個人タイトルの対象ではなくとも、今季の選手個々の活躍や貢献を振り返る上で見逃せない部門のベスト3を紹介する。今回はパ・リーグの投手編だ。(※先発で120投球回以上16人、救援が45投球回以上15人を対象)
■奪三振率(奪三振×9÷投球回)
【先発】
1.宮城大弥(オリックス)9.88
2.今井達也(西武)9.79
3.モイネロ(ソフトバンク)9.27
【救援】
1.藤井皓哉(ソフトバンク)13.50
2.ウィンゲンター(西武)13.31
3.西口直人(楽天)12.43
先発ベストの宮城は前年から1以上も数字を伸ばすなど、近年は奪三振能力の向上が目覚ましい。今井は昨季の1位から陥落も数値は誤差の範囲。モイネロは6月6日のヤクルト戦で左腕新記録の1試合18奪三振を樹立している。救援最多はソフトバンクの杉山一樹が奪った85三振だが、率では同じブルペンの藤井がトップに立った。ウィンゲンターが49登板で三振を奪えなかった試合はわずか5試合のみ。
■与四球率(与四球×9÷投球回)
【先発】
1.伊藤大海(日本ハム)1.33
2.宮城大弥(オリックス)1.80
3.隅田知一郎(西武)1.92
【救援】
1.西口直人(楽天)2.31
1.松本裕樹(ソフトバンク)2.31
3.田中正義(日本ハム)2.45
2位以下を大きく引き離した伊藤は3与四球が1試合あっただけで、他の登板ではすべて2つ以下にとどめた。同じ日本ハムでは、対象外だが加藤貴之(日本ハム)が0.98と制球力の良さは変わらず。20先発のうち10登板が無四球だった。一方で、小島和哉(ロッテ)はリーグワーストの3.55と制球難がぶり返している。救援には頭抜けた数値を残した投手がおらず、近年の出力重視傾向が反映されたようだ。
■K/BB(奪三振÷与四球)
【先発】
1.伊藤大海(日本ハム)6.72
2.宮城大弥(オリックス)5.50
3.隅田知一郎(西武)4.38
【救援】
1.西口直人(楽天)5.38
2.藤井皓哉(ソフトバンク)5.36
3.松本裕樹(ソフトバンク)4.31
投球の質を図る指標のランキングで、先発は与四球率と同じ3人が順位もそのままにトップ3へ名を連ねた。伊藤は前年の4.13から2以上も数字を上昇させている。救援では奪三振率1位の西口と与四球率1位の藤井がワンツー。前者はK/BBをトミー・ジョン手術前の水準から2倍以上に引き上げ、見事な復活劇を描いた。
■HQS率(HQS÷先発数)
1.モイネロ(ソフトバンク)66.7%
1.今井達也(西武)66.7%
2.伊藤大海(日本ハム)59.3%
先発登板で7イニング以上&自責点2以内に抑えた回数を表すHQS(ハイクオリティ・スタート)で、上位3傑の3人はいずれもリーグ最多の16回を記録。種市篤暉(ロッテ)も50.0%の高い数値を記録しながら、9勝8敗と十分な援護に恵まれなかった。北山亘基(日本ハム)と宮城大弥(オリックス)は6イニング&自責点3以内のQS率が81.8%で、伊藤の81.5%を上回るリーグベスト。
■被OPS(出塁率+長打率)
【先発】
1.今井達也(西武).493
2.モイネロ(ソフトバンク).514
3.大関友久(ソフトバンク).562
【救援】
1.西口直人(楽天).449
2.松本裕樹(ソフトバンク).457
3.ウィンゲンター(西武).498
先発は今井の被出塁率.246/被長打率.247がともにリーグベストで、モイネロの.250/.264はいずれも2位。救援では西口の.222/.227が両方とも最も優れた数字だった。対照的に、小島和哉(ロッテ)は.328/.421ともリーグワーストと苦しんだ。藤井聖(楽天)も2年連続で被OPS.729以上と対打者で改善が見られない。
■被打率
【先発】
1.今井達也(西武).176
2.モイネロ(ソフトバンク).192
3.大関友久(ソフトバンク).198
【救援】
1.松本裕樹(ソフトバンク).165
1.西口直人(楽天).165
1.ウィンゲンター(西武).165
先発は被OPSと同じ3人がそのままランクインし、WHIPのランキングも同じ顔ぶれになる。今井は満塁で12打数1安打のみと驚異的な強さを発揮し、西口も得点圏で被打率.056とギアが上がった。逆に武内夏暉(西武)は得点圏で被打率.377と踏ん張れず。宮西尚生(日本ハム)は対左打者で被打率.326と打たれた。
文●藤原彬
著者プロフィール
ふじわら・あきら/1984年生まれ。『SLUGGER』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。X(旧ツイッター)IDは@Struggler_AKIRA。

