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何度も再放送された「名作少女アニメ」に起きた悲劇 まもなく「50周年」だが絶版・再放送なしの現実

何度も再放送された「名作少女アニメ」に起きた悲劇 まもなく「50周年」だが絶版・再放送なしの現実


『キャンディ・キャンディ』第1巻(講談社)。講談社公式サイトに既刊情報はあるものの、絶版状態が続いている

【画像】「えっ」「そんなのあったのか」 これがキャンディの「その後」が書かれた小説版です

キャンディ・キャンディを正規の手段で見るのは現状不可能

 来年2026年は、1976年にTVアニメ『キャンディ・キャンディ』が放送されてから50周年の節目を迎えます。1970年代から80年代にかけて何度も再放送され、当時の子供たちを楽しませた名作ですが、現時点では視聴不可能な作品となっています。なぜあれだけの作品がファンの前から姿を消したのか。それは原作の権利をめぐる争いが原因でした。

『キャンディ・キャンディ』は少女マンガ雑誌「なかよし」で1975年から連載され、1976年にTVアニメ化された作品です。20世紀初頭のアメリカとイギリスを舞台に、孤児の少女キャンディが苦難に負けず明るく前向きに生きる物語は、堀江美都子さんの歌うオープニングテーマとともに、男女を問わず多くの人の心に刻み込まれています。

 1970年代から80年代にかけて繰り返し再放送が行われていたため、何度見たのか覚えていない方も多いでしょう。しかし2001年以降は原作も絶版となり再放送も行われず、正規のDVD化や配信も絶望的な状態が続いています。

 なぜこのような状況となってしまったのか。それは、作画を担当したいがらしゆみこ氏が原作者である水木杏子氏に対して行った、数々の無法な振る舞いが原因となっています。この記事を書くにあたり事情を調べた限りでは、「詐欺」と呼んでもよいほどの実態で、巻き込まれた水木杏子氏の心労はどれほどのものだったのか想像だにできません。


120万枚売れたとされる主題歌『キャンディ キャンディ』レコード(日本コロムビア)

原作者「排除」の根拠になった文書が…?

 いがらしゆみこ氏は何をしたのか? 1995年に『キャンディ・キャンディ』のリメイクが企画されました。このときいがらし氏と水木氏は二次使用や商品化などについて著作権を使用する際に「双方の同意を必要とする」契約を結びましたが、諸事情あってリメイクは立ち消えとなってしまいます。

 ここから、いがらし氏の「暴走」が始まりました。1997年には『キャンディ・キャンディ』の写真シール機(プリクラ)が登場。香港では翻訳版の出版が行われましたが、どちらも水木氏の同意を得ていませんでした。さらにいがらしゆみこ美術館をオープンし、数多くの商品を販売しましたが、著作権者として記載されていたのはいがらし氏のみであり、水木氏の名前は表記されていなかったのです。

 なぜグッズを販売した企業は水木氏の名前を排除したのか。もとをたどると、それはいがらし氏が弁護士とともに作成した「ある報告書」に行き当たります。報告書の内容は水木氏の公式サイトで閲覧可能ですが、原作者としての水木氏の権利を完全にないがしろにする内容でした。グッズ作成の際に、『キャンディ・キャンディ』の絵を使用する際に水木氏の同意を得なくても違法ではない、とまで書かれているのです。

 最終的にいがらし氏は水木氏が起こした訴訟に敗れ、逆にいがらし氏がグッズの製造会社から訴訟を起こされる顛末となりました。しかしその後もいがらし氏は自身の知名度や人脈を利用し権利を主張し、水木氏を貶め続けたのです。

 いがらし氏の行為については、実はまだ全貌が明らかになっておりません。『キャンディ・キャンディ』関連のいがらし氏の不正行為とみられるものがあまりにも多すぎるためです。

 筆者も当コラムの執筆を構想した際には、「50周年」を記念して復活への糸口を探れないかと考えていました。しかし調べれば調べるほど、もはやどうにもならない実態がわかり、「諦め」の気持ちが強くなりつつあります。

配信元: マグミクス

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