企業による不祥事など、相変わらず多くの謝罪会見が行われた2025年だが、新年早々、芸能界のみならず、放送界をも揺るがすことになったのが、中居正広氏をめぐる一連のフジテレビ問題だ。中居氏による「女性トラブル」へのフジテレビ局員の関与、そして長年囁かれてきた「接待文化」の闇など、「中居+フジテレビのズブズブ関係」が次々と明らかに
なった。
1月17日に記者会見を開いたフジテレビはカメラ撮影を禁止し、質問者を限定。そこで港浩一社長は「調査中」を連発し、核心に触れようとしない。釈明というよりも完璧に逃げに出た姿勢が、昭和オヤジによる「俺様的不誠実の極み」を絵に描いたような初動だった。
当然ながら猛烈な批判が巻き起こり、長年フジテレビを支えてきたナショナルクライアントが一斉に背を向け始めることになったのである。
これに慌てたのはフジテレビの親会社、フジ・メディア・ホールディングスだった。スポンサー企業の大量離脱という死活問題に直面したことで、1月27日に再び会見がセットされることに。今度は親会社の重役総出の「やり直し会見」である。
開始は午後4時。同じ轍は踏まないとばかりに参加メディアを広げ、時間無制限に。配信もOKという「フルオープン」の構えを見せたが、時間はたっぷりあるのに、相変わらず中身はスッカスカである。
「現時点でお答えできることは、先ほどの発表が全てです。精査しております」
何を聞いてもそんな回答を、表現を変え、間を空けながら、延々と繰り返す。「検討する」「第三者委員会に委ねる」という定型文を繰り返し、核心部分の回答を拒み続ける役員たちを見て、記者席では怒号が飛び交う。会場はさながら、修羅場の様相を呈することになったのである。
結局、深夜2時半過ぎまで、実におよそ10時間23分に及ぶ異例の長丁場となったこの記者会見。フラフラになった記者たちが「結局、何のために我々をここに拘束したのか」と詰め寄ると、役員がひと言。
「皆様の納得いくまでお答えしたつもりです」
これを聞いた記者からは「これは説明じゃないよ。ただ単に我々の体力を奪って戦意を喪失させるための、兵糧攻めなんじゃないの」というボヤき節が漏れたものである。
案の定、会見の翌日、主要スポンサー数社がフジテレビとの完全決別を宣言。日を追うごとにその数は増え続け、株価は暴落する。局内には「会社が潰れる」「仕事を失う」などといった噂が充満し、大混乱に陥った。
かつて「楽しくなければテレビじゃない」をキャッチフレーズに、お台場の王様として君臨してきたフジテレビ。しかし、この10時間の「虚無」という「最悪の演出」により失ったものは、あまりに大きかった。
(灯倫太郎)

