推し活の楽しみ方は人それぞれ。推しのライブを観るのも、推しが訪れた場所を巡るのも、推しが食べたものを食べるのも、すべては推しをより近くに感じたいという想いからだ。
しかし、推しと同じステージに立ったことのある人は少ないだろう。
実はそんな夢をかなえる方法がある。
余り知られていないが11月15日(土)に開催されたアニメミュージックの祭典『東武鉄道 presents ANIMAX MUSIX 2025 YOKOHAMA supported by Lemino』では、公演前に出演アーティストが立つステージの上で写真が撮れるツアーが開催されていた。
実際に参加し、その景色を見てきたのでレポートしたい。

ステージから見える景色
ステージ上から見える景色は想像をはるかに超えていた。
普段は観客席から見上げるアーティストたちの視点になってみると、すべてが違う。
参加当日はこのツアーを主催するJR東海ツアーズのブースに集合。名前入りの特別パスをもらって、スタッフの案内で先ほどまでリハーサルが行われていたステージへと進む。
センターに立った瞬間、目に飛び込んでくるのはこれからステージを見つめるはずの圧倒的なファンの席。推しアーティストが毎回感じているであろう、その高揚感が身体を走る。
足元に目を落とすとアーティストの立ち位置を示す目印があり、そこにマジックで書かれた推しアーティストの名前を見つけた。
「あ、推しはこの角度でみんなを見ているんだ」
「こんなに高いところでパフォーマンスをやるのか」
「自分の推しがこの位置に立つんだ」
ステージの広さ、客席との距離、照明の眩しさ——。すべてが初体験で、心がときめいた。毎回、推しアーティストが感じているその景色。それを自分の目で追体験することができる喜びは、言葉では表現しきれない。
ステージで撮る一枚の写真
ステージ上での写真撮影は、本当に特別な時間だった。
プロのカメラマンの指導に従って、花道の中央まで進みながらステージライティングに照らされる。推しアーティストと同じ位置から、ステージ全体を背景に収まる。
「こちらを向いてください」
カメラマンの声掛けの中で、その時の照明、その時の表情、その時の気持ちの高ぶりが、一枚の写真に詰まっていく。
自分が推しアーティストと同じステージで、会場を見つめている——。
普通に生きていたら、絶対に撮ることのできない、唯一無二の一枚。
この写真を推し仲間に見せると返ってくるのは驚きと羨望の声ばかり。
「え、これどうしたの?」「こんな体験ができるの?」
正直なところ、このような機会の存在を知らない人がほとんどだ。

