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昭和の家電はなぜ黄緑色だらけだったのか? シャープが明かす爆発的流行の理由と“昭和レトロ色”にまつわる意外な事実

昭和の家電はなぜ黄緑色だらけだったのか? シャープが明かす爆発的流行の理由と“昭和レトロ色”にまつわる意外な事実

2025年は「昭和100年」として各メディアでさまざまな企画が組まれ、「T&D保険グループ 新語・流行語大賞」にもノミネートされた。昭和といえば、戦後は一般家庭にも電化製品が普及した時代だったが、今の視点で見ると奇妙な共通点が……。

冷蔵庫・掃除機・洗濯機・扇風機……黄緑色だらけだった昭和の家電

高度経済成長期、日本ではクーラー・冷蔵庫・テレビ・洗濯機といった家電が普及していき、「3C」「3種の神器」といった言葉も流行った。その後もさまざまな電化製品が一般家庭に普及し、当時のアイテムは「昭和レトロ」「レトロ家電」などと呼ばれ、マニアから今なお根強い人気を誇る。

そんな昭和の家電を見ると、アナログな機能や独創的なフォルム以外にも“ある特徴”が目につく。それは、黄緑色がやけに多いという点だ。

実際に大手家電メーカー・シャープが1978年秋に出したカタログを見ると、2種類の掃除機にはそれぞれ黄緑とオレンジがラインナップされている。

同じカタログの洗濯機のページを見ると、ここでも2種類の洗濯機で黄緑色のラインナップがある。現在、多くの家電はシルバーや黒・白が定番だが、どうやら当時は黄緑色が定番だったようだ。

また、1966年に放送開始した初代『ウルトラマン』(TBS系)も、変身アイテムのベータカプセルは薄い黄緑色をしている。2022年に劇場公開された『シン・ウルトラマン』ではシルバーだったことを考えると、こちらも当時の流行を反映していると言えるだろう。

それにしても、現在では奇妙にも思える“黄緑色家電だらけ”という現象はいかにして起こったのか。

昭和家電をはじめとしたレトロなアイテムを収集し、『ALWAYS 三丁目の夕日』ほか多くの作品に貸し出しも行っている『昭和ハウス』運営の冨永潤氏は言う。

「はっきりした理由は分からないのですが、それまでの生活用品は花柄のプリントなど、オレンジ色のものがすごく流行っていたんです。こういったものはけっこう目が疲れるような色なので、落ち着く色として黄緑色のものが好まれたのではないかなと。緑というと、木や葉っぱなど自然の色に近いですよね。観葉植物を置くとお金がかかるけども、緑の冷蔵庫が置いてあるだけでちょっと落ち着くような感覚なのかなと。

それと、オレンジ色しかり、着色技術としても緑は表現しやすかったのだと思います。赤・黄・青の原色から混ぜ合わせればできるので、オレンジや赤や緑のものがラインナップされていくなか、心地よい緑が特にウケたのではないでしょうか」(冨永氏、以下同)

「黄緑色」で一くくりにはできない!? 「まず自動車からパステルカラーのような……」

この説を受け、戦後から日本の家庭を支えてきた老舗家電メーカー・シャープに、なぜ当時の家電に黄緑色が多かったのか聞いたところ、広報担当者は「1970年代の日本では、高度経済成長の影響による公害問題もあり、環境意識の高まりを背景に、大地や植物などの自然物をイメージした色『アースカラー』が流行しました」との回答を得た。

消費者が自然を求めていたという冨永氏の分析は当たっていたようだ。

さらに、いつ、どこから黄緑色の家電が普及したのかもたずねたところ、「1977年にシャープが発売した『3ドア・アラスカ』が、緑色の冷蔵庫として市場に登場したのをきっかけに、緑色をはじめとするカラフルな家電は、1970年代後半から1980年代にかけて広まりました。この色の登場により緑のカラーリングの人気は高まり、掃除機や洗濯機、炊飯器などあらゆる家電に取り入れられました」とも教えてくれた。

その後、黄緑色が廃れ、現在のようにシルバーや白黒が定番になった時期については、「1980年代後半からは一気にモノクロのトレンドが訪れました」と答えた。さらに、「塗装鋼板技術が向上するにつれて、さらに多様な色合いを表現できるようになったほか、防汚性やデザイン性に優れた、マット仕上げなども可能になりました。現在のモノクロは、以前のモノクロとは違い、インテリアにも調和する、シンプルで洗練された色合いを実現しています」とも解説している。

しかし、ここで新たな事実が判明する。冨永氏によると、黄緑色の昭和家電といっても、時代によって色合いが異なるというのだ。

「当サイトの背景にもなっている“昭和レトロ色”みたいなカラーは、昭和30年代に流行ってるんですよね。歴史的にいうと、昭和30年代にまず自動車からパステルカラーのような薄い緑が流行り、いろんなアイテムに使われて。そこから10年ぐらい遅れて、昭和50年前後に色が濃くなった黄緑色の家電が流行り始めました」

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