
フジ・アキコ隊員を演じた桜井浩子さんが表紙の書籍「ヒロコ ウルトラの女神誕生物語」(小学館)
【画像】え…っ? 「でっか」 こちらが桜井浩子さんが他にもいてほしかった「巨大化したウルトラヒロイン」の姿です
図鑑に載った女優
初代ウルトラヒロインの女優・桜井浩子さんは、『ウルトラQ』では「江戸川由利子」役、そして『ウルトラマン』では科学特捜隊の隊員「フジ・アキコ」役を演じました。そして、現在もウルトラシリーズの魅力を次世代に引き継ぐべく、積極的にウルトラ関連のイベントに出席したり、著書を執筆したりしており、自身のYouTubeチャンネル「ROCO TALK」やSNSなどでも、頻繁に情報発信をし続けています。
演じてきたウルトラヒロインに負けず劣らずの、非常にハキハキとした人柄で知られる桜井さんは、インタビューやイベントでも、歯に衣着せぬコメントで、会場をドッと沸かせることも多いです。それはスタッフや共演者に対しても同じなようで、なかには思わず困惑してしまうようなやり取りもありました。
その最たる例が、2005年放送の『ウルトラマンマックス』に「ヨシナガ教授」としてレギュラー出演していた時のことです。『マックス』には桜井さんのほか、「コイシカワ・ミズキ」隊員役の長谷部瞳さん、アンドロイド「エリー」役の満島ひかりさんがレギュラー出演していました。
桜井さんはウルトラヒロインとして後輩にあたるふたりに、長年秘めていたある願いを打ち明けたそうです。それは、「巨大化してくれない?」という要望でした。
多少なりとも『ウルトラマン』を観たことがある人なら、桜井さんがなぜそんなことを願うのか、ピンときたことでしょう。忘れもしない『ウルトラマン』の第33話「禁じられた言葉」で、桜井さん演じるフジ隊員は、「メフィラス星人」の手によって巨大化させられてしまうのです。
そして、桜井さんは女優でありながら「巨大フジ隊員」として怪獣図鑑にまで載ってしまう、「偉業(?)」を達成しました。そんな経験した女優は、日本でも桜井さんだけといえるでしょう。
本人からすれば、ずっと自分の「巨大」イメージを更新してくれる後輩が欲しかったとのことですが、もし長谷部さん、満島さんがこのエピソードを知らなかったら、相当困惑したと思われます。そして、残念ながら『マックス』でのふたりの巨大化は実現しませんでした。果たして大先輩からの「巨大化」要望に対し、長谷部さん、満島さんはどう応じたのか、非常に気になるところです。
ちなみに『マックス』撮影当時、満島さんは桜井さんに「感情を思いっ切り外に出す役が演じたいです」など今後のキャリアに関する相談をしていたとのことで、信頼関係ありきの「巨大化」要望だったと思われます。
さて『マックス』では叶わなかった「ヒロインの巨大化」ですが、桜井さんの願いは2021年公開の映画『シン・ウルトラマン』にて、「浅見弘子」役の長澤まさみさんが実現しました。一体、誰がこんな未来を予想できたでしょうか。
参考書籍:『桜道 -『ウルトラマン』フジアキコからコーディネーターへ-』(桜井浩子)
