『STARDOM DREAM QUEENDOM 2025』両国国技館(2025年12月29日)
フワちゃん再デビュー戦 ○葉月vsフワちゃん×
フワちゃんがプロレス再デビュー戦で葉月に完敗を喫したものの、札止めになった両国国技館から何度も「フワちゃん」コールを巻き起こした。
YouTuber、タレントとして活躍していたフワちゃんは2022年10月、テレビ番組の企画と連動して立川大会でプロレスデビュー。2023年4月の横浜アリーナ大会にも出場した。2024年8月、SNSでの不適切な発言があったことを受けて活動を休止していたが、プロレスラーとして再始動の舞台に立つことを決意。再デビュー戦として自ら対戦を熱望した師匠・葉月との一騎打ちに臨んだ。
再デビューに向けて、新人としてセコンド業務もこなし、タレントではなく、ひとりのプロレスラーとしてトレーニングを積んできたフワちゃんは、らしさ溢れるカラフルなコスチュームに、お笑い芸人・ZAZYから借りたピンクの羽根を背中につけて入場。元気いっぱいにコーナーに上がってアピールすると、客席に深々と頭を下げた。選手コール時にも客席に礼をすると、ゴング前に両手で葉月と握手する。
まずは基本に忠実なリストの取り合い、ヘッドロック合戦を展開。ドロップキックを3連続で浴びせるが、仁王立ちした葉月は倒れない。マットを叩いて悔しさをあらわにしたフワちゃんはロープに飛んだものの、葉月はカウンターの豪快なドロップキックを一閃。顔面ウォッシュで一気にペースを握った。そして、リング中央で逆エビ固めに捕獲。耐え抜いたフワちゃんは胸板にハンマーパンチを連発するが、葉月はビンタ、ストンピングで顔面を狙い撃ちにした。
それでも止まらないフワちゃんはドロップキック、ボディスラムで挽回。「負けないぞ!」と叫んで、ブレーンバスターを狙うが、葉月が逆にぶん投げた。フワちゃんが「ナメんなよ!」とエルボーを放っても、葉月は「ナメんじゃねえ!」と強烈なエルボーで倍返し。エルボー合戦になっても葉月が破壊力で上回る。葉月はあえて両手を背中で組んで頬を突き出してエルボーを受け止めた。
負けじとフワちゃんは愚直にエルボーを連打し、スキを突いて卍固めに捕獲。ロープに逃れた葉月を場外に蹴落とすと、コーナー最上段へ。場内が大きくどよめく中、捨て身のプランチャを敢行して、「フワちゃん」コールを巻き起こした。さらに、滞空時間を取ったブレーンバスターも繰り出す。葉月の反撃を許し、ミサイルキックやクロスフェイスの餌食になったものの、意地の雪崩式ブレーンバスターを決めると、両国は沸騰。再び「フワちゃん」コールが巻き起こると、豪快なシャイニングウィザードもさく裂する。
必死に連続してフォールしたものの、葉月はキックアウト。その後もフワちゃんはスピーディにスクールボーイを決めてあわやの場面を生み出すと、投げ捨てジャーマンも繰り出す。さらに追撃を狙ってロープに振ったものの、これを利用した葉月は強烈なフロントハイキックをズバリ。ギリギリで肩を上げたフワちゃんだったが、葉月はダイビングセントーンでダメ押しし、3カウントを奪った。
再デビュー戦で大奮闘を見せたフワちゃんだったが、最後は葉月の猛攻を受けてごう沈。疲労困ぱいでフワちゃんは動けない。そんな中、マイクを持った葉月が「フワちゃんのプロレスに対する覚悟、うちには伝わった。両国ここに来ているお客さん、PPVを見ているお客さん、フワちゃんの覚悟伝わりましたか?」と呼びかけると、両国は大歓声に包まれ、「フワちゃん」コールがこだました。
葉月は「フワちゃん、これがお客さんの意見だよ。ここからどうするかはフワちゃん次第。ただ、新しい夢がプロレスラーであってくれてありがとう」と激励。座礼でリスペクトを示したフワちゃんは、「完敗です、師匠…。でも、どうしても自分だけは1%でも勝てるのを信じて、ここまでやってきたので」と告白すると、思わず涙を見せる。「最後の最後まで本当に勝てると思ってやりました。本当に今日はありがとうございました」と感謝を表すと、葉月は「その自分だけを信じる1%の可能性、絶対に諦めないでね。みんなフワちゃんの勝利も、プロレスラーなんだから、いつかはベルトを巻く姿も見たがっていると思うよ。それができるかどうかはフワちゃん次第だから。うちは応援しているよ」と改めてゲキを飛ばした。
それを聞いたフワちゃんは「負けた身でこんなことを言うのは生意気ですけど、今後、私の主戦場がこのリングになると思うと、すごくワクワクします」と前向き。「今日までは葉月さんの自慢の一番弟子でいられるように頑張ってきましたが、またいつか葉月さんのライバルとして…。そんな日が本当に来ると自分は信じて、しっかり練習を頑張って、また修行を積んで。みんなにこのリングでもっともっとすごいことを見せたいと思いますので、私も高みを目指して頑張ります」と決意を口に。割れんばかりの拍手の中で、フワちゃんは「葉月さん、ありがとうございました」と改めて感謝し、2人は抱擁を交わした。
バックステージで2人は並んでコメント。フワちゃんは「いや、もう本当に痛くて、苦しくて、過酷でした…。超痛かったです」と試合を振り返ったが、同時に充実感も覚えた様子。「大好きな葉月さんとこうして私の再デビュー戦を飾れたのが、本当に本当にこれから先、死ぬまで一生の宝物になったと思います」と笑顔を見せると、「これが再デビューなので、私は自信を持って、これから堂々とプロレスラーとしてデビューできるなって、改めて自信になった一戦でした」と手応えをあらわにした。
ここでも葉月に激励されると、「師匠の葉月さんが面倒を見てくれたのはここまで。ここからは自分の足で進んでいかなきゃいけないと思うので、本当に口だけベラベラにならないように、しっかり体、心、頭、全部。本当にしっかり責任感を持ってやっていきたい。大好きなプロレスにこれからこれを本業として向き合っていきたい」と決意を語ると、「またボコボコにしてください」と再戦にも意欲を見せていた。
【試合後の葉月、フワちゃん】
▼葉月「今日、プロレスラー・フワちゃん、新しい夢がスタートしたね。どうだった?」
▼フワちゃん「いやもう、本当に痛くて、苦しくて、過酷でした…。超痛かったです、もう体中。いや、師匠。すごかった。鬼とは聞いてたけど、本当の鬼師匠。すごい苦しい戦いでしたけど、やっぱ苦しいけど、本当にやりながらスローモーションに見えて、ずっと続いてほしいぐらい楽しい試合で。やっぱりここから始まっていくんだなという思いと、勝てるぞ勝てるぞって最後まで信じていて、葉月さんから教わった覚悟だけを持って戦ってきました。やっぱり向かってくる葉月さんは本当に鬼だけど、大好きで。そんな大好きな葉月さんとこうして私の再デビュー戦を飾れたのが、本当に本当にこれから先、死ぬまで一生の宝物になったと思います。これが再デビューなので、私は自信を持って、これから堂々とプロレスラーとしてデビューできるなって、改めて自信になった一戦でした。本当にありがとうございました」
▼葉月「こちらこそ。再デビューの相手に選んでくれて、そこからたくさん練習もしたし、フワちゃんなりにいろんなことで悩んだと思うけど、プロレスラーになったらもっともっと悩むことも、挫けることも、でもそのぶん楽しいこともあると思う。プロレスラー・フワちゃんはまだまだこれから夢がいっぱいあると思う。だから、自分の手でしっかりその夢を掴みにいってほしいし、リング上でも言ってたけど、うちのいつかライバルになるんでしょ? そのためにはメチャクチャ訓練して、強くなって」
▼フワちゃん「はい。もともとテレビに出ていたっていうこともあって、口だけが達者なところがあって。本当に口だけでこうやって終わらせないで。あいつ言うことだけは一人前だなってなると思うんですよ、今のままだと。今日のデビュー戦に向けても、しっかり覚悟を持ってやってきたのは本当だし、しっかり頑張ってきた努力も本物だけど、ここから先それができるかどうかは自分次第だと思います。師匠の葉月さんが面倒を見てくれたのはここまで。ここからは自分の足で進んでいかなきゃいけないと思うので、本当にクチだけベラベラにならないように、しっかり体、心、頭、全部。本当にしっかり責任感を持ってやっていきたい。大好きなプロレスにこらからこれを本業として向き合っていきたいので、葉月さん、これからもどうぞよろしくお願いします」
▼葉月「こちらこそよろしくお願いします」
▼フワちゃん「またボコボコにしてください」
▼葉月「いつでも」
▼フワちゃん「痛かった」
▼葉月「本当にプロレスを選んでくれてありがとう」
▼フワちゃん「ありがとうございます。これ体が痛くて、打ち上げ無理ですわ。1月中旬ぐらいまで痛くて。痛すぎる」
▼葉月「よく頑張ったよ。みんなに覚悟が伝わってよかった」
▼フワちゃん「腹に乗るんだぜ。信じられる? プロレス」
▼葉月「フワギャルがいっぱい見に来てたよ、今日。よく頑張ったよ」
▼フワちゃん「最高の師匠ですよ、葉月さんは」
※その後、フワちゃんのみ改めて囲み会見へ
――久しぶりのリングで感じた率直な気持ちは?
▼フワちゃん「本当に何回立ってもリングの上っていうのはキラキラしていて憧れで、夢の場所なんだな、そんな舞台なんだなってやりながらも感じました。やっぱり試合に本当に私は勝ちにいったので、そこの悔しさはもちろんありつつも、やっぱり夢を与える場所だなっていうのは。すごい神聖な場所だなっていうのはありがたく思って、ここでもっともっと夢を叶えていきたいなっていう。なんかすごい自分の中のエネルギーだったり、モチベーションだったり、満ちているパワーをもらったなという気持ちです。憧れの葉月さんにまさか再デビュー戦をやっていただくなんて、こんなに縁起のいいスタートはないので。幸先のいいスタートになるように信じて、あとは実力をしっかりいかんなく発揮できるように頑張りたいなっていう。キラキラしてたなあ。照明もピカピカしてたし、全部すごかった」
――師匠である葉月選手と向き合って、一番に感じたことは?
▼フワちゃん「プロレスラーの基本的ないろは、プロレスラーたる所以というものを基礎から、芸能人とか関係なく、一番最初に教えてくれたのは葉月さんだったので。もう本当に基本の受け身、基本のエルボー、基本のドロップキック、それをとにかくたくさん教えてもらいました。そして、強い気持ちというのを教えてもらって。やっぱりちょっと私は派手なものに憧れていて、一番最初は。こんなクルクルやる技とかをやってみたいということを、3年前は言っていたんですけど、そんなことをするんじゃなくて、気持ちが一番大事っていうのを私に教えるためだけに、(3年前に)葉月さんと飯田さんで私のために試合をしてくれたことがあったんですよ。誰もいない練習で。それで私はいかに気持ちが大事かっていうのを葉月さんから学んだんで。今日はそんな葉月さんを相手に、自分をむき出しにして、本当に私はこう思っているぞ、勝ちにいくんだぞというのをぶつけられたので、あの葉月さんがそうだったなと思ってくれたら嬉しいです」
――自分への声援を聞いてどう感じた?
▼フワちゃん「嬉しかった。一番最初から、バカみたいな羽根をつけて来ちゃったのに、みんなワーッて言ってくれてすごい嬉しかったです。やっぱり試合中の声援、もうダメだっていう時にお客さんの声援があと一歩背中を押してくれる力になるっていうのは葉月さんから教えてもらったことなので、それは本当に身に染みました。試合中に『あの言っていた言葉は本当だったんだな』っていう。4方向すべてのお客さんの声が聞こえたし、すべてのお客さんが私を信じて、『これ、本当にフワちゃん勝てるんじゃないのか』っていう、そんな期待が最後の最後まで返す力になったし、私の源になりました。たぶん私の力はこんだけだったけど、お客さんのおかげで本当にたくさん頑張れました。お客さん、ありがとう」
――今日を踏まえて、これからどんなレスラーになりたい? 来年の目標は?
▼フワちゃん「今日に向けて、とにかくガムシャラにやってきたので、まだそんなに、例えばベルトを巻きたいとか、本当にそんなことを言うと生意気な話なんですけど。夢は夢なので、語らせていいただくと、私は海外でも通用するような、唯一無二の、世界に向けて発信していける力だったり、英語だったり、表現力だったり。そういうところは自分で得意なところだと思っているので、もっともっとスターダムを世界に羽ばたくものにしていけたらいいなと思っています。細かいことを言うと…やっぱりまだ新人なのに、あれですよね。でも、こんなところにベルトをかけようかな、どうしようかなってことはちょっと夢を見ちゃっていたりします。フューチャーのベルトとか、シンデレラトーナメントとか、やってみたいと思います。これはできたら。でも、やりたいよね。私はプレスラーになったんだから。プロレスラーになったんだから夢は大きく。夢を語るのはプロレスラーのやっていいことなんだから。ちゃんとしっかりトップの新人になりたいです。いろんな試合に挑戦して、これからもどんどんどんどん…。1月だって、2月だって、3月だって、試合をいっぱいやるから、よろしくお願いします」
――フワちゃんの試合を初めて見た方やファンに向けてのメッセージは?
▼フワちゃん「本当にプロレスに来たみんな、怖いなっていう気持ちはちょっとあるよね。私も一番最初はありました。最初スターダムの道場に入った時に、葉月さんとSTARSの皆さんの試合を生で見た時に、本当にあの音とか、迫力とか、気迫だったりに私もびっくりしたんですけど、どんどんどんどんのめり込むのがプロレスの怖いところです。私がきっかけでプロレスに来てくれて、楽しい思いをしてくれたら光栄だし、ちょっとディープかなとか、マニアックなのかなとか、難しいのかなっていうところなのに、足を踏み出してくれた本当にありがとう。今日は見に来てくれて楽しかったですか? すごいよかったと思う。これからどんどんどんどん沼っていこう。私と一緒にさ、『どの技が好き?』とかさ、『どの選手好き?』とか、『どの入場好き?』とか、そんなこともいつか語り合って、楽しい思いとかしたりしようね。グッズも買ってくれて、身につけてくれたのも見てました。本当にかわいかったよ。いろんなフワギャルと、いろんなオジサンたちが。老若男女、みんなプロレスでかわいかった。こっちからも見えてます。ありがとうね。(記者団に対し)皆さん今日はお忙しい中、ありがとうございました。こんなにたくさん」
――入場の羽根については?
▼フワちゃん「昨日の夜にZAZYの家に借りに行きました。ZAZYは3種類貸してくれたんですけど、あれが唯一ゲートを通って、他の2つは引っかかっちゃったからあれにしました。ふざけているわけじゃなくて、入場を盛り上げたくてやったんです。怒らないでください。有田さんにまた怒られちゃう。あれでみんなにワクワクしてもらいたいなと思ったから、ZAZYに借りに行きました。これを終わったら返しにいきます。お腹痛いのに最悪。ZAZY、今日見に来ているし、会って渡しちゃおうかな」
――シャイニングウィザードを使っていたが?
▼フワちゃん「シャイニングウィザードは前に春日さんと戦った時に習得した私の大切な必殺技で。武藤さんのシャイニングウィザードをいろんな角度から何万回も見て研究して、今日は上手く当たったかな。どうだろう、あとでちょっと自分で見直してみます。でも、武藤さんから学びました。1回春日さんをあれでギャフンといわせたことがあったから、自分の中では大切にしている技だったから。本当はあれで決めたかったなと思っていたんですけど、さすが葉月さん。全然返されちゃったな。でも、ちゃんと武藤さんにはご恩もあるので、武藤さんの技をリスペクトを込めて、これからも使っていけたらなって。もっと自分自身のものにしていけたらいいなと思っています。武藤さん、活動休止中にアメリカで会って、『フワちゃん写真を撮っていい?』と言われたから、撮ったんですよ。そうしたら、すぐXで載せようとしていたから、『今はダメですよ、載せちゃ』って止めて。ようやくそんなこぼれ話もできるようになりました。武藤さんありがとう。緊張した、武藤さんにプロレスやりたいですよって言う時。(他に)言わないかなと思ったけど、言わなかった。武藤さんは口が固かった。でも、みんなが憧れている武藤さん技なので、競争率が激しいのは重々承知ですが、フワちゃんもシャイニングウィザードをしっかり自分のシグネチャームーブにしていきたいと思います。武藤さんにまだ言ってないから、あとで言おう。後報告シャイニングウィザード」

