バイクはクルマよりもエンジン形式の影響を大きく受ける
バイクになると、もっとキャラクターは大きく変わる。筆者が乗ったことがあるのだけでも、単気筒、並列2気筒、3気筒、4気筒、6気筒、V型2気筒、L型2気筒(特に90度Vをこう言う)、V型4気筒、水平対向2気筒、水平対向6気筒……という多彩なエンジン形式がある。そして、それぞれ大きく特性が違う。
ご存じ単気筒は、シンプルで軽いが、排気量が大きくなると振動が耐えがたいほど大きくなる。

並列2気筒は、今だとW650とかが典型的だが、コンパクトで脈動感もあって、楽しいバイクだ。

並列3気筒といえば、トライアンフ。昔トライデントや、T595などによく乗ったのだけど、並列4気筒より脈動感があり、コンパクトで面白いエンジン特性。4気筒ほど高回転が伸びるわけではないけど、個性的で楽しい。

並列4気筒はもちろん、たくさん乗った。最初に乗ったCBR250Rは1万8000回転まで回る高回転型エンジンで、排気量の割にパワフル。排気量が大きくなるほど、エンジンの大きさが安定感にも邪魔にもなってくる。油冷のGSX-R1100にも乗っていたけど、ネイキッドの4気筒(XJR1200とかCB1300とか、ゼファー1100)になると、エンジンの重みも迫力もさらに増すし、R1やCBR1000RR-Rになると、その重さや迫力はなくなって、軽くてひたすらパワフルになる。そのあたりのバイクは200馬力、重量200kgぐらいなので、前に進ませることさえできれば、4輪のF1マシンに肉薄するほどの加速を体験させてくれる。

並列6気筒は……バイクのK1600GTしか乗ったことがないけど、流石に重い。ついでに、GL1800や、ワルキューレに乗ってる水平対向6気筒に触れておくと、こちらは地面の近くに重量がいくので安定感が高くて乗りやすい。しかも意外とシュンシュン回って、トルクよりパワーを感じさせるエンジン。

バイクのV型にはさらに面白いエピソードがある
V型2気筒、L型2気筒はロマンを感じるエンジンだ。パワーもそれなりに出るし、スリムで、脈動感がある。ドゥカティのM900モンスターや、スズキのTL1000Sを所有していたが、どちらも非常に楽しいバイクだった。空冷だと感覚的に親しめる感じがあって、水冷だと非常にパワフルでスピードを上げるとコントロールが難しくなる。
V型4気筒はVFR400Rや、RC30をはじめホンダのお家芸だったのだが、今となってはドゥカティのV4パニガーレの方がメジャーだろう。昔は複雑になるのが難だったが、今となってはパワーとトルクとコンパクトさを合わせ持つ、理想のエンジン形式と言っていいと思う。

バイクにはホンダが作ったレーシングマシンのRC211Vが、V型5気筒という特殊なエンジン形式なのだが、Trans4motor Rではこれも再現されている。これは4気筒と5気筒はレギュレーション上の制限重量が同じという隙を突いた特殊なバイクで、後ろバンクの2気筒をフレームの間に挟み込んで、V型4気筒並みのスリムさに5気筒のパワーを組み合わせたエンジンなのだが、Trans4motor Rではその爆発間隔がどうなっているかなども見ることができる。ちなみに、もちろん筆者は乗ったことはない(笑)

ちょっと特殊な話だが、筆者は縦置きクランクのバイクが好きで、BMWのR1100GSや、モトグッツィの1100 SPORTに乗っていたこともあるのだが、これは現時点でのTrans4motor Rでは再現できない。しかし、ごく近いうちに搭載されるという情報を得たので、楽しみに待っているところだ。