
2025年にも様々な量子力学のニュースを紹介してきました。
そこで今回はその中でも私たちの現実感や世界観の根底を揺るがすような量子ニュース7本を選びランキング形式で紹介したいと思います。
ランキングには「光速の壁の次としての出力の壁」や「観測しないことで対称のエネルギーを低下させる手法」さらに「量子もつれなしでも量子もつれっぽくなる方法」や空間、時間、質量の起源にかかわる理論なども紹介しています。
私たちが当たり前と思っている全てが崩壊するかのような理論を前に、私たちはいつまで常識を保てるでしょうか?
目次
- 第7位:光速の次は“出力の壁”―― 10⁵²ワットで時空が悲鳴を上げる理由
- 第6位:量子トリックにより「観測しないこと」で物体を冷却することに成功
- 第5位:「重力がエントロピー起源」であることを示す革命的理論が発表
- 第4位:観察という行為そのものがもつ限界を理論的に解明
- 第3位:量子もつれなしでも量子もつれのような通じ合いを起こすことに成功
- 第2位:時間も空間も本質ではなくどちらも「量子もつれ」から生じている
- 第1位:質量の起源は『空間そのもの』とする新理論が発表
第7位:光速の次は“出力の壁”―― 10⁵²ワットで時空が悲鳴を上げる理由

まず第7位は宇宙のパワー限界の話です。
「速度」には光速という越えられない上限があるのはよく知られています。
しかしこの研究では宇宙で発揮できる「出力」――つまり一定時間あたりに放出できるエネルギーにもまた上限が存在する可能性が示されています。
ドイツのエアランゲン=ニュルンベルク大学(FAU)で行われた研究によって、光速に次ぐ“宇宙の絶対ルール”として、重力波などが放てるエネルギー出力には約3.63 ×10⁵²ワットという上限値(プランクパワー)が存在し、それを超えようとすると時空が自ら破綻する「出力の壁」が理論的に示されたのです。
速度に限界が存在するならば、限られた時間に発揮できるエネルギー(出力)にも限界があるというのは、なんとなく理解できます。
そして宇宙の理解において、速度の限界(光速)の発見と同じくらい、出力の限界は重要なことなのかもしれません。
第6位:量子トリックにより「観測しないこと」で物体を冷却することに成功

第6位は量子力学の不思議を感じる結果です。
科学の世界で「何も起きなかった」ということが、実は大きな意味を持つ場合があります。
イギリスのインペリアル・カレッジ・ロンドン(ICL)で行われた研究によって、「『光子が出なかった』と判定された瞬間 を選び出すことで、従来の冷却限界をさらに押し下げられることが実証されました。
通常、物体の温度は観測しようがしまいが変わらないと思われがちです。
しかし量子の世界では観測という行為が物理現象に決定的な影響を与えてしまいます。
ある意味では、観測と物理現象は切り離せないセットなわけです。
今回の研究では、そんな量子の世界であえてエネルギーを観測しない場合、観測しないという選択が物体のエネルギー状態そのものに影響を与えることが示されています。
その結果「見なかったことにする➔エネルギーが下がる」という日常の常識では考えられない結果が得られたのです。

