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実は誤解だらけだった? 『トトロ』メイとサツキの勘違い トトロ側の考えが「思ってたんと違う」

実は誤解だらけだった? 『トトロ』メイとサツキの勘違い トトロ側の考えが「思ってたんと違う」


画像は『となりのトトロ』静止画より (C)1988 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli

【画像】えッ…顔はメイだけど身体はサツキ? 『トトロ』キービジュアルに写る謎の少女を知る

実はまったく噛み合ってなかった「トトロとの会話」

 スタジオジブリの『となりのトトロ』といえば、1988年の公開から37年が経った現在でも愛され続けている不朽の名作です。懐かしい田舎の風景や不思議な生き物との出会い、そして少女たちの心の成長を描いた物語は、幅広い世代の人に深い感動を与えてきました。

 なかでもやはり、本作を語るうえで欠かせないのは「トトロ」というキャラクターの魅力でしょう。ときに無邪気に、ときに頼もしいトトロは、作中でも強烈な存在感を放っていました。「サツキ」や「メイ」のように、自分もトトロと心を通わせたい……そんな妄想を膨らませた経験のある人も多いのではないでしょうか?

 しかし実際にはサツキとメイも、案外トトロと心を通わせられていなかったのでは? という疑惑があるのです。その真相は、『絵コンテ となりのトトロ」(徳間書店)のなかにありました。

 まず注目したいのが、メイがお昼寝中のトトロと初めて対面するあの名シーンです。メイが「あなたはだあれ? マックロクロスケ?」とたずね、トトロは「ヴォ、ヴォ、ヴオオオオオオ」と返していました。するとメイは面白がって「グワアアアアア!」と真似をします。

 そんなメイを見てトトロは目を丸くしながら再び「ヴォ、ヴォ、ヴオオオオオオ」と叫ぶのですが、実はトトロの最初のセリフは「ネムイヨー」で、これをメイに真似されたため、2回目で「あんたもねむいの?」と返していたのです。

 ところがメイは勘違いして「トトロ! あなたトトロっていうのね?」と反応します。これにトトロは「ヴォー(分かりません)」と答えるのですが、メイはそれを「YES」と捉えたのか「やっぱりトトロね!」と満足げな表情を浮かべるのでした。

 まったく噛み合っていないものの、一応は会話のキャッチボールになっていたーーというのがジブリ作品らしくて魅力的ですね。

 次に雨のバス停でサツキが初めてトトロに出会うシーンですが、「トトロ?」と聞くサツキに対し、トトロは横目で「ヴォッ」と軽く返事をします。こちらも一見すると「YES」と答えているように思えますが、実は「トトロってなんだっけ?」と首を傾げていたのでした。

 そして物語の終盤、サツキは行方不明になったメイを追って、トトロに助けを求めます。涙ながらに懇願するサツキを見て「ヴォオオオオオオオ!」と叫びますが、絵コンテ集によると、なんとこのときのトトロは「かわいいー!」と叫んでいたのです。

 思い返せば確かに、サツキを抱きかかえたトトロが頬を赤らめ、どこかうれしそうな表情を浮かべていたのが不思議でした。

 余談ですが2022年8月の「金曜ロードショー」で本作が放送された際、番組の公式X(旧:Twitter)で意外な裏話が紹介されています。トトロが力を貸したのは、サツキをかわいいと思った、そしてメイが近くにいると分かっていたからネコバスを呼んであげた……ということだったらしいのです。

 つまりサツキもメイも、そしてトトロ自身も、お互いの気持ちを完全に理解していたわけではありませんでした。しかし噛み合っていないからこそ生まれる、この独特の距離感と温度こそが『となりのトトロ』の魅力だったのかもしれません。

 長年愛され続ける理由は、単なるノスタルジーだけではなく、こうした細やかな解釈の余地が作品の奥行きを広げてくれるからなのでしょう。やはり本作は、何度も観返したくなる名作ですね。

配信元: マグミクス

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