待ちに待ったダブルデートの日
その日は朝から快晴で、絶好のお出かけ日和でした。私と彼、そして仲の良い友達カップルの4人で、人気の遊園地へ向かうことに。電車の中では、どのアトラクションに乗ろうか、お昼は何を食べようかと、みんなでワイワイ話が弾みます。
ところが、遊園地に着いた頃から、私は少し気になることがありました。彼が友達カップルとばかり話していて、私への声かけがほとんどないのです。最初は「久しぶりに会ったから盛り上がっているのかな」と思い、あまり気にしないようにしていました。でも、時間が経つにつれて、その違和感は大きくなっていったのです。
透明人間になったみたいで
アトラクションの待ち時間、彼は友達の彼氏と趣味の話で盛り上がり、私が話しかけても「うん」「そうだね」と生返事ばかり。お昼ご飯のときも、私の隣にいるはずなのに、視線はずっと向かい側の友達たちへ向いていました。
「今日のパスタ、おいしいね」と声をかけても、彼は友達との会話を優先し、こちらを見てくれません。まるで私だけが透明人間になってしまったような、そんな寂しさが胸に広がっていきました。せっかくの楽しいはずのデートなのに、どうしてこんな気持ちにならなければいけないのだろう。悲しさと、小さな怒りが静かに込み上げてきたのです。
