2025年のMotoGPの長い戦いを終えたライダーからは、全22戦44レースという過去最多の開催スケジュールに対して、負荷が大きすぎると不満の声も挙がっている。
MotoGPのレース開催数は近年増加を続けてきたが、2025年は過去最多の22戦を開催。さらに、MotoGPは2023年から最高峰クラスで毎回スプリントレースを開催するフォーマットに変更されているため、2025年は全44レースを戦うことになった。数年前までは多くて全20レースだったことを考えると、大幅な増加だ。
この開催スケジュールに対して、ライダーからは不満の声も挙がっている。過密スケジュールになっていることで、トレーニングや肉体コンディションの維持に使うことのでえきる時間が減っていると考えているのだ。
「レースが多すぎる」
そう語るのは、VR46のファビオ・ディ・ジャンナントニオだ。
「移動日程も多すぎるし、体力的な負担が大きすぎる。44レースなんてありすぎだよ」
「トレーニングは全然できてない。たとえば1月の1ヵ月間はしっかりトレーニングできるけど、その後はシーズンを通してできる限りコンディションを維持しようとするだけになる。体の状態が少しずつ落ちていくのは、まったく当然のことだろう」
「でも、僕らはこれを仕事にしているんだ。だからやり遂げないといけない」
LCRのヨハン・ザルコもジャンアントニオの意見に賛同していて、シーズン最終戦直後に行われるバレンシアテストに向けても、集中力を保たなければならない点も指摘した。
「22戦分の重みを確実に感じている。身体はきつい状態だ」とザルコは言う。
「より良い状態で戻ってくるために、冬にもう少し休養が必要になるだろう」
「レースウィークを迎える時点でエネルギーが70%や80%しかないこともある。100%じゃないんだ」
「だけど最終戦(バレンシアGP)で最後の力を振り絞った後も、週明けの火曜日には集中する必要があるんだ。テストを良い形でこなす必要があるからね」
「もし火曜日に十分なエネルギーが残っていなければ、それは危険な状況になる。バイクに乗る以上、常に身体的にも精神的にも良い状態でなければいけないんだ」
アプリリアのマルコ・ベッツェッキも、全22戦のスケジュールが過酷なモノだと認めている。ただ彼は、レース結果によって受け止め方も変わってくると指摘した。
ベッツェッキは2025年がアプリリア移籍初年度だったが、ぐんぐん調子を上げていき、終盤の2戦では連勝。非常に良い形でシーズンを終えている。
「気分に大きく左右される。調子が良ければ、レースを楽しめるし、あっという間に過ぎていくように感じる」とベッツェッキは語った。
「自分の場合、ヘレス以降は本当に時間が飛ぶように過ぎていった」
「バイクで22戦、スプリントを含めると44レースを戦うのは簡単ではない。肉体的にもきついし、精神的にもね」
「だが、チームと良い関係を築き、レースで良い気分を味わえているなら、結局自分たちの愛することをやっているわけで、それでいいんだ」
ドゥカティのフランチェスコ・バニャイヤは、MotoGPが現在目指しているアジアでのレース拡大姿勢を歓迎しつつも、2025年シーズンはもう少し早く終わってほしかったと語った。
「どんな状況にも対応できる準備はできているし、こうしたカレンダーは公平だと思う」
バニャイヤはそう語る。
「レースをすること自体を楽しんでいる。正直に言って、ヨーロッパ以外でのレースが増えるのは良いことだし、現地では楽しい時間を過ごしているよ」
「確かに自分の立場では正直きつい部分もある。それでも、(MotoGPが)こういう状況にあること自体は素晴らしい。(最終戦までタイトルを争った)2024年はもう1レース欲しかったけど、今季はもしかすると5レース少なくてもよかったかもしれない。それでも、これが現実だ」
一方でKTMのペドロ・アコスタは、レース数に関しては大きな不満は無いものの、過密日程によって、負傷した際の影響が以前よりも大きくなってしまっている点はネガティブだと指摘した。
「僕は良い数だと思うよ。チームと一緒に多くの時間を過ごせる。それに、流れを維持していくという面では、たとえ悪い瞬間があったとしても(多くのレースがあるのは)良いことだ」
「ただ、ケガをしたライダーにとっては確かに厳しい。以前なら1~2レースを欠場するだけで済んだが、今では大きなケガでなくても、4戦連続で欠場することもありえてしまう」
「マルコが言ったように、結局はそのときの気分次第だ。唯一のネガティブな点は、ケガをしてしまった場合だ」

