第5位:「重力がエントロピー起源」であることを示す革命的理論が発表

第5位は重力の起源に迫る理論です。
「そもそも重力って、なぜあるんだろう?」――誰もがそんな疑問を抱いたことがあるでしょう。
ですが今回イギリスのロンドン大学(University of London)で行われた研究によって、重力がエントロピー起源であるとする革命的な理論が提唱されました。
エントロピーは私たちの身近な例でいうと、コーヒーをかき混ぜているうちにミルクと混ざり合って元の状態には戻りにくくなる、あの“乱雑さ”や“不可逆”の度合いに似た概念です。
このエントロピーが、なんと重力の根源と結びつく可能性があるというのです。
論文著者のビアンコに氏は「この研究は、量子重力がエントロピー起源であることを提唱し、重力場が暗黒物質の候補となる可能性を示唆しています」と述べています。
これは単に重い物体があれば時空が歪んで重力が生まれるとする、時空一辺倒な既存の解釈の仕方とは大きく異なり、重力も時空と物質の相対的な関係性(量子相対エントロピー)によって決まる可能性を示しています。
そして「重力はエントロピーの結果」という考え方は、私たちが宇宙を理解するうえで、これまで当然としていた“空間の曲がり”だけの説明を超えて、空間や時間そのものを別の観点で捉え直す必要性を迫っています。
第4位:観察という行為そのものがもつ限界を理論的に解明

第4位は再び「観測とは何か?」に迫る理論です。
アメリカのカリフォルニア工科大学(Caltech)・ハーバード大学・Google Quantum AIの合同研究チームによって、どんなに高度な技術があっても、物事が進む時間や因果構造、さらには物質の状態(相)など、自然界の根本的な性質を十分に知るための観察ができない示されたのです。
私たちは適切な技術と適切な方法があれば、どんな現象も観測は可能だと考えがちですが、この理論ではその常識にNOを突き付け、観測の限界を描いてきます。
その主な原因は計算量にありました。
たとえば水と氷の違いを確かめるならば、センサーで硬さを測るという単純な方法でも見分けがつきます。
実際、単純な硬さをもとにした水と氷の違いを見分ける(観察する)計算アルゴリズムはほんの十数行で記述できてしまいます。
しかし量子の状態など複雑なものの測定に必要な計算量は膨大になります。
研究では物体の状態を判別するために必要な計算の量が調べられており、その結果、ある限界点を超えると必要な計算量が爆発的に増加することが示されたのです。
言い換えれば、目の前にある量子の状態(相)が存在していても、私たちにはそれが確かめられない場合が出てきてしまうのです。
研究者たちはこれを単なる計算力不足といった技術的問題ではなく、観測という行為の持つ本質的な限界を示すものだと考えています。
この研究は、宇宙のいくつかの性質には、原理的に近づけない限界があり、それが私たちの完全な理解を妨げているのかもしれない、という新たな視点を提示しています。
先ほどは速度の限界、出力の限界を紹介してきましたが、この研究は観測の限界を示した点で画期的と言えるでしょう。

