と焦る彼に、別の友人がにっこり笑ってこう言いました。「あれ? 正直に言ってあげてるんだよ。ありがたいと思ってほしいな」。
それは、彼がいつも私に言っていた言葉そのものでした。彼は何も言い返せず、うつむいたまま黙り込むしかありませんでした。
そして...
あの日以来、彼の採点癖はぴたりと止まりました。よほど堪えたのか、「俺、最低だったよな」とぽつりと謝ってきたのです。最初は半信半疑でしたが、今では「今日の服いいね」と素直に褒めてくれるように。人は変われるんだなと、少し見直しました。私も自分の「好き」を大事にしながら、これからは対等な関係を築いていけたらと思っています。
(20代女性・事務職)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
