現地時間9月24日に行なわれたヨーロッパリーグ(EL)のリーグフェーズ第1節で、セルティックはセルビアのレッドスター(ツルベナ・ズベズダ)と1-1で引き分け、敵地で勝点1を獲得している。
この一戦で重要な先制ゴールを挙げたのは今夏に加入したのはケレチ・イヘアナチョだったが、後半から出場したナイジェリア代表FWの陰に隠れる形となったのが、スタメンとして45分間ピッチに立った後、ハーフタイムでベンチに退くことを命じられた前田大然だった。
UEFA公式サイトは前半途中、この日本代表アタッカーについて「前田は最も直接的な脅威となっている。彼の動きや、DFに立ち向かう積極性によって、ズベズダは守備陣が常に警戒させられている。アウェーチームが静かな時間帯を過ごしていても、前田が絡み始めると再び活気を取り戻す傾向がある」と綴っていたが、結局彼は45分間でシュートもドリブルも0で、ボールタッチ7回、パス4回(成功3回)というスタッツを記録するに止まった(データ専門サイト『FOTOMOB』より)。
ブレンダン・ロジャーズ監督は試合後、前田からイヘアナチョへの交代について「センターでボールを収めてくれる選手が必要だった。前半は何度かファイナルサードまではボールを運べるものの、ボールを雑に失ったり、収められなかったりした」と理由を明かし、早期の退場となった背番号38については「ダイゼンはベストの出来ではなかった。というより、程遠かった。彼は良い選手だが、時にはそういうことも起こる」と評している(『TNT Sports』のインタビューより)。
現地メディアの彼に対する評価を見ると、スコットランドの日刊紙『THE SCOTSMAN』は10点満点の採点でチーム最低タイの「4」を前田に与え、「よくプレスはかけたが、センターでストライカーとしてプレーしている間は十分に試合に絡めなかった。セルティックの頼れる存在は、苛立ちと少しばかり疲れが感じられたものの、ハーフタイムでの交代は驚きだった」と寸評を綴った。
一方、『The Herald』紙は「6」の及第点評価としたが、「前田はいつものようにプレッシングで精力的に動き回った。序盤からそのスピードを見せつけてレッドスターの最終ラインに警戒心を与えたが、前線でボールを収められず、ゴール前で存在感を示す機会はほとんどなかった。ロジャーズ監督はストライカーにより多くを求め、イヘアナチョと交代させた」と、こちらも厳しい記述となっている。 続いて『Daily Mail』紙は、「FWは調子の上がらないまま、フラストレーションの溜まる前半を過ごし、ほとんどチャンスに絡めず、ハーフタイムで交代となった」と前田の45分間を総括し、採点はチーム単独最低の「4」を付与。さらに低い「3」(チーム最低タイ)とした地元グラスゴーの総合サイト『Glasgow World』の寸評も、やはりネガティブな内容となった。
「チャンスメイクの面では孤立。ほとんど試合に絡めなかったが、前半終了時に交代した際、スコットランドの英雄ジェームズ・マクファデンが英国公共放送「BBC」のラジオ番組である『Sportsound』の解説で『大きなサプライズ』と語る場面もあったほどだ。戦術上の判断だったのか、体調面の問題だったのかは不明だが、この試合は彼の強みを活かすものとはならず、厳しい不調は続いている」
セルティックOBで現在はコメンテーターを務める元イングランド代表のクリス・サットンは、前田が起用されるポジションに注目し、自身のSNSで「前田が下げられた……怪我でないのなら、彼には同情する。サイドで素晴らしい活躍を見せてきた選手が、慣れていないポジションに押し込まれるのは辛いことだ。(センターより)右サイドで起用する方が間違いなく良いはずだ。昨季33ゴールの彼が……セルティックは少し苦境にある」と見解を示している。
こちらもクラブOBで、監督としても8シーズンを過ごしたニール・レノンは、サットンとは対照的な見方で、「もし移籍が叶わなかったことで気が抜けているなら、それは良くないことだ。彼はセルティックから多くのものを得たし、ここで大きく成長できた。このクラブに多くの恩があるはずだ。だから、移籍が叶わなかったとはいえ、気持ちを入れ直して、願いが叶うその時まで頑張り、周囲に自分が優れた選手であることを示すべきだ」と訴えた(日刊紙『THE SCOTTISH Sun』より)。
構成●THE DIGEST編集部
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