ラグビーの大学選手権は1月2日、東京・国立競技場で準決勝に突入する。
第1試合では、4連覇中の帝京大が早大とぶつかる。
帝京大は例年より1試合早い3回戦シードで登場し、加盟する関東大学対抗戦Aで敗れていた筑波大との準々決勝を36-0で圧倒した。
一方、前年度の対抗戦王者である早大は、関西大学Aリーグ首位の天理大に26-21で辛勝している。両軍は秋にも直接対決を行ない、帝京大が25-20で白星を手繰り寄せた。もっとも当時の早大では、フルバックの矢崎由高が日本代表の遠征に参加中。互いが組織を練り上げ、陣容を整えた場合の結末は分からない。
第2試合では、明大が京産大と激突する。
明大は関東大学対抗戦Aで序盤に躓きながらも優勝。上昇気流に乗る。他方、タレントの揃う京産大は、準々決勝で関東大学リーグ戦1位の東海大に26-24で逆転勝ち。5年連続の4強入りを果たし、初の決勝行きを狙う。
今年は上位独占の傾向にある対抗戦が混とん状態だったとあり、選手権での覇権争いも例年以上に不透明だ。本稿では激戦必至の2つのカードで暴れそうな才能を紹介する。
●服部亮太
(早大2年/スタンドオフ/178センチ・80キロ/20歳)
佐賀工高時代からアピールしていた長距離のスクリューキックは、昨年から参戦の大学ラグビーシーンでもさく裂。短いモーションでのロングパス、サポートからの加速と相まって、昨季から次世代の日本代表候補と遇されてきた。
「もし(代表に)呼んでもらえるなら僕ができるパフォーマンスをします。ただ、『呼ばれたらラッキー』という気持ちでいます。自分がしっかりできることやって、それが認められれば、呼ばれるのかな…と考えています」
待望論を浴びるたびに、地に足をつけて応じる。
「自分が(早大の)中心選手になる自覚を持って、いいアタックができれば」
課題の持久力も徐々に改善か。選手権の準々決勝では、不在だったインサイドセンターの野中健吾主将に代わってゴールキッカーも努めた。
●矢崎由高
(早大3年/フルバック/180センチ・86キロ/21歳)
昨年日本代表デビューを果たし、今季は秋の国内外キャンペーンで途中まで正フルバックとしてプレー。かねての持ち味である鋭いラン、意識するボールタッチ数のほか、空中戦での競り合いでも存在感を発揮する。
今年は、代表戦と大学のゲームが重なるスケジュールが検討材料であると再確認させられた。どちらのフィールドでも活躍する矢崎がいたためだ。
早明戦の後、当の本人は場内で「僕を日本代表に送り出してくれたことを、正しかったと証明するために、優勝したいと思います」と話し、意図を問われれば「そのままじゃないですか」。課題を分離する。
「(問題視される日程について)ここで簡単にああだ、こうだと言ったら面倒臭そうなので、ノーコメントです。僕のなかで思いはしっかりありますけど」
●森山飛翔
(帝京大3年/プロップ/180センチ・109キロ/21歳)
スクラム最前列でもっとも負荷のかかる右プロップを担いながら、持ち場のスクラムのほか突進、タックルでも存在感。さながらポジション不詳のワークレートを長所に、昨年はチームでのレギュラー定着前にして日本代表入りを果たした。
今季は対抗戦で2敗。「ずっと勝たせてもらっていたので(敗戦に)慣れていないので…」と落ち込むことはあったが、選手権では生来のパフォーマンスを発揮して筑波大にリベンジ。かねて「リーダーになっていかないといけない。チームとしてエナジーに欠けるところがあるので、そこは自分がリードしたいです」と意気込んでいた大器は、この冬も凱歌を奏でられるか。
●古賀龍人
(明大1年/ウイング・フルバック/184センチ・86キロ/19歳)
昨季は桐蔭学園高で2連覇を達成。大学シーンでもすぐに頭角を現した。
大胆なカウンターアタックに鋭いキックのほか、堅実な防御でも光る。12月7日に国立であった伝統の早明戦(早大との対抗戦)では、自陣の深い位置で数的優位を作られながらも各人の選択肢を消しながら被害を最小限に止めるシーンがあった。「ひとりを見て、(突進が)なかったら次…と。もちろんどんな風にアタックが並んでいるかも頭にはあるんですが、意識をぶらさずに一人ひとりを見ています」と落ち着いていた。
「(早明戦においても)いつも通り、八幡山(普段の練習場)でやっているプレーをそのまま出せた。会場を意識することなくできたかなと。高校の頃も、皆が緊張している時もあまり緊張していなかったです」
この夏、日本代表になった3年生フルバックの竹之下仁吾のコンディションに沿って、その時々の最適なポジションで出場しそうだ。
●石橋チューカ
(京産大3年/ロック・フランカー/190センチ・106キロ/21歳)
2年時から日本代表の練習生となり、セレクトしたエディー・ジョーンズヘッドコーチにはかねて「本当に懸命に取り組みたい、学びたいという願望を持っている」と態度を褒められた。
攻守両面で何度もプレーに絡む。接点周辺でのフットワーク、タックルを放った後の起き上がりが光る。
昨季の選手権終了後には「自分は1年生から(メンバーに)入っている。中心人物になり、もっとチームに貢献したいです」と、主戦級として決意を固めていた。関西2位で参戦した今回の選手権では、準々決勝で要所のラインアウトへ圧をかけるなど勝負を左右する局面で目立つ。
取材・文●向風見也(ラグビーライター)
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