SPACE SHOWERが主催する夏の野外フェスティバル「SPACE SHOWER SWEET LOVE SHOWER 2025 30th ANNIVERSARY」が、8月29日～31日の3日間にわたり山梨・山中湖交流プラザ きららにて開催。2日目となった8月30日、「LAKESIDE STAGE」のトリを務めたOfficial髭男dismのライブの模様をレポートする。
■30周年を迎えた“ラブシャ”に豪華アーティストが集結
1996年に東京・日比谷野外大音楽堂でスタートした「SWEET LOVE SHOWER」(通称“ラブシャ”)。平成初期から令和に至るそれぞれの時代で、日本の音楽シーンを彩ってきたさまざまなアーティストたちが記憶に残る名演を見せてきた。
UA、THEATRE BROOK、フィッシュマンズら計7アーティストから始まったラブシャは、2007年より現在の山中湖交流プラザ きららに会場を移して以降規模を拡大。富士山を臨む湖畔を舞台に、今や6つのステージで行われる一大イベントに成長した。
30周年のアニバーサリーとなる2025年は、フェスシーンの最前線で奮闘する人気バンドからレジェンドアーティスト、この日限りのトリビュートバンドまで、日本の音楽シーンを牽引する総勢93組が出演。夏の終わりの3日間を、全国各地から詰めかけたオーディエンスと共に熱く盛り上げた。
■代表曲スタートから誰もが歌えるナンバーの乱れ打ち
2日目のライブは、いよいよLAKESIDE STAGEのトリを残すのみに。この日の大トリを飾るのはOfficial髭男dism。ステージの後方まで観客がビッシリと詰めかける中、藤原聡(Vo./Pi.)、小笹大輔(Gt.)、楢崎誠(Ba./Sax.)、松浦匡希(Dr.)がステージに登場。
各自が配置に就き、小笹がいきなりあのイントロを奏で始めると、観客からはざわめきが。名曲“Pretender”でライブがスタートするなり、早速フロア全体からシンガロングが沸き起こる。最後の「♪とてもきれいだ〜」というフレーズでは、藤原が渾身のロングトーンを見せる場面も。
ここで藤原が「このステージのトリを務めさせていただきますOfficial髭男dismです！ 6年ぶりのラブシャ、最後までよろしくお願いします！」とあいさつ。続いて披露されたのは“宿命”。サビでは観客が一斉に手を掲げ縦に振っていく。ホーンセクションやコーラスなども登場し、より厚みを増したサウンドに惹き込まれる。
MCでは、藤原が「改めてどうもOfficial髭男dismです！ 俺今日のラブシャがお客さんで一番来たかったです！ それくらい尊敬するアーティストが素晴らしくて、今日ほど体が二つほしいと思ったことはないです」と、豪華なアーティストが集結したこの日のラインナップに対する偽らざる本音を口に。
さらに、「そんな日の最後にこのステージを選んでいただきありがとうございます。伝え漏れのないように、ここにいる皆さんと最高の時間を過ごしたいと思います！ よろしくお願いします！」と意気込んだ。
そこから“I LOVE...”へ。藤原がハイトーンかつ乱高下するキーをものともしない圧巻のボーカルを見せ、観客も「♪I LOVE, I LOVE」というフレーズでシンガロングを展開。どこをとっても皆が歌えてしまうほど、彼らの楽曲が幅広く受け入れられてきたことを再認識させられた。
■“ミックスナッツ”でaikoと極上のコラボを展開
“ミックスナッツ”は藤原の弾き語りからスタート。そんな中、藤原は「ここに僕がいて、あなたがいて、そして？ 今夜だけは？ スペシャルゲストだ〜！」と歌いながらある人物を呼び込む。ステージに現れたのはなんとaiko。まさかの展開に、観客からは大歓声が沸き起こる。
藤原とaikoによるツインボーカルで披露するこの日限りの特別なパフォーマンスに、フロアは大熱狂。それぞれがソロ歌唱をするだけでなく、藤原がメインを取るパートではaikoが、aikoがメインのパートでは藤原がハモるなど、圧倒的な相性の良さを見せつけていく。
また、2番の入りで楢崎が見せるおなじみのポーズを掟破りでaikoが披露する場面も。その後もaikoは楢崎に寄りかかっては倒れるというシュールなやり取りを展開するなど共演を楽しみ尽くし、最後に藤原とハイタッチ。「みんなありがとな〜！ 最後まで楽しんで！ ヒゲダン最高！」(aiko)と言い残し、ステージを後にした。
敬愛する先輩との共演を終えて、藤原は「ヤバかったねー。すごい、夢が叶いました。夢を叶えてくれたのは、aikoさんであり、aikoさんと同じ日にしてくれたラブシャのみなさん、そして見に来てくれたみなさんのおかげです！」と感謝を口にした。
■バンドと観客が最後まで全力で向き合った圧巻のステージ
そこから、「絶対に忘れたくない、体に刻みつけたいような思い出をみんなと作りたいと思います」(藤原)と“TATTOO”へ。藤原が観客にシンガロングを要求すると観客たちも全力で応えていき、盛り上がりはさらに加速していく。
さらに、「ラスト2曲です。あっという間すぎて寂しいけど、最後までしっかり盛り上げていきます！」(藤原)という言葉とともに新曲“らしさ”を披露。今日のセットの中でもロック色の強い疾走感あるナンバーで駆け抜けた。
そして、藤原が「次でラストの曲になります。僕らも悔いないように、いち音まで届けたいと思うので、ラブシャの皆さんも今日寝る時悔いないように、腹から声出してでかい声で歌ってください！」と呼びかけ、ラストナンバー“50%”へ。ホーン隊も含めたフルメンバーによる演奏が展開される中、今日のライブでも一際大きな歌声が轟く。
「自分たちのやりたいこと、ヒゲダンのやりたいこと、つまりは、いい曲作っていいライブやって、それを繰り返して年を取っていきたい。そしてまたラブシャに帰ってきたい。そう思っています！」と語った藤原は、「悔いないように！」「ラブシャ！ Singing！」と再び観客を煽り、特大のシンガロングが巻き起こる中ライブは大団円。
演奏を終えた藤原は「最後までお付き合いいただきありがとうございます。またお会いしましょう！ Official髭男dismでした！」と告げ、メンバーと共にステージを後に。直後に花火が盛大に打ち上がり、豪華アーティストが集った2日目を締めくくった。
なお、同フェスの模様は10月から11月にかけてスペースシャワーTVにてオンエア。DAY1は10月26(日)夜8:00より、DAY2は11月2日(日)夜8:00より、DAY3は11月9日(日)夜8:00より放送される。(※放送アーティストは未定)
