兵庫県・斎藤元彦知事のパワハラ騒動に始まり、群馬県前橋市長の「ラブホ辞職」と、2025年はまさに「地方自治の激震」という言葉がふさわしい1年だった。中でも「出直し選挙」での敗戦という最後の幕引きまでワイドショーを賑わせたのが、静岡県伊東市の田久保真紀前市長による「学歴詐称劇場」だったのではないだろうか。
「東洋大学卒業」のプロフィールをめぐる問題で、伊東市役所の地下1階で記者会見に臨んだのは7月7日、七夕の夜だった。全国から詰めかけたメディアで溢れ返る会場が異様な熱気に包まれる中、田久保氏がショッキングピンクのスーツで登場。
「東洋大学を卒業はしておりませんでした(実際は除籍)」
そうあっさり認めたのだが、ここからが「田久保劇場」の始まりだった。
「自分の中では卒業したという認識だった。卒業証書のようなものは手元にあるが、今は弁護士に預けているから見せられない」
そんな「証拠なき主張」を、2時間にわたって展開。記者からの「嘘をついていたのか」との問いには、
「嘘ではなく、記憶と記録の乖離だ」
という迷言が飛び出すなど、激しい攻防戦が続く。
そして会見終盤、辞職を迫る記者に対して言い放ったのが、
「だったら選挙で市民に聞けばいい!」
この「逆ギレ記者会見」がSNS配信されたことで、伊東市民の怒りはマックスに達する。10月31日には市議会による不信任決議の可決を経て失職。これでようやく「田久保劇場」が幕を下ろす、と思われた。
だがしかし。なんと「市民の信を問う」として、12月の市長選に再出馬を表明したのである。11月19日の出馬会見では「自分の強み」を尋ねられて「メンタルの強さ」と自信満々に答えていた田久保氏だったが、選挙で彼女に突き付けられたのは、伊東市民による「猛烈なNO」だった。
投開票日当日、落選が明らかになってから、田久保氏は報道陣の取材に応じることはなかった。その理由を、Xで次のように説明。
〈昨晩は深夜にわたって大勢の報道が自宅付近に詰めかけた為、取材をお断りしました〉
のちに「サンデー・ジャポン」(TBS系)の電話取材にだけには応じたことが発覚。市民からは、こんな声が噴出したのである。
「失職に伴う市長選などで合計1億円近い公費が投じられているのに、疑惑に対する説明責任は全く果たさない。そんな状態でバラエティー番組に出演するなんて、開いた口が塞がらない」
田久保氏は12月30日放送の「サンジャポ」特番に出演するが、
「嘘を認めず騒ぎを大きくして、最後はそれをメシのタネにするとは。どこまで市民感情を逆撫でするつもりなのか。結局、誠実さに欠けるあの謝罪会見と一連の田久保劇場は、タレント的な活動を見据えての布石だった…なんてことになるのでは…」
田久保氏は「サンジャポ」で何を語るのだろうか。
(灯倫太郎)

