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「線が減った?」「画力の無駄遣い」 連載中、衝撃的に絵柄が変化したマンガ

「線が減った?」「画力の無駄遣い」 連載中、衝撃的に絵柄が変化したマンガ


マンガ『からかい上手の高木さん』のアニメ化記念の特別フルカラー編集版(小学館)

【画像】え…っ?「1巻と最終巻で変わりすぎ」「鼻が…」  コチラが絵柄が大きく変化した西片と高木さんです

絵柄の変化には作家ごとの深い事情や戦略があった

 現在ではその絵柄を広く知られているマンガ家さんも、最初から現在のスタイルだったわけではありません。なかには、連載を続けるうちに意図的に線を減らしたり、あるいは劇画調にシフトしたりと、同じ作品の序盤と終盤で驚くほどの違いが見られることがあります。

『からかい上手の高木さん』

 アニメ化、実写化と大ヒットした『からかい上手の高木さん』は、連載を通じて絵柄が大きく変わったマンガのひとつです。

 現在では、丸みのある可愛らしいデザインが定着していますが、連載初期の「高木さん」は輪郭がシャープで、一般的な少年マンガのヒロインに近い造形でした。また、連載が進むにつれて鼻の描写などが省略されるようになっています。

 作者の山本崇一朗先生自身が、「線が少ない絵柄」と自虐的に語ることもありますが、これは単なる手抜きではなく、高木さんの目と眉毛の動きに読者の視線を集中させるための変化だと言われています。情報を削ぎ落とし、もっとも大切な部分を際立たせたこの変化は、まさにプロの戦略と言えるでしょう。

『東京アンダーグラウンド』

 マンガ『東京アンダーグラウンド』は、2000年代にアニメ化もされた人気作で、連載中の絵柄の大きな変化はファンの間で広く知られています。

 1巻と最終巻の表紙を比べるとその変化は一目瞭然で、初期のポップな絵柄から、最終的には主人公「浅葱留美奈(ルミナ)」の顔つきが別人のように鋭く、硬質なタッチへと変貌しました。中盤ではデッサンが乱れるなど不安定な時期もあり、作者・有楽彰展先生の試行錯誤がうかがえます。

 この変化の背景には、当時の出版元であるエニックス(現スクウェア・エニックス)で起きた「お家騒動」も影響しているといわれてきました。多くの作家が新出版社へ移籍するという、業界を揺るがした事件の渦中に有楽先生もいたため、担当編集や、隔月から毎月に変わった連載ペースを含めた制作環境の激変が原稿に反映されたのかもしれません。

『アゴなしゲンとオレ物語』

 平本アキラ先生が描くマンガ『監獄学園』は、美麗なタッチで「美女が尻で顔を潰す」ような下ネタギャグが繰り広げられるシュール系コメディーとして大ヒットしました。下品な内容とシリアスな画風のギャップから、ファンからは「画力の無駄遣い(褒め言葉)」と称賛されています。

 この平本先生の「シリアスな画風×下ネタギャグ」というスタイルが確立されたのは、前作『アゴなしゲンとオレ物語』の連載中でした。1998年に始まった同作の初期は、いわゆる「ヘタウマ」な絵柄で、3頭身ほどのキャラが下ネタギャグを繰り広げる内容です。

 ところが連載中盤あたりから、平本先生の絵柄が急激に変化し始めます。女性キャラは艶かしく、背景は緻密になり、最終的には初期とは全く違うリアル調の作風へと変貌を遂げました。連載終盤では重厚な絵柄で、中身は下ネタギャグをやるという「ギャップ」が完成しており、のちの『監獄学園』のヒットにつながっています。

配信元: マグミクス

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