
「え!」「マジ?」三笘薫のメンバー外に現場は騒然。ブライトン番記者、クラブ広報も“寝耳に水”だった…指揮官は嘆き「とてもがっかりした」【現地発】
12月27日のアーセナル戦、試合前のエミレーツスタジアム内で取材に向けて準備をしていた現地時間13時45分ごろ(試合開始の1時間15分前)、ブライトンのクラブ公式Xで発表されたチームのスターティングメンバーを見て驚いた。三笘薫の名前が見当たらなかったからだ。
その時点でスタジアムに到着していた日本人記者は筆者を含めて2人。情報が開示されたと同時に、我々は顔を見合せた。直後、懇意にしている『サセックスワールド』のブライトン番のサム・モートン記者に「三笘がベンチ外なんだけど、何か知っているかな?」と聞いてみると、まだ状況を把握していなかった彼は、驚いた表情で「マジ!?」と一言。急いで印刷されたメンバー表を取りに向かった。
それもそのはず。モートン記者の先発予想の原稿には「日本代表が先発復帰する可能性が高い」と書いてあり、彼にとっても寝耳に水だったからだ。その後、我々はブライトンの広報担当に話を聞きに行く。そこで今度は、広報の一人であるチャーリー・ハンソン氏も「え!」と困惑の表情を浮かべていた。
クリスマス休暇から戻ったばかりのハンソン氏も「全然知らなかった」と話し、隣のデスクにいた同僚と確認後、「事情が分かったら情報をシェアする」と言われた。数分後、我々のいるデスクまで来て「Unwell(体調不良)らしい」との説明があった。
足首に怪我により長らくチームを離れていた三笘だったが、14日のリバプール戦から戦列に復帰。そのリバプール戦を含む直近の2試合には途中出場し、この日は先発起用が期待されていた。それだけに、試合前から残念なニュースとなった。
迎えたキックオフ。アーセナルの右サイド、すなわち本来であれば三笘が入っていたであろうブライトンの左サイドを、イングランド代表FWのブカヨ・サカが面白いように攻め立てた。
ブライトンはこの試合、センターバックを3枚並べる3―4―3(守備時には両ウイングバックが守備ブロックに加わる5-4-1となる)の布陣で臨んだ。しかし左ウイングバックとして起用されたマクシム・デ・カイペルはサカの鋭いドリブルに悪戦苦闘。加えて、MFマーティン・ウーデゴー、右SBに入ったデクラン・ライス、そしてサカとのコンビネーションプレーにまるで対応しきれず、ピンチに陥り続けた。
14分のアーセナルの先制点もこの3人のプレーから奪われた。
シーガルズのGKバート・フェルブルッゲンのゴールキックがカットされ、こぼれ球をライスが頭で落とす。右サイドでボールを受けたサカが“タメ”をつくってウーデゴーがシュートポジションに入るのを待ち、絶妙のタイミングでパスを送り込む。ガンナーズのキャプテンはエリアすぐ外から素早く左足を振り抜き、狙いすましたシュートはゴール右下隅へと突き刺さった。
その後の首位アーセナルにペースを握られ、前半のシュート本数はホームチームの15本に対して、ブライトンは0本(枠内5対0)。まるで良いところなくハーフを終えた。
ブライトンは後半開始からFWヤンクバ・ミンテとMFマッツ・ヴィーファーを投入。この選手交代により息を吹き返しかけたものの、52分にオウンゴールから追加点を許してしまう。64分にディエゴ・ゴメスのシュートで1点を返して、その後も必死に相手ゴールに迫ったものの、堅守を誇るアーセナル守備陣を破ることはできずに、1-2で試合は終えた。
この敗戦により、12月に入ってから勝ち星に恵まれないブライトンは2分3敗。調子を落としているのは確かだが、タイトルコンテンダーの一番手として見られている相手に圧倒されるのは仕方がなかったかもしれない。
試合後の会見で、ファビアン・ヒュルツェラー監督は「前半は勇敢に戦えずに、受け身になりすぎてしまった」と振り返り、また「この試合に臨む前半のセットアップを後悔しているか?」という筆者の問いに対しては、「前半については、確実に後悔している」と表情を曇らせた。
続けて、日本代表の状態についての質問もぶつけると、指揮官は「病気だ。長くならないことを願っているし、火曜日(のウェストハム戦)までに戻ってきてくれることを期待している」と応えた。そして「調子が悪いと聞いたのは昨日(26日)。あまり時間がないなかで、我々にとって重要な選手である三笘が体調不良だと聞いたときは、とてもがっかりした」と続けている。
この言葉からも分かるとおり、三笘の存在はチームの復調には絶対不可欠である。30日、敵地で行われるウェストハム戦をエースの完全復活で勝利し、最高の形でシーズン前半最終戦、そして2025年最後の試合を締めくくりたい。
取材・文●松澤浩三
【記事】「バカげた契約」マドリー退団→5部でプレーの22歳MF中井卓大に古巣地元メディアがチクリ「日本のSNSスター」「7試合しか出場しなかった」
【記事】「凄いメンツ!」「中田ヒデと本田が肩組んでいるのが貴重」レジェンド日韓戦に出場した元日本代表戦士の“豪華”集合ショットが反響!「城さん、どんどんでかなるやん」
【画像】長澤まさみ、広瀬すず、今田美桜らを抑えての1位は? サカダイ選手名鑑で集計!Jリーガーが好きな女性タレントランキングTOP20を一挙紹介
