
俳優、声優、YouTuberとして幅広いフィールドで活躍中の染谷俊之の魅力に迫るWEBザテレビジョンの連載「月刊染谷WEBマガジン」。毎月、深掘りインタビューを敢行し、仕事の近況からプライベートまで、事務所NGギリギリの質問をぶつけて“染様(染谷俊之の愛称)”を丸裸にします。第47回は、2025年も残りわずかということで、今年1年を振り返ってもらいました。

■上半期はエーステ公演、下半期は2本のドラマに主演
──まずはお仕事から。上半期は舞台が中心の印象でした。
そうですね。エーステ(MANKAI STAGE『A3!』ACT3! 2025)の稽古が1月から始まって、3月から5月まで本番で、上半期はほぼエーステに注力していました。今年のエーステはその1回だけだったんですが、すごく充実した公演でした。2カ月間くらいの稽古で4つの作品に挑むということで、最初は出演者全員「大丈夫なのか?」と不安でした。でもいざ蓋を開けてみるとすごく素敵な作品に仕上げることができてホッとしましたし、お客さまにも喜んでもらえたと思っています。そして、春・夏・秋・冬の全組が集結したのは『Four Seasons LIVE』を除いては初めてのことだったので、メンバーとの絆がぐっと深まり、いい思い出がたくさんできました。
──エーステのあとは?
5月からドラマ『gift』(2025年10~11月放送)の撮影がありました。6月中旬くらいまで続いて、それが終わったらすぐに今度はドラマ『UNREAL─不条理雑貨店─』(2025年10~11月)の撮影に入りました。それが7月中旬くらいまであって、7月はその合間に玉城裕規くんとのコラボBlu-ray(『UNLIMITED feat. Yuki Tamaki & Toshiyuki Someya -Fukuoka Edition-』/2026年2月6日<金>発売)の撮影で福岡にも行きました。このBlu-rayシリーズは僕と玉城くんのご褒美みたいな企画で、今回も2人でキャッキャしながらいろいろな場所を巡っているところを撮影してもらいました。ラーメンやバーベキューなど、美味しいものもたくさん食べられてすごく楽しかったです。ぜひその模様はBlu-Rayをご覧ください!
──そんなひと時のご褒美を楽しんだあとは下半期も大忙しでした。
9月は『ババンババンバンバンパイア』の舞台があって、10月にはカレンダー撮影で韓国にも行きました。そして10月からはいよいよ『gift』と『UNREAL─不条理雑貨店─』の放送が始まりました。同じ時期に2つのドラマで主演させていただいて、すごくありがたかったですし、うれしかったです。
──今年はジムに通って体を鍛え出したそうですが、『gift』はアクションシーンも見応えがありました。ジャケットを着ていても、体がムキムキなのが分かりました。
アクションはそんなにたくさんあったわけではないんですが。犯人を捕まえるシーンなどは見せ場だったので気合が入りました。体に関してはそんなにムキムキではないんですけどね。ジャケットがオーバーサイズだったので、(体が)大きく見えたのかもしれません。あっ、でも『UNREAL─不条理雑貨店─』の撮影のとき、監督さんから「染谷くん、体がちょっと出来すぎじゃない?(劇中で演じた)ヤギオのイメージに合わなくなるから、撮影中は筋トレを我慢してくれない?」と言われちゃいました(笑)。

■12月から放送中の新ドラマでは医師役に初挑戦

──そして12月11日(一部地域は12日)から、新ドラマ『透明な夜に駆ける君と、目に見えない恋をした。』(MBSほか)がスタートしました。
撮影はほんとに最近、11月に行いました。主演は永瀬莉子さんと藤原大祐くんで、盲目の女の子と健常者の男の子の純愛ストーリーです。僕は主人公の女の子・冬月小春(演:永瀬莉子)の担当医・三浦一樹を演じています。主人公の2人は大学生でキャンパスで出会って恋が芽生えていくんですが、話が進むにつれていろいろな事実が発覚していきます。すごく感動的なお話です。
──医師役は過去にありましたか?
たぶん初めてだと思います。白衣を着るとドクターっぽくは見えますが、専門職の役ってやっぱり難しいです。例えば、美容師とかもそうですけど、職業ごとに独特の所作があります。それを知らないとどう演技していいのかまったく分からないんです。なので今回は医療の所作を教えてくださる先生に入っていただき、指導してもらいながら役作りをしました。
──盲目の患者を診るということは眼科医の役ですか?
今回のドラマでは、目が見えなくなった理由が眼内リンパ種という病気で、主人公の小春が高校生のときに発症してしまい、そこから抗がん剤治療をしたんですが目が見えなくなってしまう、という設定です。三浦は何科の医師なのかは特に明かされていませんが、恐らく血液内科じゃないですかね、定かではありませんが。
──役どころとしては小春の診察をしつつ、メンタルの部分でも支えていくような感じですか?
そうですね。物語は小春が大学に入学して、もう1人の主人公・空野かける(演:藤原大祐)と出会うところから始まるんですけど、第1話から不穏な動きが起き始めています。ネタバレになってしまうので詳しくは言えませんが、第4話くらいに一度大きなヤマ場があって、僕も重要なシーンに登場します。
──シリアスな要素が強い作品なんですか?
作品自体はめちゃくちゃ暗いというわけではないんですが、僕が登場するシーンはほとんど重くて、見ている人は胸をギュッと締め付けられることが多々あると思います。三浦は真面目というか、小春と接するときも敬語で決してフランクはないんですが、医師としてすごく彼女のことを考えています。なので彼自身にも心の葛藤があるはずですが、それを表に出さず、彼女を励まして1人の医師として接していきます。そうした感情を表現するのはすごく難しかったのですが、その分やりがいもある役でした。登場シーンはそんなにたくさんありませんが、回想シーンを含めるとほぼ全話何かしらの形で出ているので、ぜひ最終話まで見てもらえるとうれしいです。

■2025年はプライベートも充実。「人間力が上がりました」

──ここからはプライベートについて伺います。2024年12月にICL(眼内コンタクトレンズ)手術を受けて視力が回復したそうですが、2025年は世界が変わりましたか?
そうですね。コンタクトレンズもメガネもいらなくなり、革命が起こった年でした。手術前はもちろん不安もあったんですが、すごく便利になって受けて本当によかったです。そのほかの変化としては先ほども話に出ましたが、今年1月からジムに通い始めたことですかね。肉体改造を行ったのと、さらにもう1つ新たなことにも挑戦しました。
──先日ネットニュースにもなったアレですね。ご自身の口からお願いします。
教習所に通って、バイクの普通二輪免許を取得しました。以前から「このままバイクの免許がないままで人生を終えていいのか?」と思っていて、ずっと欲しかったんです。それで11月のスケジュールを見たら、意外と余裕があったので「よっしゃあ、取りに行こう!」と思い立って申し込みました。でもそうしたら急にドラマの撮影が入っちゃって…。ヤバいとは思ったんですが、撮影の合間にやりくりしてコツコツ通って、何とか無事に取ることができました。
──おめでとうございます!いつごろからバイクに乗りたいと思っていたんですか?
もともとは高校生の頃から興味がありました。当時はビッグスクーターが流行っていて、周りの友達もけっこう乗っていました。でもだんだん忙しくなっていって、免許はずっと取れていなかったんです。でも去年、エーステの『Four Seasons LIVE』でみんなと話しているときにバイクの話題になったんです。それをきっかけに僕もまた欲しいという気持ちが再燃しました。
──バイクの免許を取って、2026年にやってみたいことは?
まだ具体的には決めていないですが、もう大人なのでまずは無茶をせず、安全運転を心掛けます(笑)。バイクの免許を取ったことでお仕事の幅も広がると思うので、いずれはツーリング動画などに挑戦してみたいと思っています。
──最後にファンにメッセージをお願いします。
今年は大きな舞台やドラマの撮影が続いてたいへんではありましたが、すごく充実した1年でした。プライベートでも体を鍛えたり、バイクの免許を取ったりと、忙しい中でも公私のバランスをうまく取ることができ、人間力が上がったと感じています。2026年もいただいたお仕事に精一杯取り組んで、さらに新たなことにも挑戦していきたいと思っています。来年も応援よろしくお願いします!
取材・文=河合哲治郎

