
どう見てもガンダムなのにザクが中身の「パーフェクト・ガンダム」。『機動戦士ガンダム サンダーボルト』第16巻 作:太田垣康男/原案:矢立肇、富野由悠季(小学館)
【画像4枚】「え、どっちなん?」こちらぱっと見でガンダムか否か判断が難しいMSです
見た目で判断すると「あれ、違う!?」
TVシリーズを筆頭に、ゲームや模型企画など幅広く展開を見せる「ガンダム」シリーズでは、作品の看板として「ガンダム」タイプの「モビルスーツ(MS)」が非常に多く存在します。
なかにはV字型のアンテナと人間の目のように配置された左右で一対のカメラアイという典型的なガンダム顔なのに、設定上はガンダムではないMSもいます。反対に見た目はガンダム顔と言えないのに、設定上はガンダムであるMSも存在します。ガンダムなのか否かの境界線はどのあたりにあるのでしょうか。
その境界線上あたりにありそうな機体として、例えばマンガ『機動戦士ガンダム サンダーボルト』(作:太田垣康男/原案:矢立肇、富野由悠季)に登場する「パーフェクト・ガンダム」は、ガンダムの見た目をしながらも、中身はガンダムではないMSとして挙げられるでしょう。
同機体は地球連邦軍の宇宙基地「ルナツー」へと潜入するため、「サイコ・ザクMk-II」にガンダムのパーツを使って偽装と改修を施したものです。一見すると、ガンダムの姿をしていますが中身はザクであり、ところどころにザクの名残として動力パイプが見え隠れしています。また、見た目はガンダムのツインアイながら中身はザクのモノアイであるため、起動時には特有の「グポン」という音が鳴っていました。
そうした例でいえばOVA『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』に登場した「陸戦型ガンダム」には、「ジム」の頭部であるにもかかわらず、ガンダムに類する機体が見られます。作中で主役の「第08MS小隊」が運用する「陸戦型ガンダム」の頭部が壊され、「陸戦型ジム」の頭部に応急処置で置き換えて修復されました。この場合、違うのは頭部だけで本体は紛れもなくガンダムだといえます。
似たような例がゲーム『機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY』に登場する「ブルーディスティニー1号機」で、当初は陸戦型ジムをベースに開発されたものの、機体がシステムの要求に耐え切れず研究が進みませんでした。そのため、特殊な「EXAMシステム」を積んだ頭部だけ残し、胴体以下は陸戦型ガンダムに改修されることとなります。
また、模型企画「M-MSV」で登場した「水中型ガンダム」などの場合、見た目こそ頭部のV字アンテナにツインアイを備えるガンダム顔ですが、首から下はジムです。パイロットの要求にこたえる形で改修された「水中型ジム(アクアジム)」の派生機になります。
ほかにはガンダム顔を持つジムの例として『サンダーボルト』に登場する「ガンダム・ヘッド」や、メディアミックス企画『ADVANCE OF Z』に登場する「ガンダムTR-1[ヘイズル]」などがあげられるでしょう。
両機ともガンダム顔になった理由について「ガンダム顔なら相手に脅しが効くという心理的影響力」によるものだとされています。水中型ガンダムがガンダム顔になった理由については明かされていないものの、やはり戦場において悪魔的存在だった「ガンダム」の影響力は計り知れないものだったのでしょう。
