
『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』第3弾キービジュアル (C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
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「和」テイストの作品が「ハズレなし」な1年に
空前の快進撃を続ける『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』はもちろんのこと、2025年は特に「和」の要素が強いアニメが充実しています。
実写映画界で『侍タイムスリッパー』や『国宝』が大ヒットしており(ドラマまで含めれば『SHOGUN 将軍』も)、それはアニメに限らず、海外をターゲットにしたもの全般に当てはまるかもしれません。その行方はどうなるかは神のみぞ知るところですが、アニメファンならそういったトレンドは抑えておきたいものでしょう。この記事では今年の3本の注目作とその魅力を紹介します。
時代劇ファンタジー『鬼人幻燈抄』

『鬼人幻燈抄』ビジュアル,(C)中西モトオ/双葉社・『鬼人幻燈抄』製作委員会
今年の春から夏にかけて放送された『鬼人幻燈抄』では、異形の力を宿した青年「甚夜」が鬼と戦い、人びとを守りながら、自らの存在意義を見出していく姿が2クールにわたって描かれます。
本作の最大の魅力はシナリオで、江戸時代後期を起点に、幕末、明治、そして平成を、不老不死となった甚夜が周囲の人間と交流しながら苦悩し、それでも生きていくさまはまさしく「大河ロマン」といったところでしょう。それを彩る1話ごとのエピソードも抜群に出来がよく、時代劇を好きな人だけでなくあらゆるアニメファンにおすすめしたい傑作です。
人情味あふれる江戸ミステリー『しゃばけ』

『しゃばけ』ビジュアル (C)畠中恵・新潮社/アニメ『しゃばけ』製作委員会
江戸時代における人と人ならざる者の物語といえば、小説原作の『しゃばけ』が「ノイタミナ」枠で現在放送中です。本作は、体が弱い大店の若旦那「一太郎」が、妖の力を借りながら江戸の怪事件を解決していく作品です。
ジャンルとしてはミステリーですが、本作の雰囲気はスリリングというよりは、ほっこりとさせられるものでした。それはどこか愛嬌のある妖のおかげでしょうが、「時代劇」というと身構えてしまうような人にこそ気軽に観てほしい一作です。
『オッドタクシー』タッグによる、昭和の香り漂う映画『ホウセンカ』

『ホウセンカ』ビジュアル (C)此元和津也/ホウセンカ製作委員会
最後に紹介するのは、ほかとは一線を画す異色の映画『ホウセンカ』です。本作は独房で死を迎えようとする無期懲役囚の老人「阿久津実」が、人の言葉を話す「ホウセンカ」と会話するなかで、自身の過去……しがないヤクザが生きた昭和後期を回想します。
あの『オッドタクシー』を手掛けた木下麦監督と脚本家の此元和津也のタッグによる作品だけに物語には驚きもありますが、邦画を強く意識したと思われる作風も魅力的です。
終始ゆったりとした雰囲気のなかで、不器用な阿久津を中心とした人びとの心の機微、幸せのあり方、そして40代以上にはノスタルジーとともに映るであろう昭和の終わりの「あの感じ」が描かれます。決して派手ではありませんが、アニメ界では珍しい和風の直球「人情モノ」は、間違いなく若い世代には新鮮に、大人世代には懐かしく心に染み入る良作です。
