中国を刺激した「台湾有事発言」余波は、来年1月20日から23日に計画する、経団連の北京訪問にも及んでいる。
従来、日中関係は政治的対立があっても、経済交流は「政冷経熱」で維持されてきた。経団連の訪中が中止なら大きな亀裂が入るだけに、日中経済関係者はショックを隠せないだろう。
こんなガラス細工の日中関係に「改善と光」をもたらすキーマンと囁かれる人物がいる。
ベテラン経済担当記者が指摘する。
「米投資会社ブラックストーンのシュワルツマンCEOです。昨年、ノーベル賞受賞者の山中伸弥氏が理事長のips財団に4億円を寄贈した人物で、海外人では習近平主席に最も食い込んでいるといわれます」
ブラックストーンは運用資産150兆円という、世界トップクラスの投資運用会社だ。シュワルツマン氏は2016年に習主席の母校・中国清華大学に、私財も含めて約1000億円を投じ、次世代のリーダー養成のための国際関係修士プログラムを創設。これで習主席に近づいた。
経済担当記者が続ける。
「そのシュワルツマン氏は、実はアメリのトランプ大統領とも深い関係にある。大統領選ではトランプ氏の再選を支援し、大きな原動力となりました」
そのためトランプ大統領は、シュワルツマン氏を財務長官候補にしたほど。アメリカ在住ジャーナリストが言う。
「真偽はともかく、今回の米中の歩み寄りと会談において、陰の仲介役を担った可能性が取り沙汰されています」
実はこのシュワルツマン氏、日中間でも暗躍しているというのだ。
「高市早苗首相が自民党総裁選で勝つ直前、シュワルツマン氏が約30分間、高市氏に面会しています。ブラックストーン日本法人に来たついでの表敬訪問だったといわれますが、それは表向きの理由であり、次の首相就任が濃厚だった高市氏への接近です。そして今後、シュワルツマン氏がアジアを重視するというシグナルでもありました」(自民党関係者)
アジアを牽引する日中が喧嘩をしていては、シュワルツマン氏にとっても大きなマイナス。そのため、シュワルツマン氏はなんとか日中を握手させたいと、躍起になっていると…。霞が関関係者が指摘する。
「仮にシュワルツマン氏の気持ちが本当にそうだとしても、一経済人がこれだけの重大な話で、その対立を緩和できるかは未知数です。とはいえ米中トップに食い込み、高市首相とも面識がある。さらには高市官邸の陰のブレーン、秋葉剛男元国家安全保障局長とも深い仲というのは事実。多くの関係者がシュワルツマン氏の動向に注視しているゆえんです」
何やら多大な期待感を抱かせるが、野党関係者に言わせれば、
「シュワルツマン氏は大変優れた人物で、世界的に顔も広い。そうはいっても、高市発言問題はやはり、発言した高市氏自らが解決するしかない。第三者には荷が重すぎる」
経団連の訪中は実現するのか。
(田村建光)

