夢と光の裏側で…

何かを背負っていないだろうか(写真:iStock)
私はいま芸能界とは少し距離のある仕事をしているが、ときどき深夜のテレビで、あの頃一緒にいたタレントの姿を見ることがある。
画面の中で笑う彼女たちを見ながら、ふと考える。
「今、あの子は笑えているだろうか」「何かを背負っていないだろうか」と。
芸能界には夢も光もある。だが同時に、誰かの沈黙と犠牲の上に成り立っている側面もある。
“あの子、消されたらしいよ”――その一言がどこまで真実で、どこからが噂なのか。
誰も確かめようとしないのは、知ってしまった瞬間に自分もその闇の一部になる気がするからだ。
だから今日もメイク室では、小声の噂がひそひそと流れている。
名前を出さずに、誰もが“察する”だけで話を終える。
まるで、それがこの世界の正しい呼吸法であるかのように。
(おがわん/ライター)
