クラシックを愛する人ほど、“黒”に慎重になる。けれど、上品さと洒落感を両立させる鍵もまた、この色にある。トラッドを知る人たちは、黒をどう自分のスタイルに落とし込むのか。今回は「Archive&Style」代表・坂田真彦さん流の着こなしに注目したい。
「Archive&Style」代表・坂田真彦さん|1970年生まれ。和歌山県出身。服飾専門学校を卒業後に、デザイナーズブランドでキャリアをスタート。2004年に独立し、アーカイブ&スタイルを設立。ヴィンテージからモードまで熟知する
ブラック特有のセクシーさをフェードした生地で中和させる

様々なブランドに携わるデザイナーであり、クリエイティブディレクターとしても活躍する坂田さんは、業界有数のウェルドレッサーだ。黒を使う巧者である坂田さんのモットーは「あえてフェードした素材を合わせる」というもの。その心は?
「ブラックというカラーはどうしてもエレガントさや艶っぽさが出てしまう。もちろんスタイルによってはプラスに働くが、アメトラだとその要素がそこまで必要ないと思います。それを中和するために、今日のような色落ちしたヴィンテージデニムやフェードしたバンダナなど、黒が持つ特性とは、相反するものを混ぜるのがちょうどいい。そんなバランスを考えてコーデするのも黒を嗜む醍醐味ですよね」
【着用アイテム】ブルックスブラザーズ フォー アダム エ ロペのブレザー

定番のブレザーのボックスシルエットはそのままに、ショートな着丈からレギュラー仕様に変更した別注品。NOIRをテーマにしているだけあり、ブラックの生地に加えて、モノグラムの裏地やブラッククロームのボタンなどにモディファイしているのも注目。
【コーディネイトのポイント】土臭いテイストをプラス

ブラックのブレザーに同色系のアイテムを合わせると艶っぽくなりすぎてしまうため、あえて美しいインディゴブルーとなった501をセレクト。また未裁断のバンダナをストールとして使っているのもポイント。深みのあるコーデとなっている。
(出典/「2nd 2025年12月号 Vol.215」)