情報量や信頼度の高さで、ファンはもちろんのこと、選手やコーチ陣も愛読している欧州で人気のバスケサイト『BasketNews』(バスケットニュース)が、日本のBリーグについて深く掘り下げた長編記事を公開している。
競技レベルやファンの熱狂度、選手たちのプレー環境、さらにはサラリーといった待遇面において、日本国外の選手たちからBリーグへの注目度が高まっている話を耳にする機会は最近多くなった。
記事の冒頭で紹介しているBリーグの特徴は、近年、元NBA選手やユーロリーグの名手が多数参入している一方で、リーグを牽引しているのは地元、日本出身の選手たちであること。そして彼らがこのリーグの”顔”であり、経済的な原動力であり続けている点だ。
その筆頭として渡邊雄太(千葉ジェッツ)や河村勇輝、富永啓生(レバンガ北海道)らが紹介。同サイトが入手した渡邊の推定年俸は、世界No.2のリーグと言われるユーロリーグのトップ3にも匹敵する額で、NBA平均も上回る水準にあり、Bリーグの経済力の向上を象徴している。
また、金額だけでなく、サラリーが確実に支払われ、契約が順守されることも、海外から来る選手たちにとって大きな魅力になっている。
興味深いのは、Bリーグで成功するために必要とされるものが他リーグと異なる点だ。それは、日本の“チームファースト”のバスケットボール文化においては、スタッツと同じくらいにチームに溶け込むことや、ケミストリーが重要視されるということ。
Bリーグに数多くの外国人選手を送り込んでいるエージェントのチャールズ・ミズラカ氏は、「いくらスター選手になっても、良いチームメイトでなければ日本では長続きしない」と、MVP級の選手であっても、コート外の問題で解雇された例を交えてコメントしている。
日本の球団はパフォーマンスだけでなく文化的にも適合する選手を優遇し、契約を結ぶ上では人格も重要視しているのだ。
さらにミズラカ氏は、「日本では功績さえあればキャリア終盤でも活躍できる場所だと思われがちだ。しかし重要なのは言動なのだ」と指摘。そのうえで、「日本では、バスケットボールが上手いことが扉を開くが、良い人間であることが、その扉を開け続けてくれる」と“成功の条件”を語った。
会場の様子については、DJやチアリーダーが盛り上げる雰囲気は欧州のリーグよりもNBAに近く、ファンは開場時間前からアリーナに到着して、飲食したり家族揃ってイベント全体を楽しむ空気が漂っていると紹介されている。
また、応援する選手のユニフォームやタオルを身につけるといったグッズの購買力は欧州とはケタ違いに大きいのが、欧州メディアが見たBリーグの印象であるようだ。 プレー面については、『日本のバスケットボールには独特のリズムがあり、古い固定観念で“楽な相手”と考えている者は、たいてい痛い目を見る。NBAやユーロリーグで活躍した多くの選手たちが、他での成功がBリーグではそのまま通用しないことを痛いほど学んできた』と書かれている。
一般的に言われるのは、ペースの速さだ。プレースタイルもオープンで、ヨーロッパの組織的なシステムではなく、個人技が主体な傾向が強い。また、フィジカルコンタクトに強い選手が重用されるリーグでもある。
外国人選手は、日本国内で不足しがちなビッグマンに多く、彼らが成功を収めるには、ガード陣との信頼関係や連携が肝になる。そのためにもチームワーク構築が極めて重要であり、ハイレベルな選手であっても、早々に支配的なプレーヤーになることが難しい要因となっている。
『日本では適応力、忍耐力、そして自身の役割を理解することが才能と同様に評価される。その本質を理解するまでは、外から見ている以上に厳しいリーグ』というのが、同サイトによるBリーグ像だ。
先述した契約を順守するといった安定性に加え、全国各地で新アリーナがオープンしているインフラ情報も欧州のバスケ界では話題になっている。それは10シーズン目に突入したBリーグの長期的な成長や将来性を示す基準となるものだ。
現在、得点ランキング首位に立つのは2019年NBAドラフト1巡目6位指名のジャレット・カルバー(平均24.4点/仙台89ERS)、4位には15年1巡目8位指名のスタンリー・ジョンソン(平均22.5点/長崎ヴェルカ)がいる。
そのほかレバンガ北海道には、ジョンソンとドラフト同期でフィラデルフィア・セブンティシクサーズから3位指名を受けたジャリル・オカフォーが在籍。群馬クレインサンダーズには、今夏のユーロバスケットで優勝したドイツ代表のヨハネス・ティーマンが所属するなど、キャリアの最盛期にBリーグを目指す選手も増えている。
以前、話を聞いたイギリス代表のマイルズ・ヘソン(元富山グラウジーズほか)も、選手の間でもBリーグはレベルも高く、プレー環境が良いと評判なのだと話していた。
現在は外国籍選手3人(+帰化選手もしくはアジア特別枠選手のいずれか)のうち、オンザコートは外国籍選手2人(+帰化選手もしくはアジア特別枠選手のいずれか)と制限があるが、来季から始動するB. PREMIERでは、このルールが撤廃される。
今後ますます、Bリーグに興味を示す外国籍選手は増えそうだ。
文●小川由紀子
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