第3位:電極を指したセミを「生きたスピーカー」にしてカノンの演奏に成功

真夏の森でセミの大合唱が突然あの有名なクラシック曲「パッヘルベルのカノン」を奏で始めたら――まるでSFのワンシーンを可能にする研究が行われました。
筑波大学(筑波大)で行われた研究によって、アブラセミに電極を植え付けて鳴き声の高さ(ピッチ)を自在に操り、実際に音階を奏でさせることに成功したのです。
セミを選んだ理由の一つは、その解剖学的な特徴にあります。
セミのオスはお腹にある「ティンバル」という発音器官を鳴らすための筋肉を持っていますが、腹部にはそれ以外に大きな筋肉や臓器が少ないため電気刺激による制御がしやすいのです。
さらにアブラゼミは体が比較的大きく、電極を埋め込む手術もしやすいこと、そしてオスしか鳴かないので実験対象をオスに限定しやすいことも利点でした。
もしこの技術が普及すれば、セミだけでなくキリギリスやコオロギなどさまざまな虫たちに好みの曲を歌わせる虫のオーケストラが実現するかもしれません。
第2位:進撃のキノコ:日本でも人気のキノコが栽培場から脱走し米国で生息地を急拡大

アメリカのウィスコンシン大学マディソン校(UW–Madison)で行われた研究によって、日本でも人気の食用キノコ「タモギタケ」が栽培場から北米の森に逃げ出し、倒木に暮らす菌たちの多様性を大きく損なっている可能性が示されました。
研究ではタモギタケの生えている倒木で確認された菌(きのこ)の種類は、生えていない倒木の約半分程度しかなかったことが示されています。
しかし栽培場でヌクヌクと育てられてきた食用キノコのどこに、こんなにも高い侵略能力があったのでしょうか?
その答えは、品種改良にありました。
通常の動物などに行われる品種改良は人間の都合のいい変化を追求した結果、動物たちは野生での生存能力を失っていきます。
しかしキノコに対する品種改良は、収穫量を上げるための素早い増殖や、栽培場に入り込んだ雑菌を押しのける競争力です。
この2つの要素は、野生環境でも非常に強力な武器になります。
人類は素早くたくさん採れる美味しいキノコを作ったつもりでしたが、期せずしてそれは最強のキノコ軍団になってしまったようです。

