旅のラストを風情でしめくくる「SL大樹」

チェックアウト後も、まだまだ鬼怒川の旅は終わりません。帰り道そのものが、旅のハイライトともいえるでしょう。
鬼怒川温泉駅からの帰路は、下今市駅までを結ぶ「SL大樹」に乗車します。

客車は3両編成。その中でも2号車の「展望車」は、SL旅の情緒をより味わい深くさせる醍醐味に満ちています。
昭和のSL全盛期を彷彿させる趣のある内装。ボックスタイプのシートはふかふかで、直角の背もたれにどこか懐かしさを感じます。備え付けのテーブルは駅弁を広げるのに最適なサイズ。ここには、古き良き時代の旅情あふれるシーンが息づいています。
さらにこの車両に設けられているのが、開放型の展望デッキ。流れる景色と風を感じながら、汽笛の音に耳を傾ける――。まるで昭和時代にタイムスリップしたかのような感覚を肌で味わえます。

終点の下今市駅に到着したら、駅に隣接する転車台へ足を向けてみます。先ほどまで力強く走り続けていたSLが、役目を終えて車庫に戻る姿を目の前で見ることができます。その雄姿に、シャッターを切る手が止まりません。
1日最大8本運行される「SL大樹」は、現役を終えた蒸気機関車を活用し、東武鉄道により2017年に運行が開始されました。
その姿は今、地域住民の協力のもと、鬼怒川の新しい観光資源として、力強く汽笛を鳴らし続けています。
故きを温ねて新しきを知る鬼怒川温泉の旅
快適な最新車両で訪れる、くつろぎの宿。
ゆったり湯につかり、旬の味覚に身も心も満たされる、誰にも邪魔されない気ままな時間。
帰りはレトロなSL列車で、時間をかけて少しずつ日常に戻っていく――。
鬼怒川温泉は、「移動・宿・帰路」、このすべてを無理なく成立させてくれる場所なのかもしれません。
取材協力:大江戸温泉物語Premium 鬼怒川観光ホテル
https://www.ooedoonsen.jp/kinugawa-kanko/
新型特急スペーシア X(SPACIA X)特設サイト | 東武鉄道公式サイト
https://www.tobu.co.jp/spaciax/
SL大樹公式サイト | 東武鉄道
https://www.tobu.co.jp/sl/
<取材・撮影・文/櫻井れき>
