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【工具もキッチン用品も87円!?】Amazon新サービス『Haul』は“大人の合格ライン”を超えられる?「アリ・ナシ」の境界線を自腹検証してみた

【工具もキッチン用品も87円!?】Amazon新サービス『Haul』は“大人の合格ライン”を超えられる?「アリ・ナシ」の境界線を自腹検証してみた

1点87円、Amazonの新サービス『Haul』は“大人の合格ライン”を超えられるか? 自腹検証して分かった「アリ・ナシ」の境界線

【工具もキッチン用品も87円!?】Amazon新サービス『Haul』は“大人の合格ライン”を超えられる?「アリ・ナシ」の境界線を自腹検証してみたの画像一覧

Amazonを眺めていて、思わず二度見してしまいました。見慣れない「Haul」という新サービスに、87円の商品がずらりと並んでいたからです。中には、以前Amazonで680円で購入し、今も普通に使っているアイテムとほぼ同じと思われるものまでありました。安すぎて、正直ちょっと不安。「これ、本当に使えるの?」そんな疑問を抱いたままスルーできるはずもなく、実際に買って試してみることにしました。Amazonの新サービス「Haul」で見つけた激安アイテムは、果たして“アリ”だったのか、それとも……?

Amazon Haulとは何か?

アプリ上部のタブから「プチプラHaul」をタップすると、Haul専用のトップ画面へ

アプリ上部のタブから「プチプラHaul」をタップすると、Haul専用のトップ画面へ

Amazon Haul(ホウル)は、Amazon内に用意された“激安アイテム向け”のショッピング枠です。日用品寄りの小物や雑貨を中心に、かなり安い価格の商品が並んでいます。通常のAmazonとは少し扱いが異なり、Haul専用のカートとチェックアウトが用意されています。

特徴1: 価格が極端に安い(数百円〜)

特徴2: 配送に時間がかかる(1〜2週間が目安)

特徴3: 2025年現在、スマホアプリ(モバイル)前提のサービス

実際に筆者が購入した商品は、手元に届くまで20日かかりました。この点からも、Haulは「急ぎの買い物」向きではないサービスだと感じます。

ページを開いてまず思ったのは、「いつものAmazonと、ちょっと雰囲気が違うな」ということ。商品サムネイルや価格の見せ方には、どこか既視感があります。正直なところ、「……これ、アリエク(AliExpress)っぽくない?」そんな印象を受けたのも事実でした。

ただし、決済やアカウント管理はいつものAmazonと同じ。あくまでAmazon公式のサービスであることに変わりはありません。

なお現時点の筆者の環境では、PCブラウザからHaulのページを開こうとするとモバイル専用の案内が出て、閲覧できませんでした。基本的にはスマホ(Amazonアプリ)前提のサービスと考えたほうがよさそうです。

実際に買ってみた。果たして使えるモノなのか?

購入時は1点87円(現在は価格変動あり)

購入時は1点87円(現在は価格変動あり)

① 115-in-1 精密ドライバーセット(87円)

115-in-1 精密ドライバーセット(87円)

115-in-1 精密ドライバーセット
買う価値  ★★☆☆☆
期待通り度 ★☆☆☆☆
ひと言「量は魅力、精度は割り切り」

結論から言うと、以前セール時に680円で購入した精密ドライバーセットと比べると、品質は劣っていると言わざるを得ません。そのドライバーセットは2023年9月に購入したもので、割引前価格は1,680円。現在もAmazonでは、よく似た構成の商品が2,000円前後で販売されています。

左はHaulの87円のモノ、右は以前買った680円のモノ。めちゃめちゃ似ている…左はHaulの87円のモノ、右は以前買った680円のモノ。めちゃめちゃ似ている…

(左)Haulの87円モノ、(右)680円のモノ

見た目や構成はよく似ていますが、実際に触ってみると、細かな部分で差がはっきりと表れました。

まず気づいたのは、作り込みの違い

「115-in-1 精密ドライバーセット」
左はHaulの87円のモノ、右は以前買った680円のモノ

(左)Haulの87円モノ、(右)680円のモノ

ドライバー本体を比べると、安いほうは明らかに軽く、グリップ部分のラバー状素材は突起が高すぎて、やや掴みにくい印象です。また、ビットを差し込む先端部分の長さ調整は、安いほうが3段階のみ。以前購入したものは12段階まで調整可能だったため、ここは使い勝手の面でも明確な差を感じました。

ビットの精度差はかなり大きい

「115-in-1 精密ドライバーセット」Haulの87円のモノはビットが短いため、溝に埋まってしまい取り出しにくい

「115-in-1 精密ドライバーセット」対して以前買った680円のモノは長さがあるため、きちんとつまむことができる

(上)Haulの87円モノ、(下)680円のモノ

最も差を感じたのが、ビット類です。安いほうはビットの長さが短く、ケースに収納すると沈み込んでしまい、取り出しにくいものがありました。ケース自体の構造がほぼ同じなだけに、この違いは余計に目立ちます。また、同じサイズ表記のビットが2本入っているにもかかわらず、見た目では同じサイズに見えないものもありました。

「115-in-1 精密ドライバーセット」ビットの先端が斜めにマイナスドライバーの中には、先端がわずかに斜めになっているものもあり、精密作業向きとは言いづらい印象です。

「115-in-1 精密ドライバーセット」左はHaulの87円のモノ、右は以前買った680円のモノ

(左)Haulの87円モノ、(右)680円のモノ

以前購入したビットには側面に刻印(CR-V 3.0)がありましたが、安いほうにはそれも見当たりませんでした。

細かいが、積み重なる差

「115-in-1 精密ドライバーセット」下はHaulの87円のモノ、上は以前買った680円のモノ。磁石が不足している?

(下)Haulの87円モノ、(上)680円のモノ

「115-in-1 精密ドライバーセット」左はHaulの87円のモノ、右は以前買った680円のモノ。微妙に仕様が違う

(左)Haulの87円モノ、(右)680円のモノ

ネジ保持用の磁石(マグネタイザー)がプラス側に入っておらず、ケースのフタも開いた状態で届いたため、仕様というより組み立て・梱包段階のムラがあった可能性も考えられそうです。ほかにも、ピンセットや吸盤など付属品に細かな省略・簡略化が見られました。

もちろん個体差の可能性はありますが、少なくとも今回手元に届いたものについては、作りの丁寧さという点で不安を感じる仕上がりでした。

それでも87円なら?

115-in-1 精密ドライバーセット(87円)ここまで見ると差は多く、精密作業を頻繁に行う人や、工具としての完成度を求める人にはおすすめできません。

一方で87円という価格を考えれば、「たまにしか使わない」「とりあえず一式揃えたい」用途なら割り切れます。さらに115種類(ビットは80種、重複あり)という数を“万能感”として、特殊なネジに「一生に一度」遭遇したときの保険と捉えると、大人でも持つ理由が生まれると思いました。

② ハンドル付き極細ワイヤーストレーナー 3点セット(87円)

ハンドル付き極細ワイヤーストレーナー 3点セット(87円)

ハンドル付き極細ワイヤーストレーナー 3点セット
買う価値  ★★★★☆
期待通り度 ★★★★☆
ひと言「素直に当たり。3個で87円は強い」

次に試したのが、ハンドル付きの極細ワイヤーストレーナー3点セットです。正直、これは第一印象から悪くありませんでした。

まず感じたのは、想像よりもしっかりしているという点

「ハンドル付き極細ワイヤーストレーナー 3点セット(87円)」 小サイズは押してもほぼへこまない

小サイズはほぼへこまない

「ハンドル付き極細ワイヤーストレーナー 3点セット(87円)」 大サイズでこれくらいのへこみ

大サイズはこの程度

触ってみても、いかにも安価なキッチンツールにありがちな頼りなさはなく、ワイヤー部分も意外なほど張りがあります。指で押してみても簡単に沈み込むことはなく、通常の使用で変形してしまう心配は少なそうです。

接合部は意外と堅実。グラつきはほぼなし

「ハンドル付き極細ワイヤーストレーナー 3点セット(87円)」 接合部も意外としっかり持ち手部分もチェックしてみましたが、やや乱暴に振ってみても、ワイヤーとの接続部にグラつきは感じません。フレームとメッシュがきちんと密着しており、作りとしては想像以上にまともな印象でした。

小サイズ単体でも“100円ショップ級”。3点で87円はお得

「ハンドル付き極細ワイヤーストレーナー 3点セット(87円)」  サイズ小を無印良品のシリコン調理用スプーン(小)とサイズ比較

小サイズを無印良品のシリコーン調理用スプーン(スモール)と大きさ比較

サイズは小・中・大の3点セット。このうち小サイズだけでも、100円ショップで普通に売っていそうなクオリティだと感じました。それが3つセットで87円と考えると、正直かなりお得です。

もちろん、長期間使い続けた際の耐久性までは判断できませんが、日常的な湯切りや粉ふるいといった一般的な用途であれば、十分実用的。今回試した3点の中では、最も安心しておすすめできるアイテムでした。

③ シリコンヘラ 6点セット(食品グレード・87円)

シリコンヘラ 6点セット(食品グレード・87円)

シリコンヘラ 6点セット(食品グレード表記)
買う価値  ★★★☆☆
期待通り度 ★★★☆☆
ひと言「時間でにおいは落ち着く。柔らかさは用途で評価が変わる」

最後に試したのが、シリコンヘラ6点セットです。こちらは、今回購入した3点の中でも、正直いちばん慎重に見たアイテムでした。食品に直接触れる道具だけに、「安い=不安」を感じやすいからです。

開封直後は、においが気になる

まず開封して最初に感じたのは、化学的なにおいがやや強いという点です。食器用洗剤で洗った直後も少し残っているように感じました。ただ、そのまま半日ほど置いておいたところ、においはほぼ気にならないレベルまで落ち着きました。最初だけ様子見しつつ、時間を置くのが良さそうです。

使い勝手自体は問題なし。ただし柔らかめ

「シリコンヘラ 6点セット(食品グレード・87円)」 左はHaulの87円のモノ、右はダイソーのスパチュラ ミニ

(左)Haulのスパチュラ・小、(右)ダイソーのスパチュラ ミニ

シリコンはかなり柔らかめで、しっかりしなるタイプです。筆者は最初「柔らかすぎるかも」と感じたのですが、ここは意見が分かれました。家族いわく、生クリームのようにボウルに沿わせて混ぜる作業では、このくらい柔らかいほうが使いやすいとのこと。逆に、ダイソーのスパチュラミニは硬めで、用途によっては扱いづらいと感じる人もいそうです。

重さについても評価が割れる

「シリコンヘラ 6点セット(食品グレード・87円)」 左はHaulの87円のモノ、右はダイソーのスパチュラ(ミニ)

(左)Haulのスパチュラ・小、(右)ダイソーのスパチュラ ミニ

筆者は「しっかりした重量感=質感が良い」と捉えていましたが、家族の意見は真逆で、「たくさん混ぜるなら軽いほうがラク」。確かに用途が“混ぜ作業メイン”だと、軽さは正義かもしれません。

持ち手の形状には違いがある

「シリコンヘラ 6点セット(食品グレード・87円)」 手前はHaulの87円のモノ、奥はダイソーのスパチュラ(ミニ)

(手前)Haulのスパチュラ・小、(奥)ダイソーのスパチュラ ミニ

ダイソーのスパチュラミニと比べると、Haulのヘラは持ち手がやや薄め。筆者は厚みのあるダイソーのほうが握りやすく感じましたが、このあたりは手の大きさや握り方で評価が分かれそうです。なお、ダイソーにある「置いても先端が付かない突起」については、「別にいらない派」もいました。ここも完全に好みですね。

正直な評価

まとめると、においは“最初だけ注意”で、時間を置けば落ち着く可能性あり。柔らかさ・重さは好みというより用途次第で、ボウルに沿わせて混ぜる系の作業が多い人には、むしろ当たりになり得る――そんな印象でした。87円なら「試して合えば儲けもの」の枠としては十分アリだと思います。

配信元: MonoMaxWEB

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