「努力が足りない」と言われる理不尽さ

置き去りにしないで(写真:mirae.)
そんな私たちに対し、その他の世代からは、「氷河期世代は甘えている」「努力不足だ」などと言われることがあります。しかし、そもそも就職活動すらまともにできず、ようやく仕事を得ても非正規雇用しかない状況でした。
非正規雇用は、企業にとって都合が悪くなればすぐに切られ、キャリアも築けず、低収入で生活が不安定。これは専門卒の私だけでなく、当時の大学生ですら同じ状況だったのです。
1993年当時の大学生の就職率は77%。つまり、4人に1人は正社員になれなかったことになります。一方、2023年の就職率は97.3%。これと比べると、当時の就職環境がいかに厳しかったかがわかります。さらに、その後就職率は急激に低下し、2003年には過去最低の55.1%まで落ち込みました。この数字からも、就職氷河期の過酷さがうかがえます。
また、今は「第二新卒」として再チャレンジの道がありますが、当時は新卒で就職できなければお払い箱。そんな社会の仕組みの中で、フリーターや派遣社員になった人たちに「努力が足りない」と言うのは、あまりにも無責任です。
だからこそ、私は声を上げたい。
就職氷河期を生き抜いてきた人たちの苦労が、なかったことにされるのが怖い。このまま忘れ去られた世代にならないためにも、私はライターとして、この現実を発信していきたいと思うのです。
(mirae.(みれ)/ライター)
