
3800館で公開され、初日から3日間で8916万860ドルを記録した『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』。事前の予測では8000万ドルから1億ドル程度とバッファが取られていたが、蓋を開けてみれば予測の範囲内ではあるがやや低め寄り。歴代のオープニング興収ランキングでは109位と、1億ドル超えのオープニングを飾る作品が頻発する昨今としては控えめなスタートにも見える。
前2作のオープニングを振り返ってみれば、前作『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』(22)は、オープニング3日間で興収1億3410万ドル(これは歴代45位)を記録するロケットスタート。しかしシリーズ第1作の『アバター』(09)の場合は同7702万ドル(こちらは歴代142位だ)。それでも、第1作は北米累計興収7億4900万ドルで全世界興収は27億ドル超、前作も北米累計興収6億8400万ドルで、全世界興収は23億ドル超(いずれも初公開時のみの成績)と、破格の成績を収めている。

詰まるところ、この「アバター」シリーズにおいては初動の成績はさほど重要ではないということなのかもしれない。これはまずまずのオープニングから歴史的ヒットとなった『タイタニック』(97)も同様で、キャメロン作品への信頼度の高さ(すなわち、初週末以外であっても劇場で観たいと観客に思わせるだけの力があるということ)によるものだろう。ここから年末年始にかけて特に安定した成績を維持していくことは間違いなく、最終的には2025年公開作全体のトップに立つ可能性も充分に考えられる。
もうひとつキャメロン作品の特徴として挙げられるのは海外興収の高さ。全世界興収ランキングの1位が『アバター』で、3位が前作、4位が『タイタニック』と上位を席巻しているが、そもそも同ランキングの上位にいるハリウッド作品で、全世界興収に占める海外興収の割合が7割を超えている作品は上記3作を含めてごくわずか。北米でもメガヒットを記録するが、それ以上に海外、特に巨大マーケットである中国で強いことが歴史的ヒットのカギといえよう。

今作の全世界での初動興収は3億4700万ドルで、これは2025年公開作としては『ズートピア2』(日本公開中)と『ナタ 魔童の大暴れ』に次いで第3位。しかもそのうち4360万ドルはIMAX上映によるものであり、2025年のIMAX最大のオープニングかつ、歴代で見ても第5位に入るほどの高稼働。しかも中国ではオープニング興収5760万ドルを記録しており、シリーズ前2作を上回っている。これは今作も期待以上の数字を叩きだしてくれるかもしれない。
文/久保田 和馬
