
映画「国宝」の歌舞伎座大晦日特別上映会が12月31日、東京・東銀座の歌舞伎座で行われ、主演の吉沢亮が横浜流星、寺島しのぶ、見上愛、黒川想矢、田中泯、中村鴈治郎、李相日監督とともに登壇。撮影中のエピソードや公開後の反響について語った。
山本周五郎賞や芥川賞を受賞するなど、数々の賞に輝いた吉田修一の小説「国宝」を原作に、李相日監督が映画化。任侠の一門に生まれながらも、上方歌舞伎の名門に引き取られ、芸の道に人生を捧げる主人公・喜久雄の50年を描く。
6月6日の公開初日から大ヒットを記録した本作は、22年間破られなかった記録を更新し、歴代興行収入ランキングで邦画実写No.1を達成。2026年の北米公開も決定し、第98回米国アカデミー賞では国際長編映画賞のショートリスト15作品、メイクアップ&ヘアスタイリング賞の10作品に選出されるなど、世界的な評価も高まっている。
■「この舞台からの景色を見るとは思わなかった」吉沢亮が感慨
大晦日に行われた特別上映会後の舞台あいさつで、吉沢は「何度も足を運ばせていただいた歌舞伎座に、まさかこの舞台の上からの景色を見させていただけるとは思っていなかったので、非常に光栄です」と恐縮した様子でコメント。「おかげで色んな経験をさせていただきました。公開から半年たって、こうして皆さんの前でごあいさつできる機会はめったにないですし、反響もたくさんいただいて、『国宝』のおかげで忘れられない1年になったと感じています」と充実した表情を見せた。

吉沢は、父を抗争で亡くし、上方歌舞伎の名門・丹波屋に引き取られ、稀代の女形として脚光を浴びていく主人公・喜久雄を熱演。撮影では李監督から何度もテイクを求められたといい、「(李監督の)執念しかなかったですね。我々のことを信じているからこその『もう1回』だと思いますが、何で『もう1回』と言われるのか分からないままやらされていました」と本音を吐露。それでも「自分で気づくまでやらせてくれるというのは、厳しさの中に愛情を感じました」と、監督への信頼をにじませた。

■中村鴈治郎の支えに感謝「内面から教えてくださった」
歌舞伎役者としての所作や心構えについては、この日登壇した中村鴈治郎から直接指導を受けたという。「動きがどうこうというよりも、まずは内面から説明してくださって、歌舞伎役者ではない我々でも理解できるように導いてくださいました」と振り返り、「本番中も常にいてくださって、ワンカット終わるたびに一番最初に駆け寄ってくれました。技術面だけでなく、メンタルの部分でも支えていただきました」と感謝の言葉を口にした。
また、この日はサプライズで市川染五郎、市川團子が登場し、李監督に花束を贈呈。歌舞伎座という特別な場所で行われた大晦日の上映会は、作品の成功を象徴する華やかな締めくくりとなった。


