映画もゲームの力を必要としている?
一方の映画産業においても、ゲームの力を必要としていると考えられます。膨大なファンベースを持ち、緻密な世界観が構築されている人気ゲームは、興行的に手堅い「優良な原作」だからです。マーベルやDCコミックスなどのスーパーヒーロー映画の人気が一巡している状態であることから、映画産業も次のトレンドを模索しており、ゲームはそのひとつと目されていると考えられます。
日本のアニメも同様の事情で、人気マンガのタイトルが枯渇しつつあり、新たな原作供給源として「ゲーム」は魅力的なものと受け止められていると考えられます。
上述したように、ゲームと映像はビジネス的にはシナジーが大きく、巨大な世界観を持つゲーム作品はシリーズ化も見込めます。映画産業にとっては長く続くフランチャイズを生み出す大きなチャンスでもあるのです。
また、映画とゲームの表現自体も接近しつつあるという指摘もあります。アメリカや日本に限らず、中国でもゲームの映像化が大ヒットを記録しており、専門家は、ゲームが映画的な映像表現を取り入れる一方、映画もゲーム的な要素を取り入れた作品が目立つようになってきていると指摘しています。
今後もゲーム的な映画、逆に映画的なゲームはたくさん作られることになると思われます。そうした作品が増えれば、さらにゲームと映像でクロス展開する作品も増加することになるでしょう。
IPビジネスがエンタメ産業の基本となった今、ゲームと映像はもはや切り離せなくなっているように思えます。筆者としては映像化を通じて、原作にはなかった新たな視点や魅力が提示される企画が、今後さらに増えていくことを期待しています。
