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高市自民に飲まれた吉村維新「連立脱退」か「衆院解散」の袋小路

高市自民に飲まれた吉村維新「連立脱退」か「衆院解散」の袋小路

高市早苗、吉村洋文 (C)週刊実話Web
維新の役割は終わった。衆院議員定数削減案は最初から悪手。だが、今後どう転ぼうと、維新の出方は自民党にとってプラスにしか働かないだろう」

こう余裕の表情で淡々と語るのは自民党長老だ。

少数与党の自民にとって連立を組む日本維新の会の動向は政権運営を大きく左右するはず。それなのに冒頭の長老に切迫した緊張感は感じられない。

「維新が連立の一丁目一番地として掲げた衆院議員定数削減は継続審議となり、来年1月に召集される通常国会に先送りされた。これは野党が反発しているというより、自民党内でも定数削減反対の声が根強く、党幹部らの間で自然消滅を望む声すらある。だから来年になっても即審議入りは望めそうになく、“つるし”、いわゆる未審議状態が続く可能性は極めて高いですね」(政治アナリスト)

維新は自民党総裁でもある高市早苗首相との間で、「1年以内で結論が出ない場合は衆院議員の現行定数465から『小選挙区25、比例代表20』を自動的に削減する」規定で合意している。最終的には自民党内で了承は得られたものの、1年とした理由、議員削減数やその割合など数字の根拠に異論が相次いでいた。

「維新は、ドラッグストアなどで購入できる医薬品OTC類似薬を、医療機関での保険適用を廃止すれば1兆円規模の医療費削減となるとして要求していた。しかし、これも25%の患者負担に押し戻された。維新は12月17日に閉幕した臨時国会で存在感を示せなかった」(政治担当記者)

NHKが12月に行った世論調査の政党支持率は、自民30.6%、立憲民主党6.0%、公明党3.4%、参政党3.1%、国民民主党2.9%、維新2.5%の順で、維新は6番手に沈んでいる。

【関連】高市首相、単独過半数確保の「1月解散」へ キングメーカー麻生副総裁の意向か

馬場前代表「協力できないということになりかねない」

前維新代表の馬場伸幸氏は、衆院議員定数削減案の先送りが決定する前の12月9日、BS番組に出演し「あれもダメ、これもダメとダメダメ尽くしでは、協力できないということになりかねない」と、連立離脱も匂わせる発言をした。

「維新の本拠地・大阪の若手議員からも連立離脱に言及する声が相次いでいる。最後は大阪府知事でもある吉村洋文代表が踏みとどまった」(在阪ライター)

それにしても、維新は臨時国会中での衆院議員定数削減法案成立にこだわりながら、先送りでも連立離脱しなかったのは、なぜか。

維新の生みの親である元大阪府知事の橋下徹氏は17日に放送された『旬感LIVE とれたてっ!』(関西テレビ)で「定数削減は一丁目一番地2。ほんとの一丁目一番地は大阪副首都構想」と語った。

「まさに、そこ。維新の一番の狙いは総額4.5~7.5兆円という大阪副首都構想を国家予算で推進すること」(同)

高市首相が安倍内閣で総務相だった'16年、衆院総務委員会で副首都法整備について「特に必要性を感じていない」と答弁している。

「高市氏が維新の副首都構想に前向きな姿勢を示したのは、公明が離脱した代わりに連立政権を組み女性初の総理大臣になるため。だが、いざ副首都構想実現となると、金欠ニッポンで予算など回せず動けませんよ」(自民党関係者)

つまり、高市首相が舵を取る「積極財政」「成長戦略」「経済安保」の政策の下、大阪副首都構想にまで手を広げることなど土台無理というわけだ。

維新と連立を組むメリットは消滅しつつある

「トランプ米大統領が80兆円よこせと言い、かつ、防衛費もゆくゆく20兆円出せと脅す。一方で国内では物価高対策、ガソリン暫定税率の廃止に伴う穴埋めが必要不可欠。加えて、いつ起きてもおかしくない南海トラフ大地震が発生したら、大阪の被害も相当なもの。首都・東京のバックアップはとても無理と指摘されています」(政界関係者)

高市首相誕生で内閣支持率も高水準を維持している今、維新と連立を組むメリットは消滅しつつあるのだ。

JNN系列の世論調査では、高市内閣の支持率が11月82.0%、12月75.8%で、各世論調査でも軒並み支持率は高いままだ。

「高市首相は2026年度予算が成立するまではグダグダと維新と議員定数削減、副首都構想で協議を続けるが、予算成立で一気に衆院解散に打って出る選択肢もあるでしょう。また、議員削減法案が遅々として進まなければ、維新は連立離脱を含めた『議員定数削減』を大義名分とする衆院解散を要求するかもしれません」(前出・政治担当記者)

高市首相と国民民主党の玉木雄一郎代表は18日、“年収の壁”178万円引き上げで合意。玉木氏は'26年度予算に協力する意向を示した。

「さらに、別れても水面下では切れない公明党も含め“再婚”の可能性もあります。国民、公明の2党連立入りなら維新が離脱しても与党会派は250議席と過半数を上回る。たとえ高市首相が解散カードを切ったとしても自民は高支持率を背景に単独過半数を狙えます」(前出・政治アナリスト)

維新創業者の1人、元代表の松井一郎氏は17日、『よんチャンTV』(MBSテレビ)に出演し、維新にこう警告した。

「背骨を抜かれるなら連立離脱したほうがいい」
「自民党は鵺みたいなもの。何でも飲み込む、骨抜きにする妖怪」

鵺とは、日本の伝説上の生物で「平家物語」などに登場する。姿はサルの顔、タヌキの胴体、トラの手足に尻尾はヘビで、「ヒョウヒョウ」と鳴くという。

“鵺”高市自民に丸飲みされた維新は威信を失った。

「週刊実話」1月8・15日号より

配信元: 週刊実話WEB

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