
『ゾンビランドサガ ゆめぎんがパラダイス』ビジュアル (C)劇場版ゾンビランドサガ製作委員会
【画像】え…っ!「肩うっす」「足が…」 こちらが『ゾンビランドサガ』美女のウェディングドレス姿です
2025年の隠れた名作といえば?
「面白い作品」が必ずしも「人気作品」になるとは限らない。それは、多くのアニメファンが痛いほど理解している事実ではないでしょうか。2025年も、『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』が世界的な記録を打ち立てるなど、アニメ映画界隈は大きな盛り上がりを見せました。しかし、その陰で、内容は素晴らしいものの興行成績が思うように伸び悩んでしまった作品も存在します。
もちろん数字がすべてではありませんが、いい作品が埋もれてしまうのはあまりにも惜しいことです。そこで今回は、年間60本以上は劇場で鑑賞するというアニメ映画ファンのKさんに「2025年の隠れた傑作アニメ映画」を3本挙げてもらいました。機会があればぜひ劇場で、もしくは配信サイトでチェックしてみましょう。
『ゾンビランドサガ ゆめぎんがパラダイス』(10月24日公開)
まず名前が挙がったのは、佐賀県を救うためにゾンビとして蘇った少女たちがアイドル活動に励む人気作の劇場版『ゾンビランドサガ ゆめぎんがパラダイス』です。本作ではタイトルが示す通り、佐賀を飛び出し宇宙規模(?)へとスケールアップした荒唐無稽なストーリーと、圧巻のライブシーンが描かれました。
Kさん「自分はアニメ映画のヒットの基準を『興行収入5億円』と考えているのですが、本作は公開から1か月で興行収入は3億円ほど。今回挙げる3作品のなかではまだ好成績ですが、TVシリーズ放送時は文句なしに『覇権アニメ』だったことを考えると、少し寂しい数字で着地しそうです。第2期の放送から4年以上経っての上映だったのがネックだったのでしょうか……。
とはいえ、内容の質が落ちたわけでは決してありません。ファンなら誰もが喜ぶような物語やネタが満載のエンタメ作品で、観客の満足度は非常に高かったはず。実際に僕も、笑って泣いて、すごく楽しめました。TVシリーズのファンでまだ観ていないという方は、ぜひスクリーンで彼女たちの勇姿を目撃してほしいです」
『ホウセンカ』(10月10日公開)

『ホウセンカ』メインビジュアル (C)此元和津也/ホウセンカ製作委員会
2作目は、緻密な伏線回収と会話劇で話題をさらった『オッドタクシー』の木下麦監督と脚本家の此元和津也が再タッグを組んだオリジナルアニメ『ホウセンカ』です。その内容は、無期懲役囚となった元ヤクザの老人「阿久津」が、ホウセンカと対話しながら1987年の夏を回想するという人間ドラマです。
Kさん「あの『オッドタクシー』の監督&脚本という触れ込みで期待していましたが、2025年のアニメ映画でも屈指の異色作でした。もっと多くの人に観て欲しかった……というのが本音です。
内容はまさに、邦画の『ヤクザもの』然とした硬派さで、雰囲気も終始物静かです。でも、見終わったあとに残る『いい映画を観たな~』という充足感は、今年のアニメ映画で随一でした。いかんせん絵面も物語も地味すぎたのかもしれませんが、そここそが美点というのがジレンマですね」
『トリツカレ男』(11月7日公開)

『トリツカレ男』メインビジュアル (C)2001 いしいしんじ/新潮社 (C)2025映画「トリツカレ男」製作委員会
最後に挙がったのは、いしいしんじ先生の小説をアニメ化した『トリツカレ男』です。何かに夢中になるとそれ以外が見えなくなる「トリツカレ男」こと「ジュゼッペ」と、「ペチカ」という少女によるラブストーリーです。
Kさん「『ChaO』もそうでしたが、最近のアニメの流行りからは明らかに離れた独特なキャラクターデザインで話題になった本作も外せません。確かにビジュアルはクセがありますが、それを補って余りあるほど、中盤からのストーリー展開やミュージカルシーンが素晴らしく、愛らしい傑作です。
公開当初は空席も目立ちましたが、うれしいことに絶賛の口コミがSNSで広がり、観客が増えているようで安心しました。このまま、かつての『KING OF PRISM by PrettyRhythm』や『若おかみは小学生!』のように、ファンの熱量に支えられて伸びていってほしいです。来年も引き続き、こういった作品は、自分もささやかながら応援していきたいですね」
