
北条司原作の伝説的作品「キャッツ・アイ」の完全新作アニメの第7話「DIARYには手を出すな!」が12月26日に配信された。“後編”の開幕となる第7話は、内海俊夫(CV:佐藤拓也)が瞳(CV:小松未可子)ら来生三姉妹の家に居候することになり、同居ゆえの“危機”が訪れる。俊夫と瞳だけでなく、三姉妹を疑う女性刑事・浅谷光子(CV:日笠陽子)や、正体を知る“ねずみ”こと宝石泥棒・神谷真人(CV:小西克幸)の気持ちも揺れ動くエピソードになった。(以下、ネタバレを含みます)
■刑事と怪盗がまさかの同居…?
「キャッツ・アイ」は1981年から1984年まで「週刊少年ジャンプ」で連載された北条司の連載デビュー作で、1983年にテレビアニメ化されて大ヒットを記録。今作では原作へのリスペクトを感じさせながらも“令和”の時代にアップデートされている部分も多く、原作ファンや1980年代に放送されていた旧アニメのファンだけでなく、若い層からも注目を集めている。
長女・泪(CV:小清水亜美)、次女・瞳、三女・愛(CV:花守ゆみり)の来生三姉妹は、昼は喫茶店「CAT’S EYE」を営み、夜は美術品を盗む“怪盗”という2つの顔を持っている。3人が狙うのは父親がかつて収集していたコレクションと父親が描いた絵画。それらを集めることによって、行方不明になっている父親の手がかりが見つかるのではないかと思っている。それと、“キャッツアイ”と名乗って予告して派手に盗むことで、自分たちの存在を父親に気付いてもらいたいという思いも込められている。
瞳の恋人・俊夫は犬鳴警察署の刑事で、天敵“キャッツアイ”を捕まえるために日々奔走中。瞳がキャッツアイだとは夢にも思わず、キャッツアイを捕まえたらプロポーズしようと考えている。しかし、捕まえて正体が分かると2人の関係が終わってしまうという大きな矛盾があり、瞳も俊夫からのプロポーズを待ち望んでいるものの、それは難しいことだと分かっている。
第7話は思わぬハプニングから物語が始まった。俊夫の住むアパートの上の階の部屋で水道管が破裂して、部屋が水浸しになってしまった。大きなバッグに荷物を詰めて、びしょ濡れのまま「CAT’S EYE」にやってきた俊夫。瞳たち三姉妹も、客として店にいた神谷も驚く中、俊夫はしばらくの間、居候させてほしいと瞳たちに願い出た。
■浅谷「泊めてあげられない事情でも?」
俊夫としては、瞳とは気心の知れている関係で、「CAT’S EYE」から警察署にも近いという理由で頼み込むが、瞳にしてみれば、うれしい気持ちもありながら、同居すると自分たちがキャッツアイだという証拠を見られるんじゃないかという心配と、仕事(盗み)自体がやりにくくなるんじゃないかという懸念から、俊夫のお願いをすんなりと受けるわけにはいかなかった。
泪も同居には反対の気持ちで、ホテルに泊まることを提案したりするが、警察官の安月給でホテル住まいは無理だと返されてしまう。神谷もキャッツアイにコテンパンにやられて以来、瞳に引かれてしまっているので同居には反対した。
そんな中、店に浅谷がやってきた。事情を聞いた浅谷は、瞳たちに「何か泊めてあげられない事情でもあるんですか?」と問い詰める。浅谷は前々から瞳たちがキャッツアイだと疑っていて、その疑いがまだ拭いきれていなかったのだ。ここで浅谷が放った「でしたら、私の家に来てください」という一言が状況を一気に変えた。
これに神谷は「いいじゃないか!仕事の話もじっくりできるし」と後押しするが、仕事とはいえ、俊夫が浅谷と一緒にいる時間が長いことを以前から気になっていた瞳は、反射的に「ダメ!俊夫はここで引き受けます」と、俊夫の居候を認めてしまった。
浅谷の発言には、2つの意味が込められていたのではないだろうか。一つは、浅谷が瞳の性格をお見通しで、その発言によって俊夫の同居を許可するだろうと思い、わざと挑発的な発言をした。俊夫が同居することでキャッツアイが仕事をしにくくなること、何か証拠を見つけてくれるんじゃないかという期待を込めて。そしてもう一つは、浅谷はひそかに俊夫に恋心を抱いているようなので、自身の提案に俊夫が同意して、一緒に暮らすことになっても、それはそれで結果オーライということになる。
同居が決まって俊夫は瞳の手を取って喜ぶが、瞳、泪、神谷、浅谷は複雑な表情を浮かべていることからも、それぞれの心理がうかがい知ることができる。同居が始まっても、浅谷は「これはチャンスです。三姉妹が怪しい動きをしないかどうかしっかり監視してください」と俊夫にメールを送りつつ、やっぱり気になって店の前まで来てしまっている。神谷も気になるようで、店の前で浅谷と鉢合わせしていた。
■「瞳がキャッツアイ?」“捜査メモ”がきっかけで疑いの目
俊夫との同居によって、やはりキャッツアイにとってメリットとデメリットが生じた。デメリットは家の中で“作戦会議”を行うにも細心の注意が必要になったこと。メリットは、俊夫の出掛けに瞳が警察手帳を部屋に取りに行ってあげたとき、手帳に挟んであった捜査メモが偶然落ちて、警備プランを事前に知ることができたということ。
この“メモ紛失”が、俊夫の気持ちを揺るがすことにも発展していった。帰宅後、俊夫はメモを探すが、自分の部屋になかったので瞳に聞こうと思って瞳の部屋へ。しかし、瞳の姿は見えず、部屋も電気が消えていた。勝手に部屋に入ったことを知られたら怒られると思った俊夫は慌てて部屋を出ようとするが、瞳の日記を床に落としてしまう。
開かれたページは自分が同居し始めた日のことが記されていて、俊夫と一つ屋根の下で暮らせることがうれしいという気持ちが記されていたが、俊夫は「姉さんは“仕事”がやりにくくなると反対したけど…」という一文が引っかかった。しかし、「刑事がいると喫茶店がやりにくくなるのか?」と鈍感力を発揮し、さほど気にすることはなかった。
だが、またしてもキャッツアイにしてやられ、事前に情報が漏れていたことを疑う浅谷から“キャッツアイ”がメモの内容を見られるところにいたのではないか?と問い詰められたことで、俊夫は瞳が警察手帳を取ってきてくれたことと日記の一文を思い出す。「そんなはずはない」と思いつつも「瞳がキャッツアイ?」という疑念が頭をよぎった。俊夫は瞳にメモについて聞こうとするが、瞳がキャッツアイであるわけがないという“信じる気持ち”を優先して、言葉を飲み込んだ。
■“ねずみ”がキャッツアイをフォロー
メモに関しては、神谷が瞳たちを助け、メモ紛失騒動をうまく収めてくれたが、こんなことが続けば、正体がバレてしまうのも時間の問題。しかし瞳はリスクがあることは承知の上で、「前より一緒にいる時間が増えて良かったこともあるんだよね」と泪と愛に話し、まだしばらく同居させることを決意。しかし、アパートの修繕が終わり、俊夫は出て行くことになった。せっかく瞳と同居して一緒の時間が長く取れそうだったのに、タイミングが悪いというか、そういうところも俊夫らしい。
今回は、原作の第21話「いじっぱり こまったり」と第22話「DIARYに手をだすな!」をベースにしたエピソードで、“盗み”のシーンではなく、瞳と俊夫をはじめ、神谷や浅谷、泪や愛といった登場キャラそれぞれの表と裏の心情を感じさせる回となった。
今回のエピソードで後半がスタート。今後、東洋財団の総帥・海原神や、三姉妹の父親であり画家で、行方不明になっていたミケール・ハインツといった鍵を握る人物の登場も予告されており、終盤へ向けてますます盛り上がっていきそうだ。
第6話から約2カ月ぶりの配信に、視聴者からも「待ってました めっちゃ面白かった」「後編楽しみ!」「俊夫くん赤ちゃんかな?」「俊夫がかわいい!」といった声が寄せられている。
◆文=田中隆信
※記事内、作品名の「キャッツ・アイ」の「・」はハートマークが正式表記

