錦織圭などの活躍以降、「テニス選手になりたい!」「子どもをテニス選手にさせたい!」と考えているジュニアや親が多くなりました。しかし、根本的な問題として、どうすればテニス選手になれるのでしょうか? プロになるまでの道筋を詳しく紹介していきます。
今回からは、ジュニア期の海外経験について。解説は引き続き、プロとしてツアーを回り、引退後はMTSテニスアリーナ三鷹を運営しながらコーチとして選手を指導している増田健太郎氏です。さらに、テニス留学経験者の内山靖崇プロ、奈良くるみプロにも話を聞きました。
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海外経験をしておくことのメリット
錦織選手が13歳からアメリカの IMGアカデミーに留学しているのは有名です。現在の日本のトップ選手たちも少なからず海外経験をしています。小学校卒業後に1年間ニックボロテリーテニスアカデミー(現 IMGアカデミー)に留学していた増田氏は、「海外の経験は多ければ多いほどいいと思いますよ。刺激になるということと、早いうちに海外を経験することで、僕の場合は留学が1年あるので、英語に馴染むという点でも非常に良かったと感じています。
(海外経験がない場合は)遠征が苦痛になってしまうケースが多いんです。よほど積極的な性格でないと、どうしても消極的になってしまう。イコール、それが苦痛になってしまうんです」
テニス選手の生活は遠征の連続だけに、遠征が苦痛になるようでは思うような結果を出すことも困難になります。だから遠征を苦にせず行なえるようにするために、ジュニア期の海外経験は必要になってくるのです。年単位の留学となると経済的な面でも大変になってきますが、例えば夏休みの短期間にテニス留学を経験するだけでも違ってくると増田氏は言います。
2017年のジャパンオープンのダブルスでツアー初優勝を果たした内山も、中学1年生から高校2年まで、IMGアカデミーにテニス留学していました。海外経験をしていたメリットを聞くと、「小さい頃から海外で生活したり海外の選手と試合をするというのは、慣れという部分で大きいのかと思います。なかなか海外の選手と対戦する機会がない選手の場合は、プロになっても試合中のちょっと困った時に、雰囲気に押されてしまうということはあると思うので、そういう面ではビビらないということはあると思います」
奈良も、12、13歳から約2年間、アメリカにテニス留学をしています。その経験については、「海外の選手と一緒に生活できたのは良かったと思います。(プレー面では)どうしても日本にいると色んなテニスを見られません。アメリカでは12歳から攻撃的なテニスをしている人たちがたくさんいたので、その中にいられたというのはとてもプラスになったと思います」と語ってくれました。
~~後編へ続く~~
取材・文●スマッシュ編集部
※スマッシュ2017年12月号から抜粋・再編集
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