
ブリストル平河悠はなぜ先発から外れる? 番記者は「私も分からない」と困惑。シャドー起用には「数字を出さないといけない」【現地発】
ブリストル・シティの平河悠が難しい局面に立たされている。
クラブでは今季からオーストリア人のゲルハルト・ストルバー監督が指揮を執り、新たなサイクルをスタートさせた。現在ブリストル・Cは、シーズン折り返し地点手前の22節終了時で「勝点33の9位」。プレーオフ出場圏内の6位に2ポイント差という、まずまずの位置につけている。
ところが、平河は出場機会に恵まれていない。開幕2試合こそ先発出場を果たしたが、その後はベンチスタートが定位置に。9月下旬からは、監督の意向により本来のウイングバックから、3-4-2-1の攻撃的MF(日本で言うところのシャドー)にポジションを移したものの、むしろプレー時間は減少の一途をたどっている。
2024年7月にイングランド2部のブリストル・Cに期限付きで移籍し(※今年2月に完全移籍)、今シーズンで在籍2年目。さらなる飛躍が期待されているが、現時点で思うように事が進んでいない。
48歳のストルバー監督は、オーストリアのレッドブル・ザルツブルクのユース年代コーチとして指導者キャリアをスタートした。戦術の骨幹を分かりやすく言うなら「ゲーゲンプレス」で、ボールロスト後の即時奪回を常に目ざしている。インテンシティを高く保ってプレーするのも特徴で、戦い方は、カウンター型のリアム・マニング前監督時代から大きく様変わりした。
チームの戦い方について、平河はこう説明する。
「練習の中で、監督が一番言ってるのはゲーゲンプレスのところ。トランジションはこのチームが今一番大事にしているところです。
スピード感も全然日本と違います。この戦術に慣れたうえで、どう自分のパフォーマンスを出し、結果を残すか。ここが大事になる。与えられた時間で結果を残し、もっとチームに食い込みたい」
またプレー位置についてはどう考えているのか。
「開幕当初はウイングバックでやってましたけど、よりゴールに近い位置でプレーしてほしいという監督の意向があった。自分もそこは感じていたので今、シャドーでプレーしています」
日本ではシャドーの位置でプレーすることはなかったが、本人としては自身の可能性を広げるチャンスだと前向きに捉えているという。
「自分ができるプレー範囲を広げることも大事。ウイングバックと違い、よりゴールに近い位置でプレーできるので、より数字のところを出さないといけない。スタメンで出られるよう頑張りたいです」
そんな平河の起用法に、疑問の目を向けているのが地元メディア『ブリストル・ライブ』でクラブ番を務めるダン・カーター記者である。
ストルバー監督の戦術について、同記者は「高度で、質が高い。マニング監督時代に比べると、攻撃的なサッカーをするようになった」と言う。だが平河の起用法については「納得していない」と話す。
「ストルバー監督のサッカーは攻撃的なスタイル。ボール奪取が極めて早く、少ないタッチでボールを縦に素早く展開する。基本フォーメーションは3-4-2-1。フォーメーションはマニング前監督時代と同じだが、前政権に比べると、両サイドのウイングバックがより高い位置でプレーするようになった。
平河のベストポジションは、右サイドのウイングバックだと思う。マニング時代のウイングバックは、ディフェンス時に最終ラインに加わって守備をこなす必要があった。だが今は違う。守備の負担が減った今、平河はウイングバックでプレーすべきだろう。
しかしストルバー監督は、この位置で平河をあまり起用していない。なぜ平河が先発メンバーに入れないのか、私にも分からないんだ」
2025年は、平河にとって転機になった一年だった。
今年6月、平河は日本代表に初招集され、W杯アジア最終予選のオーストラリア戦でA代表デビューを果たした。24年のパリ五輪出場から、ひとつステップアップを果たした格好だ。試合でも積極果敢な仕掛けで違いを生み出し、存在感を示した。オーストラリア戦について、平河はこう話す。
「オーストラリア戦で、最初の一歩を踏み出せたかなと。満足のいく結果にならなかったですけど、国を背負いながら、最終予選という本来なら確実に勝点3を取らないといけない試合でピッチに立たせてもらったのは、大きな経験になりました。これを機に、もっと代表に食い込みたいという思いは強くなりました」
攻守の切り替えが異様に速いイングランド。そこで経験を積み重ねているなかでの代表入りだった。平河は「代表での感触」と「日本代表の印象」についてこう話す。
「チャンピオンシップでプレーしているので、(代表戦では)プレッシャーやスピード感のところはゆっくり感じました。日本代表は、味方との距離感がすごく良い。試合で勝利できませんでしたが、初めてやるメンバー同士の中で、うまくつながってできた試合かなと感じています。
ウイングバックでプレーしましたが、ブリストル・シティとはやり方が違います。(代表では)高い位置を取って、相手をピン止めする。そしてシャドーの選手をリード的に活かすことだったり、自分が低いポジションをとって、シャドーを活かすことも求められた。代表は距離感が大事なチーム。変動的な形だったと思います」
試合前、森保一監督からは「自分のパフォーマンスと色をしっかり出すこと」を求められたという。オーストラリア戦のパフォーマンスを踏まえれば、平河はその期待と注文に応えたと言っていい。
あとはブリストル・Cでいかに出場時間を増やしていくか。平河の挑戦は、2026年も続いていく。
取材・文●田嶋コウスケ
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